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2007年10月

2007年10月31日 (水)

Brakes

< 2004. 09. 24 @ Barfly, Camden, London >

< 2006. 10. 16 @ The Luminatre, London >

< 2007. 08. 25 @ Reading Festival '07, Radio One Stage >

Timeout 誌の情報だけを頼りに、「 British Sea Power 」のメンバーと、「Electric Soft Parade 」のメンバーが結成したという、この Brakes というバンドを観にいったのは、今をさかのぼること3年前の2004年であった。www.brakesbrakesbrakes.com/ www.myspace.com/brakesband 

どちらも好きなバンドだったので、それぞれ過去に何回か観にいったことがある。ファンの立場から見て、どちらのバンドもなんとなく行き詰まりを感じていた時期だったかもしれない。Brakes としてもまだ一般には知名度も高くなく、小ヒット曲 [ All Night Disco Party ] がリリースされたのは、翌年の2005年になってからだと記憶している。

演奏が始まってみると、ご存知のとおり、Eamon の鬼気迫る歌声、いや表情には、インパクトがあった。しかし、なんとなくだが「お友達同士の、一回限りのプロジェクト」にも見えてしまい、しっくり来なかったのも事実である。

帰り道、これはこれでいいから「本業」をしっかりやれよ、と思った。実はそう思った背景にはもうひとつ理由がある。前座を務めた女性コーラス・グループがいたのだが、White 家の兄・弟がともにバックの演奏を勤めていたのである。Barflyでプレイするにはちょっと場違いにも見えるこのコーラス・グループ。その1年半後に The Pippets としてアルバム・デビューするのだが、そのときは名前も存在も知らない女のコたちだった。兄も弟も、いろいやりたいのはわかるが、まず足元を固めろよ、と自分の中ではネガティブな印象が大きかったのである。

時は流れて、Brakes もアルバムが出てみると、なかなか悪くない。自分としても、相対的に Electric Soft Parade にも、British Sea Power にも見切りをつけ始めたタイミングと重なっている。

もうこうなったら、Brakes のほうで、何とかがんばってくれよ。そういう気持ちになってから観た彼らのステージは、自分としてもオープンな気持ちで、十分堪能することができた。今はむしろ好きなバンドの部類に入る。

今年の Reading Festival では「お目当て」のバンドのひとつだったが、十分に期待に応えてくれたと思っている。なんと言うか、同じバンドでも、気持ちの持ちようで、印象変わるもんですな。

ちなみに The Pippets であるが、こちらの方もアルバムは意外と愛聴盤となって、クルマでよく聴いてます。とはいえ、もいちど足を運んでまでは観に行かないと思うけど。

2007年10月30日 (火)

Shy Child

< 2007. 04. 19 @ Cuban Bar, Camden Crawl '07 >

< 2007. 05. 01 @ Cargo, London >

小学生のときの同級生に、どんなときでも笑っているようなカオをしているヤツがいた。先生に怒られるときも笑っているように見えるので、それでかえって教師の怒りを増幅させていまうのだ。アレはアイツの「地」なのに。損なヤツだ、と思った。

大人になって考えると、笑っているように見えるのは、悪いことではない気がする。すくなくても外見で人を安心させるのはいいことだ。

バンドだってそうだ、と思う。笑いながら歌っている(ように見える)と、なにかこう、とても楽しそうに演奏しているカンジが伝わってくる。ホントに楽しいのかどうかは、本人に聞かないと判らないのだが、そういった、周りを安心させるバンドっていうのも、なかなかいいじゃないですか。今年の春、そんなバンドに出会った、というささやかな話です、今日は。

今年の Camden Crawl '07 では、お目当てのバンドのひとつが、彼ら Shy Child であった。なかなか前評判も高い。 www.myspace.com/shychildmusic  www.shychild.com/ 

一方で、10月4日のエントリーでも書いたとおり、These New Puritans の「実物」を拝むことも、自分としては今年の Camden Crawl の目玉と考えていのだが、残念なことに時間帯が Shy Child と完全にかぶってしまっている。まあ、これはこの手のイベントの宿命なので、潔くあきらめるしかない。現場では、悩む時間さえもったいないので、結局、These New Puritans の方を選ぶ決断を下したのだ。

ところが、彼ら These New Puritans が、どうやら自分たちの都合により、本来メンバーが4人いるところ2人で演奏しなければならなくなったために、セットが早めに終了してしまったのである。かわいそうだが、2人だけで演奏できる曲には限りがあったのだろう。

そこで、せっかくなんだから、ときびすを返して、Shy Child 演奏中の会場にも足を伸ばしたのである。同じ2人の演奏でも音の厚みが全然違う、「プロ」の音であった。曲もなかなか良いし、盛り上げ方も心得ている。インディながらアメリカン・エンタテイメントの片鱗を見た思いだ。まあ、彼らは実はかなりのベテランなんですけどね。とはいえ、会場に入った時点ですでに演奏も後半戦。結局は数曲観ただけで終了し、ちょっと残念。

ところが彼ら、しばらくイギリスの中をぐるぐると回っていたらしく、それから2週間もしないうちに運よくもう一度ロンドンで観る機会がやってきたのであった。今回はフルで堪能することができました。

曲はシンセ・ディスコ系であるが、肩がけタイプのキーボードにドラムという、かなり肉体派な構成である。シンセ、重たくないのかなあ。まあ、そんなには重たいわけ無いか。それでも本人の体のつくりに比べると、どうしても重そうに見える。そんなボーカル&シンセのPete なのであるが、唄が始まると、表情が突如笑顔、いや「笑った顔」に変身するのである。

屈折して見れば「重く、苦しいので、思わず笑ってしまった」顔、に見えなくもないが、やはり普通に見た場合、「楽しくて、笑いながら歌っている」ように見える。これは、ミュージシャンとして得ですな。こっちも変な緊張感無く楽しめました。自分としては、基本的には苦悶の表情で歌うミュージシャンを見ると疲れるのであった。もちろん困惑顔のミュージシャンもな。こっちもチカラ入るし。踊りづらいよね。

彼の「笑顔」との出会いが、「困り果てた顔」をした These New Puritans の直後であったため、ずいぶんホッとしたのであった。

Shychild 写真では判りづらいが、実は笑っていないのに笑って見える。楽しそうに演奏している(ように見える)人を見るのは、気持ちのよいものです。@ Cargo

2007年10月29日 (月)

Black Affair

< 2007. 04. 24 @ Social, London >

< 2007. 05. 11 @ Barfly, Camden, London (with Dan Le Sac vs. Scroobius Pip) >

Beta Band はなぜ解散してしまったのか。Steve Mason のやっていることを見ると、King Biscuit Time www.kingbiscuittime.co.uk/ も、この Black Affair も、www.myspace.com/blackaffair  基本、何にもかわっていませんな。

「なぜ解散?」 この質問の答えは、おそらく The Aliens にあって、こっちのステージを観ると、だれでもうなずける。The Aliens のステージについてのコメントは、また日を改めたい。今日は Steve Mason氏。

はっきり言うと、Bata Band 自体には、それほどの興味があったわけではない。よく巷で流れているので、曲は知っている、という程度のものであった。ある日突然こころを動かされたのは、King Biscuit Time の [ CIAM15 ] という曲のプロモーション・ビデオをMTV2で見たときだった。実はこの曲は、バンドのホームページにも You Tube にも貼り付けられていないため、ここでお見せできないのだが、一言で言うと、「世界一情け無い、ラッパー・アクション」を見せ付けられたのであった。そもそもSteve Mason じたい、ひげあとも濃くて背が低い、髪の分量も気になり始めた髪型は、おやじさんそのもの、といった、かなりさえない外見である。このさえないおじさん風情が、手をヨイヨイさせながら、ラッパーっぽいアクションで道を練り歩く。そういったビデオであった。けっこうビックリして、食い入るように画面を見たことを覚えている。ちょび髭をはやしたレゲエ・ラッパーおやじも出てきていて、カッコイイのを通りこして、まったく別世界に行ってしまったような人たちである。

MTV2にも全然リクエストが来なかったのであろう。そのビデをを見る機会はもう二度とやってこなかった。アルバムは、発売後すぐに買ったのではあるが、全体通して Beta Band そのものである。一方で、ライブについては、自分の中でも、「急いで観にいかなくても、何かの機会があれば観にいけばよいか」といった程度に考えていたかもしれない。ただ、Steve の「ヨイヨイ」とちょび髭黒人は、一度どこかで見なければいけない、と自分に言い聞かせてはいたのだが。

そうこうしているうちに、1年もたたずに彼はもうこのプロジェクトに飽きてしまったようだ。今はBlack Affair である。 これはこれでまた Beta Band テクノ・シンセバージョンともいうべきものである。プロジェクトを変える必然な理由は、われわれ素人には到底分からない。ただ、Steve 本人のなかでは何かが異なっているのだろう。

ただ、彼のことだ。このプロジェクトも、すぐに飽きて辞めてしまうかもしれない。取るものもとりあえず(という気分で)、今年の4月、Londonの Social というクラブで行なわれる彼らのセットを観にいった。入場は無料である。プロジェクト変えるたびに、金取れなくなってるんじゃないか?大丈夫なのか、お前。と、ちょっと心配もしてみたりするが、「音楽バカ」たるSteve 氏本人は、気にもしてないことだろう。会場であるSocialの客筋は、自分が普段行くライブハウスよりもちょっとおしゃれなので、すこし緊張。

編成は Steve と、ベースギターの計2人。意外と面白い組み合わせで、淡々とした演奏のわりには飽きの来ないものであった。気に入ったので、翌月のカムデン Barfly での演奏も見に行った。今大活躍の Dan Le Sac の前座を務めておりました。

こうなると、Kind Biscuit Time を見逃したのがイタイ。もうやらないのかなあ。Webも去年の6月から更新されてないし。

自分への教訓 : 飽きやすい人のプロジェクトは、早めに見に行くこと。

まあ、そんな人がたくさんいるわけではないが。

Ba

2007年10月28日 (日)

The Rakes

< 2005. 06. 25 @ Glastonbury Festival '05, John Peel Stage >

< 2005. 08. 10 @ Mean Fiddler, London >

< 2005. 08. 28 @ Reading Festival, Radio One Stage >

< 2006. 02. 02 @ Astoria, London >

< 2006. 05. 13 @ Shepherds Bush Empire, London >

いままで数々の音楽フェスティバルを、観客として渡りあるいた個人的経験を通して、もっとも最高だったと感じた瞬間のひとつに、Glastonbury Festival '05 における The Rakes のステージがある。www.therakes.co.uk www.myspace.com/therakes  しかも当日は、Art BrutThe Rakes と続く、パーフェクトな展開であった。

シンガーである Allan のステージ挙動、固まって一点を見つめる視線など、これ以上無い高い緊張感を放ったステージであった。この時点で [ Strusbourg ] はこの年のお気に入り曲ではあっったのだが、このステージを観て、自分がもっとも応援したいバンドに「昇格」した。とにかくカッコ良かった。

程なくして Mean Fiddler でのヘッドライン・ステージをキャッチしたあと、さらに上り調子の彼らを観ることが、自分の中ではその年の Reading Festival における 一大イベント、となっていたのである。

待ちに待った、Reading ’05 の最終日、いよいよ The Rakes の登場だ。ところが、ギターの Mathew が、登場するなり「これ以上無い」というくらい上ずった声で何か叫んでいる。なんと、シンガーの Allan が体調不良につき出られない、しかし、バンドとしてはなんとかキャンセルしたくなかったので、今日は残りの3人で演奏を行なう、という内容だった。ざわめく観衆、そして一転してものすごいブーイングの嵐だ。もちろん、個人的にもビックリだ。

Mathew が続けて、「今日はそのかわり僕らをサポートしてくれるすばらしいゲストが・・」とさらに上ずりながら話し始めたそのとき、観客席から飛んできたペットボトルが 彼を直撃した。これはいくらなんでも、かわいそうであった。ちょっと心無い観客からの仕打ちである。

これもあって、メンバー全員は明らかに狼狽しまくりである。これからいったいどうなってしまうのであろうか。

ここに登場したのが、Bloc Party のギタリスト、Russel であった。実質的には Mathew があらかたの曲を歌い、自らギターも弾くので、Russel のギターがそんなに絡んでくることは無かったのだが、それでも観客のブーイングは、応援に変わってきた。その後 Russel が [ Terror ] でボーカルを務めたり、その日の朝、同じステージで演奏の出番があった、その時点では全く無名の Tower of London の Donny らメンバーもステージに乱入して、さらなる盛り上げに一役買っていた。彼が Channel 4 の『セレブリティ・BIG Brother 』に登場してお茶の間を沸かせるのは、この1年半後だ。

もちろん、The Rakes のメンバーも持ち回りで歌っているが、とにかく3人とも極度の緊張に包まれていることは、観客側のこちらにもイタイほど伝わってくる。ステージも後半になり、その日あとから同じステージに登場する Maximo Park の Paul Smith が参加して、本(歌詞カード?)を片手に [ Strasbourg ] を歌いだしたあたりから、会場の熱気はやっと本物になってきた。そのころには、 Bloc Party のほかのメンバーの姿もステージにあった。 良かったな、オマエら。いい友達がいて。まあ、Tower of London は、友達というよりは、盛り上げ役には最適だった。

その後2006年の年が明けてから、回復した Allan を何回か観にいった。会場は少しづつ大きくなっており、人気が広がっていることが分かって安心したものである。

翌年の Reading Festival '06 は、前年のことを踏まえると、たいへん興味深いラインナップになっていた。Maximo Park とThe Rakes が、またしても同じ日に同じステージ( Radio One Stage ) に登場するのである。しかも、トリ(Maximo)とそのひとつ手前、というオーダーである。ともに出世したものだ。フェスティバルのオーガナイザーも粋な計らいをするものである。

また「何か」見逃せないことが起こるかもしれないし、The Rakes は、絶対に観にいきたいと考えていたのだが、この年のプログラムに問題を発見してしまった。フェスティバルの常で、同じ時間帯に、他にどうしても見たいバンドがあったのである。

それは Carling Stage (小テント)の Hot Chip だったのだが、迷った挙句、やはり Hot Chip を観にいくことにした。今年(’06)このとき、観ておくべきなのは Hot Chip だと本能的に思ったからである。結果的にはこちらも、ものすごく良いステージで、自分の下した判断は間違っていなかった。

ところで、とのときの不義理があったからだろうか、その後 The Rakes から届けられた2枚目のアルバムは、個人的にはかなりがっかりさせられるものであった。期待が大きかったのは確かだが、もしかしたらこんなことになってしまうのではないか、そうなったらイヤだなあ、そうならないでほしい、という心配も確かにあった。

そんなこんなでしょんぼりして、その後彼らを観に行っていないのである。自分から「縁」を切ってしまったみたいで、妙に後味が悪いものだ。

2007年10月27日 (土)

Maths Class

< 2007. 05. 19 @ Kabuki, Brighton, Great Escape '07 >

先週号のNMEだったか。『Blood Red Shoes が案内する、アナタの知らない Brighton 』という、一ページの記事があった。「Kooks だけがブライトンじゃないよ」という、サブタイトルつきである。

ご存知の方も多いと思うが、イギリス南部の海岸線に位置するブライトンには、バンド活動をしている若者がモノスゴク多い。英国における「ゲイ」アートの中心地であったりするらしく、アーティな活動を目指す若者が全国から集まってくるのだそうだ。

したがって、そういう環境に影響を受けた地元の若者のみならず、みなさん各地からここに集まってきてはバンドを組んで音楽を始めたりしている、とまあ、そういった特徴のある街なのである。英語学校も多いので、日本人もたくさん住んでいるらしい。なじみのある人も多いと思う。

ブライトン出身のバンドをここでは羅列しないが、この街で Great Escape という ニューバンドのショーケース・イベントを行なうことは、みなさんも合点がいくに違いない。ライブ・ベニューも多いし、オーディエンスも鍛えられている。この催しのステージで、ブライトンの観客に受けたバンドが、今後全国区そして世界へと、羽ばたいていく。まあ多少大げさに言えば、そういう環境の街であり、イベントである、ということなのであった。

そんなブライトンの街で、ここをベースに活動している Blood Red Shoes が、最近気になるバンドをいくつか紹介していたのが、先ほどの記事の内容である。そしてその中のひとつが、この Maths Class というバンドであった。www.myspace.com/mathsclass 

実はこの記事の中で Blood Red Shoes がこんなことを言っていた。『Maths Class は、地元の学生にはすごく人気があるんだよ。とある理由のために、日本人学生には特にね。』

この記事のなかにその答えは書かれていないのだが、オレは一瞬にしてその「とある理由」とやらが何か分かったのである。

彼らを観たのは、まさに今年の Great Escape であった。もちろん、初めてである。彼らの演奏する曲は、Foals などに通じるかなり「イマドキ」のものではあったが、「インディ」感の強いものであったと記憶している。ステージのスタイルはけっこうハードで、動きも大きい。

ただ、彼らの大きな特徴は、なんと言ってもメンバー全員が「典型的西洋人ハンサム顔」をした若者だ、ということに尽きる。HMEの記事では写真が小さすぎて分からないと思うが。そしてここに、「日本人学生」の支持を集める理由があるのは間違いない、とオレは考えたのだった。

バンドの見た目のカッコよさには、いろいろと判断の基準があると思う。時代によってもその基準は変わってくるだろう。近頃では「クセ」のある顔が大衆にもポジティブに受け入れられる傾向にあるのは、洋の東西を問わない傾向だ。

したがって、「典型的西洋人ハンサム顔」が、これまた洋の東西を問わず大きな支持を得られることは間違いないとしても、ものすごくヒネクレタ言い方をすれば、「クセ」が無い分、時代の波に完全に乗っかっている、とも言いがたい。Blood Red Shoes の発言の言外には、「カオで選ぶ日本人」への鋭い洞察が含まれているのかもしれない。もしかしたら、そうではなくて、「日本人から見たイケメン」の基準がビミョーにローカルの人たちのそれとずれてきていることを、社会学的に分析して見せたのかもしれないのだった。

まあ、そんなヒガミっぽい言い方はさておくとして、自分が Maths Class のステージを観て思った不思議な感覚も、実にそこの点にある。みんなモノスゴクかわいらしいというか、端正な顔立ちをしているので、演っている「インディ100%」の音と、マッチしていなく、すこしからだがカユクなる感じだ。やはりあの手の曲は、Foals の ボーカリストのような、素っ頓狂な顔をしていると、ハマる。とまあ、そんな気がするんですが。

とはいえ、よく考えればバンドとしてネガティブな話は「外見上」は本来何も無いはずだ。こっちが感じた「ミスマッチ」も、「個性」としてポジティブに打ち出すのがフツーの考えかたであろう。

そう考えて振りかえると、楽曲もそれほど悪くない。ハンサム・ハンターの方には特にお勧めします。

Mc

彼らの Myspace に行くと、こんな写真ばっかりで「お顔」がよく見えない。「カオ」ではなく、音で勝負させてくれ!ということか。その意気やよし。

Math_class で、これが Kabuki で彼らを捉えた写真。ちょっと、ぼけてたな。ゴメン

Maths Class

< 2007. 05. 19 @ Kabuki, Brighton, Great Escape '07 >

先週号のNMEだったか。『Blood Red Shoes が案内する、アナタの知らない Brighton 』という、一ページの記事があった。「Kooks だけがブライトンじゃないよ」という、サブタイトルつきである。

ご存知の方も多いと思うが、イギリス南部の海岸線に位置するブライトンには、バンド活動をしている若者がモノスゴク多い。英国における「ゲイ」アートの中心地であったりするらしく、アーティな活動を目指す若者が全国から集まってくるのだそうだ。

したがって、そういう環境に影響を受けた地元の若者のみならず、みなさん各地からここに集まってきてはバンドを組んで音楽を始めたりしている、とまあ、そういった特徴のある街なのである。英語学校も多いので、日本人もたくさん住んでいるらしい。なじみのある人も多いと思う。

ブライトン出身のバンドをここでは羅列しないが、この街で Great Escape という ニューバンドのショーケース・イベントを行なうことは、みなさんも合点がいくに違いない。ライブ・ベニューも多いし、オーディエンスも鍛えられている。この催しのステージで、ブライトンの観客に受けたバンドが、今後全国区そして世界へと、羽ばたいていく。まあ多少大げさに言えば、そういう環境の街であり、イベントである、ということなのであった。

そんなブライトンの街で、ここをベースに活動している Blood Red Shoes が、最近気になるバンドをいくつか紹介していたのが、先ほどの記事の内容である。そしてその中のひとつが、この Maths Class というバンドであった。www.myspace.com/mathsclass 

実はこの記事の中で Blood Red Shoes がこんなことを言っていた。『Maths Class は、地元の学生にはすごく人気があるんだよ。とある理由のために、日本人学生には特にね。』

この記事のなかにその答えは書かれていないのだが、オレは一瞬にしてその「とある理由」とやらが何か分かったのである。

彼らを観たのは、まさに今年の Great Escape であった。もちろん、初めてである。彼らの演奏する曲は、Foals などに通じるかなり「イマドキ」のものではあったが、「インディ」感の強いものであったと記憶している。ステージのスタイルはけっこうハードで、動きも大きい。

ただ、彼らの大きな特徴は、なんと言ってもメンバー全員が「典型的西洋人ハンサム顔」をした若者だ、ということに尽きる。HMEの記事では写真が小さすぎて分からないと思うが。そしてここに、「日本人学生」の支持を集める理由があるのは間違いない、とオレは考えたのだった。

バンドの見た目のカッコよさには、いろいろと判断の基準があると思う。時代によってもその基準は変わってくるだろう。近頃では「クセ」のある顔が大衆にもポジティブに受け入れられる傾向にあるのは、洋の東西を問わない傾向だ。

したがって、「典型的西洋人ハンサム顔」が、これまた洋の東西を問わず大きな支持を得られることは間違いないとしても、ものすごくヒネクレタ言い方をすれば、「クセ」が無い分、時代の波に完全に乗っかっている、とも言いがたい。Blood Red Shoes の発言の言外には、「カオで選ぶ日本人」への鋭い洞察が含まれているのかもしれない。もしかしたら、そうではなくて、「日本人から見たイケメン」の基準がビミョーにローカルの人たちのそれとずれてきていることを、社会学的に分析して見せたのかもしれないのだった。

まあ、そんなヒガミっぽい言い方はさておくとして、自分が Maths Class のステージを観て思った不思議な感覚も、実にそこの点にある。みんなモノスゴクかわいらしいというか、端正な顔立ちをしているので、演っている「インディ100%」の音と、マッチしていなく、すこしからだがカユクなる感じだ。やはりあの手の曲は、Foals の ボーカリストのような、素っ頓狂な顔をしていると、ハマる。とまあ、そんな気がするんですが。

とはいえ、よく考えればバンドとしてネガティブな話は「外見上」は本来何も無いはずだ。こっちが感じた「ミスマッチ」も、「個性」としてポジティブに打ち出すのがフツーの考えかたであろう。

そう考えて振りかえると、楽曲もそれほど悪くない。ハンサム・ハンターの方には特にお勧めします。

Mc

彼らの Myspace に行くと、こんな写真ばっかりで「お顔」がよく見えない。「カオ」ではなく、音で勝負させてくれ!ということか。その意気やよし。

Math_class で、これが Kabuki で彼らを捉えた写真。ちょっと、ぼけてたな。ゴメン。

2007年10月26日 (金)

Die! Die! Die!

< 2007. 05. 19 @ Kabuki, Brighton, Great Escape '07 >

< 2007. 06. 02 @ Round House, London (Artrocker All Age) >

さて、皆さんは、演奏中に客席に絡んでくるバンドはいかがですか?

演奏が盛り上がってくると、歌い手やらギタリストやらがステージを降りて客席の方に入ってくる、アレのことである。場合によっては、単に客席の前方をなめて歩くに飽き足らず、一人の客をターゲットとしてパフォーマンスを仕掛けたりもする。いわゆる「歌いかけ」だ。

自分の好きなミュージシャンの場合、そんなチャンスに恵まれて「うれしい!」という向きもあるだろう。だがオレの場合は違う。ハッキリ言って迷惑なだけなので、絶対に歌いかけたり踊りかけたりしてほしくないのである。

大会場で混んでもいれば、そもそもそんな前方には見に行かないし、ミュージシャン自身も客席奥ふかくにまでは入ってこれない。ところが、これが狭いライブハウスだった場合、しかもさほど混んではいないケースだと、客席の前方から中間くらいまでの、ほぼ50%相当のエリアが危険地帯になることも少なくない。

今年の Great Escape '07 で、前評判の高かったニュージーランド出身のパンクバンド、Die! Die! Die!  www.myspace.com/diediedienz を観に行ったときも、カン高い声で歌い叫ぶシンガーが、曲の途中で客席に飛び出して、客席内を縦横無尽に歌い歩き始めると、緊張は一気に高まった。「しまった!こんな前で見てるんではなかった。このポジションは、完全にヤツの射程距離内。すいているとは言っても、今から後ずさりするわけにもいかないゾ。困った。頼むから、こっちへこないでくれ!」

そんなこころの叫びは完璧なまでに無視され、そのシンガーは呆然と立ち尽くしている日本人中年オーディエンスである自分に対して、怒りのメッセージを直接ぶつけはじめたのである。大きなアクションと叫び声でパンクなメッセージを伝えようとするニュージーランドの若者。その手前50センチ前方には、固まって微動だにできない日本人サラリーマンのオレ。メッセージ、伝わってないのわかるでしょ、全然。お願いだからもうすこしキミの主張に共感できそうな観客の前に移動してくれないか。

ついにそんな思いが通じたからなのか、それとも日本人をひとり灰にした満足感からか、ヤツは今度は客席内を、ごろごろと音を立ててころがりながら、しかし歌は歌い続けながら、さらに奥の方まで移動していたのであった。

やっ、やられた。今回はすっかりこっちの負けである。

この「借り」を返す機会は意外とすぐにやってきた。「借りを返す」といっても、彼らを成敗するわけではない。綿密な計算の元に、彼らの演奏を緊張せずに観るための距離を保つ、というだけの話です。

2週間後の Artrocker イベントで、メインのお目当ての前が前座を勤める彼らだったのである。

開演前にバーでビールを飲んでいたら、Die! Die! Die! のメンバーたちも、円座を組んで本番前のミーティング中であった。よく見ると、みんなまだコドモである。大人を驚かせてはイカンよ、と心の中で軽く説教。

演奏が始まると、やはり予定通り客席に突入してきた。今回は転がりもデカイ。アンダーエイジの観客たちは、驚いて突っ立ったままだ。どうだ、動けまい。

今回はいい距離を保ったので、当然「被害」にはあわなかった。ビビる観客を少しだけ高みから見つめてほくそ笑んだのである。Die Die Die。今回は、客席の鑑賞を含めて楽しめた。

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@ Roundhouse。暴動前のひととき。このあと、転がりこんできます。

2007年10月25日 (木)

Good Shoes

< 2006. 08. 27 @ Reading Festival '06, Carling Atage >

< 2007. 08. 25 @ Reading Fretival '07 Radio One Stage >

< 2007. 10. 17 @ Fleche D'or, Paris >

Good Shoes のアルバム  [ Think Before You Speak ]は、なかなか佳曲ぞろいだ。最近流行の音作りのなかに、うまくキャッチーなメロディラインがのっかっている。愛聴盤になってます。www.myspace.com/goodshoes  www.goodshoes.co.uk

ところで「空耳」の話だが、[ All In My Head ] というヒット・シングル。さびの部分が曲のタイトルと一緒なのだが、「あ~り~まっ、へんっ!へんっ!」にしか聞こえない。「ありまへん」だと。関西系ですか。

ことしの Reading Festival '07 で彼らのステージを観にいったのだが、この曲になると、歌のさびにあわせて、、「あ~り~まっ、へんっ!へんっ!」と大声で叫ぶと、たいへん気持ちがイイことに気がついた。

この感触が忘れられずに、再び先日観にいきました。今回は200人も入らない、小さな会場だ。いつもどおり、この曲が演奏の最後を飾る。観衆も大喜びで合唱していた、ざっと見たところ、日本人っぽい観客は自分だけだったので、遠慮なく「ありまへん」させていただきました。満足です。是非ともおすすめ。もう一度できると、うれしい。

Gs

彼らのHPより。なにが「ありまへん」なのか。そんな質問をオレが彼にするのは失礼だ。この夏以降の彼の髪型は、もう少しヤバイものになっており、パリでは山伏に見えた。

2007年10月24日 (水)

The Go! Team

< 2005. 08. 27 @ Reading Festival '05, Carling Stage >

< 2005. 10. 07 @ Astoria, London >

Mercury のノミネートが2004年。日本の「ミュージック・マガジン」で、2004年のベストアルバムの一枚にも選ばれていたくらいだから、2005年ころは「誰もが生で観てみたい!」 と思うバンド」だったのではないか、と思う。そういうパブリック・デマンドがかなりあったと見て間違いないだろう。The Go! Team のことである。www.myspace.com/thegoteam  www.thegoteam.co.uk 

確かに彼らのデビューアルバムは2004-5年を代表する一枚と言って差し支えないだろう。楽曲のクオリティもさることながら、音作りがとてもすばらしい出来だ。まさにユニークな存在のバンドと言えるだろう。。

この当時、彼らはなかなかライブで観る機会の少ないバンドであった、と記憶している。小さな会場で一回限りの公演を行なったりするのだが、チケットはすぐに完売、といった具合である。

そんな中、2005年のGlastonbury Festival (6月)と Reading Festival (8月)で、ともに「新人ステージ」のトリを勤めるに至ったのは、世の中の希望もあわせて考えると、至極自然な成り行きであった、と言ってよい。Glastonbury では、会場で偶然に出会った東京からの知人が、The Go! Team を観に来た!と豪語していのを思い出す。実は自分は このときの Glastonbury では、例によっての雨と寒さと疲労のために、早めに撤収してしまい、彼らを観ることをあきらめてしまった。そこで、Reading の方で雪辱を晴らすことにしたのであった。

予想通り、Reading Festival の彼らのステージ(テント)はなかなか盛況である。そんなに前方で観たわけではなかったので断言はできないのだが、なんというか、音のバランスがとても悪いステージだった。どうも、「聞えるべきなのに、聞えない音」が多いのだ。そうとう緻密に作りこんだアルバムだと思うし、再現はなかなか難しいのかなあ、などとも考えた。とはいえ、所詮はフェスティバルのステージである。緻密な音とか文句言っても、始まらないのか。

というわけで、ようやく彼らが重い腰を上げて、「ツアー」らしきものを開始した、同じ年の10月になって、Astoria でのショーを観にいくことにしたのである。「ツアー」というからには、フェスティバルなどでの経験も踏まえて、ようやく「バンド」としてステージのこなし方が固まった、ということなのであろうか。

当日の Asroria では、早めに行ってそれなりに良い場所をおさえたので、ここからなら彼らを余すことなく観ることができる。音響的にもベストに近い場所だ。わくわくしながら、開演を待ったのであった。

演奏が始まってみると、Ninja と称する元気なお嬢さんがとにかく体をブンブンふりまわして踊るので、ステージとしての見所はなんとか保っている。ただ、肝心の音の方なのであるが、やはり今回もたいへんバランスがよろしくない。いや、よろしくない、というのいはすこし適切な表現ではない。聞えてくるのはほとんど打ち込みの音か、テープ演奏の音であって、ステージ上で演奏している楽器の音は、かれら全員が元気にプレイしているにも関わらずほとんど聞えてこない、といったような印象があったのである。

ギターやドラムも、演奏はしているのだが、聞えてくるのはCDの音そのものであり、目の前でプレイしている楽器のそれでは無いことは、一目でわかる。極め付きは「たて笛」を聞かせてくれた曲だ。ボーカル用のマイクに、生楽器でいきなり吹きかけている。そりゃあ、音ひろわんでしょう、いくらなんでも・・・・。

はっ、とわれに返ったのだが、このバンドはそもそもライブバンドなのではない。いや、ライブはやるのかもしれないが、あのアルバムはスタジオ制作の至宝であり、アルバムとライブは、基本的には、関係ないのである。だから、ライブを見たい、と思う我々に対して、アルバムとは関係の無い「パフォーマンス」を見せてくれているのだ、と納得した。ちょっとたとえは違うかもしれないが、歌手が肉声で歌うより、口パクのほうが、パフォーマンス全体としてクオリティが高く、見ごたえがある、つまりはそういうようなものである、ということなのではないか。

そう思いはじめると、途中から今までの不安感がなくなり、平常心でライブを楽しめるようになった。みんな、わざわざライブ・パフォーマンスを、作りこんでやってくれてありがとう。ただまあ、もう一回見たいと思うものでは無いですが。縁起もの扱い、ですかね。

今年でた新作のアルバムも、「ビックリ」は無いが、安心して楽しめる、「The Go! Team」節が満載だ。ところで、ことしはまた大きなUKツアーやワールドツアーも予定されているらしい。もしかしたら、知らないうちに本当の「ライブバンド」化を成し遂げたのかもしれない。

Gt

彼らのMySpace より、スナップ。

Sonic Youth 好きに悪いヒトはいない BY オレ。

2007年10月23日 (火)

Rumble Strips

< 2006. 04. 20 @ Dublin Castle, London (Camden Crawl'06) >

< 2007. 01. 20 @ The Luminaure, London >

< 2007. 02. 26 @ Shepherds Bush Empire (with Young Knives - NME Award Tour) >

< 2007. 06. 23 @ Queens Head Stage, Glastonbury Festival '07 >

最近のお気に入りバンドが Pete And The Pirates であることは、すでに以前のブログで披露してきた。Pete たちをはじめてみたのは、今年の Camden Crawl '07 である。

彼らのステージを観るために、会場である Purple Turtle にむかったところ、その入り口で出くわしたのが、 Rumble Strips のトランペッターである Henry 氏であった。彼もまた Pete And The Pirates のステージを観に来た一人だったのである。www.myspace.com/rumblestripsuk  www.therumblestrips.com/

彼がこのとき、ここ Camden Crawl のステージを観に来ていたことには、実はちょっとした意味がある。

ちょうどその1年前、Camden Crawl '06 で自分は初めて Rumble Strips のステージを観たのだが、その一回のステージですっかり彼らのファンになってしまった。当時会場の Dublin Castle にいた観客は、みなそう思ったに違いない、と信じてている。おそらくは、当のバンドメンバーたちにとっても同様に、大成功のパブリック・デビューだったのではないか、と思うのである。当時、バンドのメンバーはまだ4人だけで、そのためライブ演奏では若干スカスカした曲もあったのだが、曲のよさ、演奏力の高さはしっかりと伝わってきた。Charlie の伸びの有るボーカルを、最前列で聞いたのだから、すっかり参ってしまった。

その1年後、今年の Camden Crawl '07 にも彼らは出演する、という告知がバンドのニュースレターとして流されてきた。今年の4月の時点では、彼らはまだアルバム発表のはるか前であり、いまだ新人バンドとしての位置づけだったからだと思う。ただし、すでにMTV2のチャートにも顔を出すようになり始め、「期待のブライト・ホープ」というようなポジションでの参加になる予定であった。

ところが、Camden Crawl '07 の数日前に、バンドから緊急のニュースレターが送られてきた。それによると、何でも、マネジメントサイドのブッキング・ミスというか、この期間、Camden で演奏の予定が入っていたためすっかり Camden Crawl かと思ったら、実は何の関係もないブッキングでした。Camden Crawl の入場パスでは自分たちのライブには入場できません。ごめんなさい。という、ちょっとビックリの内容であったのである。

たぶんメンバーも、今年も Camden Crawl で演奏したかったのだと思うし、このイベント自体に参加したかったのだと思う。Henry がPete And The Pirate を観に来ていたのは、まさにそういうことだったのだ、と思うのである。残念だったね。例のあの大きなバスドラム(ジャケットや、プロモーション・ビデオによく登場するアレです)だけが、むなしく Mornington Cressent の Koko の目前の交差点に飾られていた。

さて、彼らのことは、今年の1月にも Luminaire で最前列(かぶりつき)でも堪能したし、その翌月は音響効果の良い会場でも観たので、かなり満足していた。人気も少しづつでてきたし、これから先、あんまり混んだり条件の悪いところでは、わざわざもう観にいかないかもなあ、などと思ったりしていたのである。

6月にはいって、自分にとって今年のメインイベントである Glastonbury Festival に出かけたのだが、今年は「雨」と「泥」でさんざんな状況であった。なんとかがんばって、見て歩かねば・・・。

実はRumble Strips も John Peel Stage (旧 New Band Stage )に出演予定なのであったが、その時間は、いままで観たことが無い新しいバンドをみようかなあ、などと考えていたのであった。彼らの出演予定の前日も、朝から間断なく雨が降り続け、泥の海を歩く強行軍であった。雨あしが弱まると、人々は屋外ステージに出て行くのだが、雨が厳しくなってくると、そのへんにある「バー・テント」などに皆で避難するのである。

今年の Glastonbury では、ステージの数がものすごく増えていた。オフィシャルのプログラムに載っているステージだけではなく、こういった「バー・テント」でもいろいろなバンドが演奏していたのである。我々が、本来の目的地に向かいながら一進一退していたとき、ちょうど雨宿りをしていたのが、Queens Head というバーテントであった。そこに「たむろ」していた人間は、バーにビールを買いに来ていた人3割、雨宿り6割、そしてどんなバンドがでるのかよくわからないが人の混まないステージで音楽を聞こうと言う人1割、という布陣である。我々もそこで雨宿り&ビールをたしなんでいたところ、Rumble Strips の演奏が、突如始まったのであった。状況的に観て、彼ら目当てで観に来た人間は、ものすごく少数であることは明らかであった。オレも知らんかった。

演奏自体も最高に良かったのだが、とにかく雨と泥で精神的にも肉体的にもへろへろなっていたときであり、彼らのステージがとてもうれしかった。3日間、終わってみれば、この期せぬライブが今回の自分にとってのベスト・ステージとなっておりました。かなり救われましたよ。ありがとう、Rumble Strips

9月になって待望のアルバムがようやく出たので、すぐに買いに走った。おなじみの曲ばかりではあるのだが、ライブのときの印象と寸分の狂いも無い。いや、つまり、ライブが狂っていない、ということだ。かなり達者な方々です。

Rs_2 これがおなじみのドラム。

何の関係も無い Field Day @ Victoria Park でも会場内にディスプレイされたいた。プロモーションに大活躍である。

● Rumble Strips その2

2007年10月22日 (月)

Lightspeed Champion

< 2007. 08. 09 @ Field Day, Victoria Park, London >

どうにもこうにも目立ってしまう人、というのがいる。人がわんさかとあふれたフェスティバルのような場所でも、遠くのほうから、「あっ、あいつはっ!アイツではないかっ!」とすぐに分かってしまう存在のことである。

もとTest Icicles の黒いおにいさん Dev、こと Lightspeed Champion。この人は黙っていても、あの髪型、あの帽子、そしてあの眼鏡のため、モノスゴク目立つ。そのうえに、通常は白人出現率98%のフェスティバルなどで縦横無尽に出没するため、いやがうえにも目立つことこの上ないのであった。www.myspace.com/lightspeedchampion  www.lightspeedchampion.com/index.html

去年のReading Festival ('06) でも、昼一番から 目立っていた。Shitdisco の演奏前、ステージ周りをうろうろしているのを発見したのである。Test Icicle はすでに解散していたから、ゲストリストで観客にまじっていたに違いない。

たとえば、もし仮にですよ、Reading Festival の暑いひるさがり、Razorlight の Johnny Borrel が会場内の雑踏の中で上半身はだかで歩いていたとしよう。まわりは上半身これまた裸の白人男性でごった返している。彼に気がつく人間は1000人に一人くらいか。しかも、本人を目の前にしたときだけだろう。しかしながら、Lightspeet Champion は違う、と思うぞ。みんなすぐ、「おっ!! いやがった!」と、100メートル離れていても判るに違いない。

このヒトは、目立ってしまうわりには、人ごみの中に、のしのしと出てくるのである。たぶん、とにかくなんかに絡んでいたい、無類の「音楽好き」、ということなのだと思います。そのへんは好感が持てるところではなかろうか。

先日酷評した、今年の Field Day であるが、実は、唯一の見所は Lightspeed Champion の登場であった。

とはいえ、彼が今回もともとブッキングされていたわけではない。なんとなく「いるのではないか」と予感がしたので観にいった Florence And The Machine でギターを弾いていたのを、まず発見した。

031

友人のバンドに参加していたってことだ。

さて、実は昨日のエントリーでも書いたとおり、この Field Day イベント。ステージPAの音が悪くてあまり楽しくなかったこともあり、午後の日差しがきつくなったことも手伝って、木陰を探して寝転びながら、まったりとしていたのであった。

すると、寝ていた木陰の隣に立っていた「あずまや」で、突如 Lightspeed Champion が演奏を始めたのである。もちろん、プログラムには無い。

037

完全なる「アンプラグド」なライブ演奏である。周りにはだんだんと人だがりができ、我々も加わった。予期せぬことではあったが、「Field Days」というイベント名にふさわしい展開であった。

正式にプログラムされたステージではなかったため、彼の演奏がおわると、そこは、もとの「空き地」に戻る。彼自身も一休みだ。なかなか良い経験をさせていただいた。本人の唄が、そんなにうまくないというのも、あらためて確認できてよかったです。

彼は10メートルくらい離れた木の幹の影に腰をおろして休みつつ、声をかけてくるファンと対応しながら、忙しそうであった。そう、彼は休むまもなく、次々と彼を発見する若者と握手したり、話をしたり、と大忙しなのである。ゴクローさん。

そんなところに腰掛けたって、すぐに目立つよ。Lightspeed Champion全く風景に同化していないのであった。オレも寝っころがりながら、彼が立ち去るまでずーっと見ていた。

2007年10月21日 (日)

GoodBooks

< 2007. 08. 09 @ Field Day, Victoria Park, London >

なかなか観る機会に恵まれなかったのではあるが、GoodBooks。ようやく今年の8月、Field Day という、ロンドンのイーストエリア Victoria Park という公園で行なわれた、終日のフェスティバルでキャッチすることができた。www.ilovegoodbooks.com/  www.myspace.com/goodbooks  

当時アルバムはすでに手に入れており、お気に入りバンドのひとつであった。その朝、とてもわくわくした気分で家をあとにしたのを覚えている。気になるお天気なのだが、雲ひとつ無い快晴で、まさにフェスティバル日和と言えたからである。

このField Day というイベントは、たぶん今年から始まったのだと思うが(詳しくはこちらを参照www.myspace.com/fielddaylondon  )、一日中開場内の5ヶ所のステージやテントで、アート系やらインディ系のバンドが続けざまに演奏をしているという、たいへんコンパクトにしてお得なイベントなのであった。普段なかなか見る機会の無いバンド、今まさに売り出し中のバンドなどなどが勢ぞろい、となってる。当日会場についてプログラムを買うなり、いったいどういった順番で何を観ようかと、目移りがする内容であった。プログラムには最後のバンドまで、観にいく順番をキッチリと書き込んだ。準備完了、である。超メジャーなバンドはいないので、入場料もそんなに高くない。前日は同じ場所で Underage Festival が開かれており、ステージ自体は使いまわし。つまりは「2日目」なので、PA上のミスも起きないだろう。

Florence And The Machine などの演奏を横目に観ながらぶらぶら歩いていると、なぜか Camden の Lock Tavern というパブがバーベキューの出店を出している。いいにおいにつられて早速ビールとビーフ・ハンバーガーだ。イギリスで食うには、まあまあうまい。なかなか、さい先の良いスタートである。何より晴れててあたたかく、気分がよい。

さて。ことの異変に気がついたのは、5つのステージそれぞれの様子をとりあえず見て歩きながら、くるりと一周し終わったときだった。それぞれのステージがとても近接しているにもかかわらず、各々が他のステージの演奏音の影響をあまり受けていない。というか、むしろ、ステージに近づいても音がぼんやりしている。どんなにステージに近づいても、音量はかなり控えめ、そしてなにより音のクリアさが全く無いのであった。

こっ、これは、一日中こんなカンジってことですか?? すみません、これでは全然バンドの演奏、楽しむどころではないんですけど・・・・・。

把握した状況をまとめて言うと、こんなことに。

結論(1)。住宅地の真ん中でもあり、音は小さめに設定。どのバンドも、ベースの音はほとんど聞えない。全体的に、しょぼしょぼ。

結論(2)。PA設備がかなり貧弱。すでに知っている曲でも無い限り、どんなメロディの曲を演奏をしているのか聞き分けられない。とても『こもった』音。どのステージも。最低である。

いやな予感を抱えたまま、GoodBooks のステージが始まった。予想は的中し、ベース音は皆無。他の楽器の音も、かなりどうにもならないレベルのものであった。なんじゃ、こりゃ。バンドには悪いが、とても楽しめるものではなかった。というか、バンドは悪く無いんですけど。

期待が大きかった分、演奏を見終わった後、肩を落として、とぼとぼ歩いて他のステージも回ってみた。どこも同じような惨状である。午後に入って日差しがきつくなってきたこともあり、テントの中も「サウナ化」してきた。このため、木陰に寝っころがって涼んでいるのが、唯一の楽しみとなってしまったのであった。がっかりだなあ~。

ところでふと気がつくと、実は、このころから会場内は更なる大惨事の様相を示していた。

われわれは開場と同時に腹ごしらえも終え、ビールも飲み干してトイレも済ませていたので、それほどの被害を受けなかったのだが、午後になるに従って、日差しは更に強くなり、人もどんどん混んできた。いままでのフェスティバルでは見たことも無い長蛇の列 For ビール & 飯 & トイレ、になっている。それぞれ、あきらかに設置数が少ない。段取りも悪い。あたりはみんな、たいへん難儀をしたひとであふれかえっている。

6~7千人はゆうに会場内にいるのに、ビールのバーカウンターは2箇所、それぞれ2人程度の小僧が切り盛りしている(購入まで推定3時間待ち。要忍耐力)。

トイレも一箇所(推定2時間待ち。要精神力)。

当然ビールはすぐに売り切れ、水も完売、飲み物の持ち込みは禁止なのに、PM5時ころには爺さんと婆さんで売っている、「人肌」のコーラだけが購入可能な飲み物に成り下がっていた。我々が舌鼓を打ったバーベキューで腹ごしらえができた人間は、全体の何分の一かの幸運な者たちだけだ。

・・・・・・ひどすぎる。ついには暴動一歩手前の、不穏な空気も見え隠れしてきたのである。

上に貼り付けた Field Day の MySpace コメント欄をさかのぼると、若者たちの怒りのオンパレードがご覧いただけるはずである。確かにひどかったよ。

われわれも、もうステージに何の期待もできないのと、もう一度トイレに行きたくなってもイヤなので、夕方の6時に撤収した。無念です。あらかた観るのあきらめました。手元には、行動予定が緻密に書きこまれたプログラムが、むなしく握りしめられているのであった。

翌日、オーガナイザーからメールが来た。観客に対するワビ入れだ。来年はトイレもバーも増やします、だと。でも、音のことは何も書いていなかった。音量はともかく、音質は金かければ、なんとかなるのにな。来年は、行かないと思う、このイベントには。GoodBooks は、も一度どこかで雪辱を晴らしたい。

033

GoodBooks は、唖然として写真撮らず。これはまだ、「たいへんな」状況がよく分からず、元気のあったときに撮った Florence And The Machine。

2007年10月20日 (土)

The Strange Death of Liberal England

< 2007. 10. 18 @ La Marqouinerie, Paris >

「今話題のバンド!」と言ううわさを聞くと、やはり観にいかずにはいられない。「話題!」と言われたが、どうにも怪しそうなので観にいかなかったのは Twang くらいであろうか

The Strange Death of Liberal England。これまた「話題のバンド」ということで気になっていたところ、うまく彼らの欧州(大陸)ツアーに出くわした。www.myspace.com/tsdole 

さて、観るには観たのだが、正直言ってここまでステージ上で演奏中に「力」が入りまくっているバンドはすこし苦手である。個人的に。会場に入ったのが少し遅れてしまい、残念ながらすでに彼らの演奏が始まっていた。最初にこのバンドの世界に一緒に「入り込む」タイミングを逸してしまうと、なかなかリカバリーできない。なんでこの人たちは、ここまで毎曲毎曲全身全霊の力をこめて演奏しているのか。そんなにすごい主張を歌っているのか?しばし呆然と立ち尽くしながら観ていたら、やはり客の9割がたは固まっていた。まあ、今日のメインのバンドではなかったから、仕方ないか・・・。

なかなかよさそうな曲もあるのだが、もう一歩のところか、というのが正直な感想であった。The Arcade Fire のようなカンジの曲もあるのだが、やはりあの手の曲は本家ほどの佳作で無いと、けっこうキツイ。演奏もちょっと荒かった。CDの方がいいカンジです。もしくはバンドと一緒に、全身の力をみなぎらせたい向きには、ライブをお勧め。

Sdole

彼らのMySpaceページより。こういった手書きのメッセージが、曲と曲あいだに何度も登場。昨晩の終わりは「Merci」。持っているのは「力み大王」のキーボード担当。

2007年10月19日 (金)

Operator Please

< 2007. 08. 26 @ Reading Festival '07, Carling Stage >

< 2007. 10. 17 @ Fleche D'or, Paris >

なにせ「アンダー・エイジ」が大流行である。

昔から『若いバンド』というのは確かにいたが、今はとにかく行くところ行くところ、バンドも観客も「コドモ」だらけになっている。もちろん、Over 16 やOver 18 のフツーのライブイベントには入場に制限があったりするのだが、「オールエイジ」と銘打った企画に出かけると、観客は中学生だらけ、あるいは小学生に占拠されていたりする。Over 16 のイベントに、出演するのが14歳、同年代のファン(というか級友?)は観ることができなくて、がっかり。などというのが昨今のコドモたちの悩みだったりするわけだ。雑誌「Artrocker」もアンダーエイジ特集号を発刊したし、極めつけは、今年の夏に行なわれた18歳以上『禁』のアンダーエイジ・フェスティバル@ Victoria Park であろう。日本人は一般的によく若く見られるとは言え、40台も半ばを超えているため、参加は見合わせましたがね。オレは。

そうなってくると、問題になってくるのは、面白くもなんともないウゾームゾーのアンダーエイジ・バンドたちを、どう見分けて避けていくか、ということである。ある種日本の「イカ天」バンドブームに似て(古くてすみません)、バンドのアイディアの良し悪し、オリジナリティの有る無しに関わらず、アンダーエイジのコドモたちが、アンダーエイジバンドだ、というだけで盛り上げているケースが、かなり見受けられるのであった。

自分としても、だてに30年間も同じような音楽ばっかり追いかけていたわけではない。何が良くて、何がダメかは、バンドの演奏を一見すればそれなりに判断できるつもりでいる。最近のバンドブームの影響で、「追いかけなければいけないな」と思うバンドが増えてはきたのだが、わざわざ足を運んで観にいっても、結局つまらんアンダーエイジ・バンドでした、という徒労が増えてきた。これはアンダーエイジ・ブームのマイナス点ですな。周りにに踊らされました、というヤツです。

さて、Operator Please である。www.operatorpleaseband.com/ www.myspace.com/operatorplease 

プロモーション・ビデオで姿を見たときのインパクトは、なんともいえないものがあった。若いのか、肝っ玉かあさんなのか、見た目では判別しがたいボーカルのAmandah。べったりした声質も、おっかさんっぽい。そして気になって目が離せないドラムのTimmy。絵に描いたような「西洋人の子供」の顔をしている。バンドやってるヤツの顔じゃあないよね。

初めて観た今年のReading Festivalでは、なかなか人気があって、近くで顔を拝めなかった。そこで昨晩のパリデビュー(Good Shoes の前座)では、ステージ直前まで出張って、しっかりと確認をしてきたのである。驚いたことに、というか、当然かもしれないが、全員ものすごくコドモ顔であった。プロモビデオより、さらに若く見えるため、不思議な学芸会感をかもし出している。

見た目のキャラクターだけではなく、曲も演奏にもちょっとした味つけがある。なんとも形容しがたい不思議な「味」だ。これに「べったり」おっかさん声とバイオリンがからんでくるとなかなか興味深い個性的な音になる。ただ、巧みなアレンジの曲があるな、と思える一方で、ちょっと面白みにかける曲が少なくないと感じたのも事実だ。もうすこしたくさん曲を作って研鑽に励んでほしい。そんな気がした。

「若さの可能性」と言う意味では、十分及第点。点数をつけると70点か。見た目の面白さと、将来への期待値込みです。最近のカスのようなアンダーエイジ・バンドの群れからはあたまひとつ出ているけどね。Reading ではコドモの集団がステージ周りをびっしりと囲んでいたが、昨晩のパリは、観客がフツーに大人だったので、オレとしては居心地が良かった。

最近は、精神的に若作りをしてもなかなか体がついていかない。観客のなかにどれくらいオヤジが混じっているか、だけがオレのこころの支えだ。

ロンドンのオールエイジ・イベントはもう無理かもしらん。

Op

彼らのMySpace より、「Reading 演奏直前」の写真。Amandah(左端)は、パリでも同じコスチューム。ただし、何故かしわだらけでした。

 Operator Please その2

2007年10月18日 (木)

Black Lips

< 2007. 05. 01 @ Cargo, London >

ライブを観にいくときの情報源について、であるが、通常は情報誌(Time Out など)やチケットセールスの告知メールなどであろうか。このほか、ベニューの壁に貼ってあるリストを見たり、イベントのときにもらったフライヤーだったりする。

いま話題になりつつある Black Lips を観に行こうと思ったのは、街の中に張ってあった手書きのポスターであった。www.myspace.com/theblacklips  ただ、当時は彼らの存在をまだ知らなかった時期である。

今年の4月のおわり、ロンドンのソーホーをぷらぷらと歩いていたら、建物の壁に忽然と彼らの写真いりポスター(A4サイズ・たぶんカラーコピー)が貼られていた。手書きで日時と場所が書いてある。明後日か・・・・。それにしても、せつない顔が揃いもそろったバンドである。

さらに歩いていると、同じようなものを他にも一枚発見した。Black Lips。聞いたことは無いが、これはかなり切羽詰ったカンジがする。だいたいソーホーとは言っても、ほぼオックスフォード・ストリート寄り。観光客がわさわさ歩く、英語学校の横の壁などである。街なかで人通りは多いが、そもそもこの辺を歩く人で、こんな告知に興味があるのは1万人に一人もいないのではないか。いやもっとか。効率悪そうである。貼るなら場所を選べ、とアドバイスをしてみたい。だが、もうライブの日まで時間が無いのに周知が不十分で、効率にこだわっていられない。十分に刷り物があるわけでは無いが(つまり手書きチラシ)、やみくもに貼って歩くしかない!という気迫だけは伝わってくる。

家へ帰ってネットで調べてみると、当日はお気に入りの Shy Child も出演するイベントだとわかったので、のこのこと行ってみることにした。

会場の Cargo は、はじめてである。バーペースでは、若者の皆さんでたいへん盛り上がっている。意外なことに演奏途中のクラブスペースも大盛況であった。みんなあの不思議な手書きポスターに惹かれたのか?

その日のイベントの最後をかざる Black Lips の音ならびに演奏は、これ以上無い、というくらい、アナクロなものをやっていた。これが今の時代「新しい」ということなのかもしれない。ボーカルは「おさる」に似ていたので、そのまんま「おさる」と命名した。あとの連中は、みんなとても悪そうな、なんというか「犯人」みたいな面構えである。ギターの男が口から天に向かって何かを吐き出し、そしてそれを口で受け止めるのを、演奏中何度も行なっていた。たいへんキタナイ感じがするので、やめてほしい。ビビッてすこし後ずさりしました。

ところで、皆さんもそうしていると思うのだが、自分が一度見たバンドは、MySpace でフレンド・リクエストを出すことにしている。一度「友達」になると、その後のライブ情報その他がアップデートしてもらえるから便利なためだ。

この Black Lips にも、フレンド・リクエストを送ったのだが、いくら待っても返事が無い。つまり向こうから「アクセプト」されないのだ。その間、彼らの友だちはどんどん増えている様子。つまり、MySpace にアクセスしていないわけではない。もしかすると、「友達」をえり好んでいるのか??

知り合いの日本人からも全くおなじ情報を聞いた。こちらのケースは、何度か確認のメールを送っているにもかかわらず、ということであった。これはかなり確信犯ではないか?実はしばらくたってから、こちらも知り合いの方も「アクセプト」されたのであるが、日々新しい友達が増えている状況を見ると、明らかに不自然であった。

自分の中での結論は、『ジョージアの人種差○主義者』ということである。よく知らんが。いずれにしろ、手書きのポスターを見て観にいった、人間に対する仕打ちではない。MySpace で敵を作ったな。おまえら。

Bl_2 これが「おさる」 @ Cargo

2007年10月17日 (水)

Be Your Own Pet

< 2005. 10. 16 @ Barfly, Camden, London (MTV2 Gonzo Tour) >

< 2006. 08. 26 @ '06 Reading Festival, Radio One Stage >

ことしも MTV2プレゼンツの Gonzo On Tour の季節がやってきた。

これは、たぶん5年ほど前から始まったイベントなのだが、MTV2の看板番組である Gonzo のプレゼンテーター Zane Lowe が、毎年この時期ロンドンをはじめとする英国主要5都市をキャラバンしてニューバンドのショーケースを行なうという催しである。場所はそれぞれの街の Barfly。演奏の様子は、当然ながら後日MTV2で放映されることになる。

1都市につき3バンドが出演するのだが、その年に活躍が期待される注目バンドがトリを勤め、Gonzo が発掘した、「これから」のバンド2組が前座を占めるというフォーメーションだったように記憶している。

MTV2の看板番組のイベントとはいえ、基本的には「無名」かそれに近いバンドが出てくるだけの企画、とも言えるため、チケットの入手はそれほど難しくなかった。発売からしばらくたっても、まだ売れ残っていたように思う。

Maximo Park も、このイベントで初めてその姿を見た。シングルを出すずいぶん前の話だ。Zane Lowe のラッパーあがりというMCには、ちょっと気後れしないでもなかったのだが、バンドのセレクションと言う意味では、来年「くる」バンドを観にいく、という確かな期待感があった。

過去これまでに参加した Gonzo on Tour の中で、一番印象深かったバンドが、Be Your Own Pet である。http://beyourownpet.net/ www.myspace.com/beyourownpetmusic 

じつは彼らは、すでにデビュー後しばらくたっており、曲もMTV 2でよく取り上げられていたので、全くの「初お目見え」というわけではなかった。実際この年(2005年)の8月にはReading Festival の小さいテントに人知れず出演していた。が、アメリカ(テネシー)のバンドでもあり、見る機会は限られていた。この10月が、彼らの初UKツアーだったのである。

音自体は、よくありがちなパンク系の音なのだが、意外と曲にはヒネリもあり、ツボを抑えたつくりになっている。そのステージは、とにかく爆発力があった。メンバーも若い(その日、ギタリストは17歳の誕生日)。とにかく、この手のゴマンといるであろうバンドの中では音もステージ栄えも完全に一歩も二歩も突き抜けている印象を持った。本人たちが楽しんで演奏し、客の方も十分に楽しめる、理想的な姿だった、と記憶している。ステージ衣装も、これ以上ない、というくらい安っぽいのも、子供らしくて良い。いわゆるただのTシャツとジーンズだが、カッコウつけて、そういうのをヨレっと着ているのではなく、通学の普段着そのまま、という風情だ。ステージ後、お約束でメンバー自身がバンドTシャツを販売していたが、その姿もただの高校生であった。

その後1年して、Reading Festival の大テントにも登場し、かなりの数の客から喝采をうけていた。ただ、このときのいでたちは、学芸会の晴れ舞台、というようなものであったが。親が「もうすこし、ちゃんとしたもの着なさい」とでも言ったのかなあ?アメリカ人だし。まあよい。いまでも彼らのアルバムは、長距離ドライブの定番として活用中である。

ところで話は戻るが、Gonzo Tour。

例年 Barfly のステージに掲げる 「Gonzo on Tour 」の垂れ幕は、毎年使いまわしのビニールの折りたたんだもの(を広げたもの)。折りたたみのあともさびしげな手作り感あふれるものであった。それが2005年には、それがちょっと立派なものになっていた。

そんな様子がさらに激変したのは、2006年だ。この年、ロンドンで公演する3バンドのうち、トリを勤めるのが Razorlight と知って、ぶったまげた。ぶったまげて、そして、チケット購入を思いとどまった。いや、思いとどまらなくても、発売即完売で買うのも難しかろう。いずれにしろ、イベントの主旨が、ニューバンドショーケースから、すこし違ったものに変わってきたのは確かである。

たしかに Razorlight のファンからすれば、彼らを300人キャパの小さいベニューで堪能できるのは、とてもうれしいことに違いない。だが、その分、「今年の」「来年の」期待のバンドが登場機会を奪われるのである。MTV2でのオンエアの機会がなくなってしまうのである。

これは明らかにこのイベントの影響力(TVオンエアを含めて)に目をつけた Razorlight 側の思惑と、これをでかいイベントに仕上げ立てたい局側の思惑が一致したからに違いない。後日オンエアでこのときの様子を見たが、あの、しわしわビニールの垂れ幕は、電飾も鮮やかな看板に成り代わっていた。

なんとなく、もうこのイベント行かねえな、と思った。

今年もトリは Bloc Party だそうである。

Gonzoontourbig

www.mtv.co.uk/channel/mtvuk/news/13102007/gonzo_tour_kicks_off Gonzo On Tour のお知らせ。

2007年10月16日 (火)

Duels

< 2006. 10. 26 @ Old Blue Last, London >

さて、初めて行くライブハウス、あるいは、ライブイベントのあるクラブというのは、毎度のことながら、場所を探して見知らぬ場所をうろついたり、あるいはお目当てと思われる建物のドアを開ける瞬間に、なかなか緊張するのが常である。

ロンドンに限らない話だが、ライブスペースのあるパブやクラブは、そもそも荒くれ者の集まる場所に多く集中しており、不良の皆さん自体がそのパブで飲んだくれていたりすることもある。まわりをキョロキョロ歩いていると、街並ががいい「荒れ具合」になってくる。そうすると、道行く若者のすがたも、自然とジャンキーに見えてくるという具合である。

そういう方々をそそくさとやり過ごし、ようやくお目当ての場所を発見するのだが、たいがいの場合、あたりはグラフィティで見事に装飾を施されており、そんな場所にある建物ののドアを開ける前には、どうしても一呼吸必要になるのである。

Duels www.duelsmusic.com/ www.myspace.com/duelstheband  を観にいった、Old Blue Last というパブも、ロンドン・イーストにさびしく立っていた。番地がわからなくてうろうろしたため、フードをかぶった少年とすれ違うたび、ビクビクだ。ようやく見つけたその場所にいざ入場。いやがうえにも緊張感が高まる。実はそもそも、この Old Blue Last はとんでもない荒くれパブだといううわさを聞いたことがあったのであった。なにも、そんなとこでやらんでも・・。

気合を入れて、かなり恐る恐る入場。パブ客は、しなびけた爺さんが数人と、あまり荒くれてもいない若者が数人。なんのことはない、フツーのパブだった。ほっとするの同時に、お目当ての演奏前に、すでにちょっと疲れた。

あとから聞いた話では、ここのパブは最近大手のチェーンに買われたらしく、それで「ライブベニュー」として生まれ変わったらしい。当然ステージを見に来る若者は、別段あらくれているわけではない。それでも以前は血なまぐさい事件もあったりした筋金入りの荒れパブであったのはホントのことらしい。こっちは気が弱い、そして腕力も劣る、中年日本人なんだから、あんまり緊張させないでほしい。いばることではないが。

さて、それはさておき、そこまでして観にいった肝心のDuel である。[ Pressure On You ] というシングル曲が気に入っていたので、’06年のReading Festival で観ようと思っていたのだが、金曜日の一番バッターだったので、寝過ごして見逃した。そんなわけで、その2ヵ月後、ロンドンにやってきたところをつかまえようと思ったのである。

演奏はなんとアコースティック・セット。とはいっても、生ギター一本ということではなく、フルバンド、フル楽器である。そう、つまりは、アコースティック的演奏を、準備万端でおこなう、という企画ものであった。

まあまあ面白かったのではあるが、彼らの地元(Leeds)では顔役かも知れないが、全国区的にはまだまだこれからのバンドである。そんな凝ったことはやらんでいいから、普通の演奏を聞かせてほしかった。

Duels

Obl_2

Old Blue Last。 www.myspace.com/oldbluelast 

ただのパブです。

2007年10月15日 (月)

The Shins

< 2004. 08 .28 @ Reading Festival '04, Carling Stage >

< 2007. 08. 25 @ Reading Festival '07, Main Stage >

ここ何年か、屋外のフェスティバルにいくと、フェスティバル本来の楽しみである「屋外で大の字になりながら、遠くの音を聞く」、と言う行為ではなく、「テントの中で縮こまって、ひざを抱えて聞く」というパターンが多くなってきた。特にReading Festival は屋外のステージがひとつしかないため、「テントの中」の確率がとても高い。

原因のひとつは、『屋外で、すなわち大きなステージ演奏するラインナップの中で、見たいと思うバンドが少なくなった』こと。そして、もうひとつは『天気が悪くて、雨が降るので、テントに逃げ込む』ということが理由に考えられる。

天気が悪くてしかも寒いと、まだ、夜の7時くらいなのに「ホテルに逃げかえって、暖かい風呂に入る」という選択肢もある。そう、歳も歳だし、気力にも欠けるので、フェスティバルではテントに泊まらず、いつもホテル住まいです。腰砕けですが。悪いか。

今年のReading Festival は、近年に無いほど好天に恵まれた。そして、メインステージでも久々に観たい!と思わせるバンドがスケジュールされていた。そう、The Shins である。www.theshins.com/

2004年に同じ Reading Festival で観たときは、一番小さいテントであったが、ことしは Mein Stage か。ケッコウ出世したね。新しいアルバムもなかなか良い出来だったので、かなり期待が大きかった。しかも晴天だ。あたたかい!

・・・・というか、暑い。いやむしろ暑すぎる。いや、これはもしかしたら人間の耐えられる温度ではないかもしれない。一曲目が始まった。T シャツの下、背中と胸から鉄砲汗がとめどなく流れ落ちる。呼吸が荒くなる。直射日光。30何度あるんだろう。今日は帽子も忘れて最悪だ。音楽を楽しめるような状況で無いのだけは確かだ。

夕方以降、寒波や雨にさらられたときは、「怒って、今日は帰る」と言う選択肢があった。しかし、日中の暑さは、夕方には確実に引く。ここで、逆切れして帰っても意味が無い。そう、会場にいるしかない。・・・というわけで、大テントステージに撤収です。2曲目で。そこでどのバンドが演奏していた覚えていない。意識が朦朧としていた。

と言うわけで、まったく記憶なしです。Shins。かなり人気者になってしまったので、彼らのライブ・チケットは過去、買いもらしてしまった。まあ、Festival でいいか。と思ったのが、結果論的にいうと、運のつきであった。

それにしても、天候はむずかしい。

いや、体力を鍛えなおすべきか。

2007年10月14日 (日)

Datarock

< 2006. 10. 16 @ Koko, Camden, London (Club NME on Tour) >

< 2006. 11. 24 @ La Maroquinerie, Paris >

< 2007. 02. 24 @ Mean Fiddler (Frog), London >

< 2007. 02. 26 @ Shepherds Bush Empire, London (NME Award Tour) >

< 2007. 06. 16 @ O2 Festival, London >

< 2007. 08. 25 @ Reading Festival '07, Dance Tent >

突然ですが、カイリー・ミノーグの [ Can't Get You Out Of My Head ] という、おなじみの曲のプロモーション・ビデオの話である。

これは、セクシー・カイリー先生が、とにかくセクシーに踊るという、明快なコンセプトに貫かれた作品で、皆さんの脳裏にもしっかりと残っていることと思う。

このビデオの中で、10人中10人が必ず疑問に思うシーンがある。そう、あんな布着れ一枚軽く羽織っているだけなのに、彼女の激しいセクシー・ダンスのあいだ中、決して胸がはだけないのである。

物理的には「ポロリ」を通りこして、「大開帳」にならざるを得ない状況でありながら、決して最終的に見えてはいけないものが、公の目にさらされることはない。これはなぜなんだ、と。

そこでほとんどの方は、こういった結論に達するはずである。「あれは、彼女の胸の先端と、服地とで、なんらかの『接着』がなされているにちがいない」。どんなに激しく踊っても、決して胸からドレスが離れない。そういった最新のテクノロジーを駆使したコスチュームなのだ。

とまあ、そんな力む話では全く無いのだが、このテクノロジーをステージで実践しているに違いない、と思わせたのが、Datarock のチッチャイほうのお兄さんである。http://www.datarockmusic.com/

このバンドのトレードマークである赤いフード・ウエアの上下。バンド一同は全員このコスチュームでステージに登場するわけだが、最初からフードをかぶらないギター、そして、演奏が始まるとすぐに上を脱いで上半身裸になってしまうドラムなど、意外とこの「フード」に対する愛着が無い。

そこへいくと、このキーボード担当のこのミニっこは、最初から最後まで、フードかぶり通しである。機会があると必ず観にいかずにはいられないバンドなので、いままで6回も足を運んだ。そのたびに「♪ふぁ~ふぁ~ふぁ~ふぁふぁ、ふぁふぁふぁふぁ~~。」 [ Fa Fa Fa ] の合唱が楽しみなんですが。この間、彼のフードがずり落ちたは、一度も無かった。激しく踊りながら演奏するにもかかわらず、である。

もちろん、大きなアクションのたびに、彼のフードは大きくうねる。おおっ!ついにはずれるのか?しかし次の瞬間彼の右手はうまくフードを押さえるのだ。ただこれは、フードが外れるのを抑えているのではないように見える。フードはいずれにしても、「くっついて」くるようにしか見えない。手で押さえて、「接着」の確認をしているのか??

実際何の確証も無い話であるが。でも「テクノロジー」の具体的な仕組みが知りたい。

トレードマークのスタイルを守るのも、なかなかたいへんである。

Data_2

彼らの MySpace ページより。問題のフード(拡大)。

Datarock その2

2007年10月13日 (土)

Help She Can't Swim

< 2007. 06. 02 @ Roundhouse, Camden, London (Artrocker) >

< 2007. 10. 11 @ Fleche d'Orr, Paris >

今週は、月曜日が Biffy Clyro、火曜日は Pete and the Pirates。そして昨晩(木曜)は Help She can't Swim を観にいった。快進撃である。ホントに仕事してるのか、オレ。

まあ、いいか。余生を十分楽しまないと。

ところで突然ですが、自分自身にとって、その年を代表する「音」というのがあると思う。個人的に今年気に入ったバンドのサウンド、と言うのともちょっと違って、「その年ならではの音」あるいは「今年必然的に出てきた音」とでも言うべきか。昔っぽいサウンドが、今リバイバルで帰ってきたとしても、それを「今年を代表する音」とは呼ばない。まあ、そういう定義です。自分の思い込みだけで言っている話なのに、えらそうで申し訳ない。

自分自身にとって、2007年の音、と呼べるのが、Help She Can't Swim www.myspace.com/helpshecantswim  である。音の進化というか、方向性として、一番今年を代表しているな、と思っている。もちろん、曲もよくなければいけない。

リーダーの Tom には、かなりの作曲の能力と、十分な音楽的知識・情報が備わっている、と思う。HADOUKEN の方が、2007っぽいという意見があるかもしれないが、ああいう一回観ただけで飽きてしまうようなバンドは、才能的な限界が見えてしまうので、その年の代表には推さない。そう、意識しているかどうかわからないが、Help She Can't Swim は、彼らのやっている事が「今を代表している」自負があるような、そんな印象さえ受けるのである。アルバムを聞いても、ステージを観ても、捨て曲無しだ。聴衆を飽きさせないのも魅力だ。ちなみにHADOUKENを観たときは、一曲めで飽きてしまいましたが。

彼らのステージを最初に観たのは今年の6月。Artrockerの無料イベント。今日のパリのイベントも無料。ビールを買ったので、お店にお金は落としているが、バンドに対する金銭的な貢献は、なにもしていない。大人なんだから、金払えよ、と思うのだが、たまたまこういうことになりました。申し訳ない。バンドのみなさん。

自分の中では、「2007年の音を代表するバンド」という、たいそうな位置づけなのだが、パリでの扱いは少しさびしいものであった。4バンド出演中、トップバッター。彼らの後は、ベルギーの見たことも聞いたことも無いバンドである。でもTomは控えめでいいやつだった。『早い時間から観に来てくれて、みんなどうもありがとう。パリに戻ってこれて、本当にうれしいよ。』 けっこう、本当にうれしそうに見えた。

派手な動きのステージではなかったが、短いセットながらも楽しめた。アルバムに収録の無い曲も、クオリティが高かった。唯一の難点は、バンドとしての全体の演奏能力かなあ・・。ベルギーのバンド以下、残りの3バンドは見ないで家路につきました。

Tom くん、いじらしいので、何かと応援していきたい、と思う。

Hscs1

Hscs2

写真はともに、@Roundhouse 。ここで床にビールをこぼして、みんなが座れなくなったのは私のせいです。

2007年10月12日 (金)

Pete and the Pirates その2

< 2007. 10. 09 @ Barfly, Camden, London >

お気に入りの Pete and the Pirates であるが、セカンド・シングルである [ Knots ] の発売記念のライブを観にいってきた。場所はカムデンの Barfly 。10月3日のエントリーでも取り上げたとおり、今回ですでに4回目となる。いつもどおり、十分楽しめた。リトル・ピートは、ひげをそり落として、つるんとしていたよ。来年1月発売のアルバムが待ち遠しい。

前回のシングル [ Come on Feet ] 発売記念のライブのときも同様だったが、彼らの所属する STOLEN RECORD のアーチストたちが前座を固めてくれるので、今回もこういった新バンドがけっこう楽しめて良かった。

これらのバンドが、自分たちの演奏中に Pete and the Pirates への祝辞を送ったり、Pete たちの演奏中にステージに上って踊ったり、と、なかなかほほえましい。

この日演奏は無かったが、Screaming tea Party のメンバーの姿も会場にあった。日本人だから目立つんだけどね。とにかく、STOLEN RECORD 総出で盛り上げていた、ということで、なかなかいい話である。

ところで今回一人で観にいったわけであるが、そういう時って、演奏と演奏のあくだ、みなさんどう過ごしてます?自分はと言うと、基本的にビールを買いに行ったりきたりするか、なんとなく急ぎでもないようなテキストを携帯から送ったりする、この繰り返しだ。

周りを見回すと、一人で来ている英人青年たちも、似たような行動様式だ。やみくもに声をかけて周囲と友達になる、という選択肢も存在するが、いきなり中年のアジア人男性に声をかけられてはびっくりするだろうと考えると、そんなことはかわいそうでできない。

そんなわけで、また携帯のテキスト打ちに戻るのである。Screaming Tea Party のメンバーも一人で来ていたのか、ふと見ると、「テキスト」に「ビール」であった。

Patp2

インタビューによると、現在の英国内ツアー中、ボーカルのTomのポケットには常に8ポンド以下の現金しかない、パンだけは買うが、他のものは万引きして補う、ということであった。それもまた楽し。がんばって、見つからないようにしてほしい。

● Pete and the Pirates その3 (2007. 11. 15 @ La Maroquinerie)

● Pete and the Pirates その4 (2007. 11. 16 @ Fleche D'or >

Pete and the Pirates その5 (2008. 01. 04 @ Showcase)

Pete and the Pirates その6 (2008. 05. 17 @ Horation Bar )

2007年10月11日 (木)

iLiKETRAiNS

< 2007. 05. 18 @ Pressure Point, Brighton, Great Escape '07 >

いま、「ヒストリーロック」が熱い、ということになっているらしい。日本の音楽雑誌を読んでいないので、この辺がどう伝わっているのか寡聞にして知らないのだが、ここイギリスでは一般の新聞のレビュー欄にも取り上げられ始めた。

GoodBooksの演奏する[ Passchendeale ] (第一次世界大戦の激戦で、英仏連合軍もドイツ軍も共に30万人近い死傷者を出した戦い)と言う曲などが、その代表格にあげられているのだが、演奏する曲全てが「ヒストリーロック」になっているのが、iLiKETRAiNS www.myspace.com/iliketrains  なのだそうである。

今年の頭くらいから、よく Camden の Barfly に出演していたバンドなので、気にはなっていたのだが、音は確認していなかった。バンドのショーケースである Camden Crawl で、初めてこの目で確かめる機会が訪れた。

音、そして演奏は、なんというか、しんみりしたサイケ、ともいうべき、暗くどんよりした感じのものである。ボーカルを中心に「イケメン」風情の若者がそろっているようにも見えるが、ヒゲが長くて実態がわからない。なかには、ちょっとビール腹の者もいた。足ひっぱてるな、お前。
はっきり言って何を歌っているのかは、全くわからないのだが、識者の情報によれば、「旧東ドイツの国境を警備していた兵士が、西側に脱出したのだが、結局『逃げ出した』自分を責めて自殺する話」などといった、たいへん暗いものが彼らの歌の中心である。

ただ、Pressure Point のライブで、自分が一番強烈な印象を受けたのは、会場の中で自分の横に立っていた、けっこう妙齢の女性客であった (たぶんイギリス人)。

彼女は、演奏が盛り上がるに従って、自分にもまるでお告げが降りてきたような状況になってきたのである。 iLiKETRAiNS の演奏にあわせ、自身の前に掲げている自らの手がどんどん大きく震えだし、今にも泣き出さんばかりの潤んだ表情になりながら、バンドと、そして「神」とほぼ一体化した状態になっていたのである。いわゆる「憑いた」かんじです。彼女は、その重く、暗い「歴史」の闇と同化していたに違いない。

・・・・・・ちょっとだけ怖かった。

イギリスのヒストリーロックをライブで楽しむのは、日本人には難度高いと見た。

Iliketrain

ひげが多すぎて、「イケメン」度がわかりづらいメンバーの方。私の横の英人女性は、この方から「お告げ」をもらっていたようです。

喪章に意味があったのか不明。

● iLiKETRAiNS その2 (2007. 10.31 @ Fleche D'or)

2007年10月10日 (水)

Biffy Clyro

<2004. 10. 07 @ Electric Ballroom, Camden, London>

<2005. 08. 27 @ Main Stage, Reading Festival '05>

<2007. 06. 23 @ The Other Stage, Glastonburu Festival '07>

<2007. 08. 25 @ Radio One Stage, Reading Festival '07>

<2007. 10. 08 @ Maroquinerie, Paris>

このブログを読んでくださる皆さんは、ヘビーロックあるいはエモ方面はどうなのだろうか。自分自身で言えば、好きな方には申し訳ないが、基本的には勘弁してほしい分野の音楽ではある。ただ、英国のバンドに限って言えば、Million Dead や、Ruben など、ちょっとおもしろいものを持ったバンドもあったし、Jarcrew や Ideot Pilot など、エモ要素をうまく取り入れた個性的なバンドは、むしろ好きな部類に入る。ヘビーな音がうまく加工されていると、けっこう感心したりします。

そんななかでも、お気に入りの代表各は Biffy Clyro だ。http://www.biffyclyro.com/

彼らの才能が一気に開花した時期は、2003~2004年に出た2枚のアルバムの期間であることは論を待たないであろう。そんなタイミングに観た2004年の Electric Ballroom でのステージは、かなり「熱い」ものであった、と記憶している。一般的にはマイナーな見方のされているバンドではないかと思って観にいったのだが、観客は心配した「KERRANG」系では全然無く、フツーの人たちだった。そして、大いに盛り上がっていたのであった。ヘビーロック風の音も含めてうまく加工した、ユニークな音楽。そして、演奏や見せ所も満点とおもわせる体験であった。うれしくて、Tシャツ買って帰りましたよ。

翌年の Reading Festival では、時間は早いがメインステージということもあり、なんとなく、「タニマチ」気分で応援したものである。セットの時間も短かったが、すべて好きな曲だったので、これまたたいへん楽しませていただきました。

さて、時は流れて2007年。

そういえば、最近 Biffy みてねえなあ、あんな凝ったアルバム作ったから売れなくて、もうアルバムだ出せなくなったのかなあ。などと心配していた矢先、それまであまり流れることの無かった MTV 2 で、ヘビーローテーションになり始めた。そしてシングルの発売も矢継ぎ早だ。

しかし、なんというか、最近の一連の曲は Biffy Clyro と言うよりは、Foo Fighters ではないか、まるで。そんな風に思う。たしかに、今、まったく一時の勢いの無い、「余生」に入ってしまったような Foo Fighters のポジションを狙えるバンドに成長した、と言う意味では、Biffy の健闘をたたえるべきかも知れない。だけど、僕らが好きな Biffy は、なんかちょっと違う。

えらそうに好き勝手を言わせてもらえれば。Biffy ほどの曲作りのセンスがあれば、ロック系の王道の曲である最近の一連の作品は、ちょいちょいっと作れてしまうのではないか。そんな感じさえするのである。ヘビーな音も含めて、どうやったら、ひねりの聴いたユニークでかつ楽しめる曲にできるのか、もうそんな実験・トライを止めてしまったのではないかと、心配をしたくなる。

もちろん、彼らには売れてほしい。いい評価を得てほしい。そういう思いは純粋にある。でも、もしもう「戻ってきて」くれなかったらどうしよう。そういうさびしい気持ちになっていたのが、この最近の正直な気持ちであった。

2007年の Glastonbury Festival での彼らのステージは、そういう意味では衝撃を受けた。今年発表の新しいアルバムだけから延々と曲を演奏しだしたのである。いっ、一曲も昔の曲を演奏しない・・・・。これはもう、古い自分たちとはお別れ、と言うことなのか。ここまではっきりと意思表示をされてしまうとは。

そして、ラスト。最後の一曲だけが、懐かしい曲だったのである。

これは、こう思った。つまり、自分たちは次のステップに進むのだ、と。レコード会社も、このアルバムのプロモーションに多大な期待をしている、大きな賭けなのだ。とにかく、新しい Biffy Clyro になりきるのだ、ということだ。そして、そうではあるのだが、実は自分たちの心のよりどころは、昔の曲にあるのであって、だから最後の一曲だけ、自分たちの一番好きな曲を演奏すると言う、ちいさな、わがままを貫いたのだ、と。

とまあ、力入れて感傷的に書きましたが、実際はそんな「たいそう」なこともなっかたとは思う。ただ、自分そういう気持ちになったこともあって、次の Reading Festival でも彼らのステージを観に行った。前回より少し長めのセットだったため、昔の曲がすこし増えたが、総じて同じ結果であった。むしろこの最近の2ヶ月間に更にヒット曲が出た分、観客の声援は最近のシングル曲に集中だ。以前の曲には、会場全体の盛り上がりが小さい。

これは、Festival では、もうダメだ。彼らだけを観にいかねば。彼らだけを観にいく客に、Biffy はどう応えるのか。11月にはいれば、Carling Academy Brixton (キャパ3,500)などでも演奏するようだが、そういった大バコではイカン。彼らの表情を観にいかねば、と、昨晩、パリで小さめのステージを観に行く機会を得たのであった。(キャパは400くらい)

会場のMaroquinerie に入ると、ちょうど演奏が始まったところだった。パリの観客からも大声援だ。

今回は、曲が進むにつれ、すこし頬が緩んできた。ケッコウ昔の曲をやってくれるのだ。セット自体が長いせいもあるが、うれしかったです。堪能できました。そんな「遠く」には行ってなかったよ、彼ら。と思いたい。いい曲書くし、演奏も、ホントにうまいよなあ。しっかりと古い曲でアンコールも演ってくれた。ありがとう。

でも、新しい曲と昔の曲。盛り上がり方はけっこう違ったなあ。新しいアルバムからの曲は、シングルでなくても観客のハーモニーのおまけつきだ。オレはがんばって、昔の曲になると、ムキになってぴょんぴょんと、跳ねてわざとらしくも大きな声援を送った。でも、すぐ疲れた。ちょっと力足らずだったな。ゴメンよ。

2007年10月 9日 (火)

Duke Spirit

< 2003. 11. 04 @ ULU, London >

2003年ごろと言えば、まだ、MySpace は存在しなかったか。もしくは、存在を知らなかっただけかもしれないが。

この当時、観にいくライブに知らないバンドが混じっていた場合、わざわざがんばってCDを買って、聞き込んでから会場に臨む、と言うことがよくあった。お大尽ですが。

2003年のマイ・ベストシングルは、Dogs Die In Hot Cars と言うバンドの、[ I Love You  Because I Have To ] という、かなり気の利いたタイトルの曲であった(再発前のバージョン)。

彼らをはじめて目にする機会がこのULUのイベントなのであった。Dogs Die In Hot Cars については、いくつか思い出があるので、また改めたい。とにかく、何日も前から気合と準備十分で当日にのぞんだのである。

当日のオーダーは、彼らの前が、 Duke Spirit というバンド http://www.dukespirit.com/ を含めていくつか、トリを勤めるのが、22-20's であった。あとから振り返れば、かなり良いラインナップであったわけだが、当時は Duke Spirit も、 22-20's も、音を聞いたことが無かった。そこでHMVのオックスフォード・ストリート店に彼らのCDを探しに行ったのである。

ほどなくして見つかった。22-20's は、デビュー・フルアルバムの前に出ていた、ミニ・ライブアルバム。おっ、なかなか良いではないの。これは期待できそうである。

そして Duke Spirit 。これもミニアルバムが一枚出ていた。ジャケットはイラストで、メンバーのいでたちはよくわからない。しかし音を聞くと、イアン・アンダーソン率いるプログレの雄、YES そっくりではないか。 荘厳な曲構成である。そうか~、今の時代、いろいろなリバイバルがあると思っていたが、ついにイエスまで来たか~。微妙に曲数がクレジットと合っていないのが不思議だが。まあ、こういった曲調、今の時代、逆に受けるのかもなあ。

さて当日。ULUに着いたら、もうすでにバンドが始まっていた。骨太の本格派ロックである。荒削りなところもあるが、なかなか堂にいったもんだ。さて、今日はバンドがたくさん出るし、この人たちは、誰だろう。となりの人のよさそうな英人青年に聞いてみた。「これ、だれ?」

「えっ? 今演ってるのは Duke Spirit だよ。」

・・・・・・・・・なめてもらっては困る。こっちはお金を出して、CDまで買っているのだ。 Duke Spirit はプログレなんだよ。YES風の。そして、いよいよ最後の曲。ボーカルの女性が言った。「We are Duke Spirit。 次は最後の曲です。」 ・・・・・・・・はい。すみません、 Duke Spirit のみなさんでした。

とりあえず何事も無かったかのように、次の2バンドを楽しみ、家に帰ってから真相究明にとりかかった。CDを再聴。これって、YES風というよりは、よく聴くと、YES そのひとたちでした。なんとなく聴いた曲のような気も。過去に。

結果。結論を言えば、製造工程のミスで、彼ら Duke Spirits のかわりに、まさかのYESがプレスされていた、ということでした。アホか、と。CD盤自体にはには、Duke Spirit のアートワークがプリントされてるのにね。かなり、腰が抜けました。

こういうことが起きる国。それがイギリスである。

ちなみにバンド自体であるが、けっこう多作な割には売れてないイメージがある。コアなファンはいるんでしょうけど。本来、自分にとってもあまり記憶に残るバンドではなかったのだが、そんな「びっくり」があったので、おみくじを引く感覚で、そのあとしばらく、アルバム、シングル、DVD、と買い続けた。

もう「当たりくじ」はでませんでした。

Ds 

*これが問題のプログレ大作。中のCDにもこの図案が。でも音は・・・。

2007年10月 8日 (月)

Tilly and the Wall

< 2006. 09. 18 @ The Luminaire, Kilburn, London >

去年の今頃、ロンドンの北西、Kilburn という駅の近くに住んでいた。むかしから、比較的ライブ・ベニューがちょこちょこあったりするエリアだ。

駅からほど近くに The Luminaire というライブハウスがあり、家の近所というほかにも、バンドのブッキング・リストの良さや、内部がきれいなとことも手伝って、一番のお気に入りベニューであった。個人的な印象では、Camden の Barfly に出演できる一歩手前くらいのバンドが出てくるイメージがあるが、けっこうベテランも出たりする。 Data Rock や、Beirut はかなり早かったですよ、出るのが。

ただひとつだけ不思議だったのは、たぶん250人くらいしかキャパが無いように見えるにも関わらず、ステージ横にモニターTVが設置されていることであった。たしかにステージがそんなに高くは無いので、後ろの方に立った背の高くはない女性などが、ステージの様子を見るには都合いいかもしれない。ただ、「うしろ」と言ったって、ステージから10メートルも離れているわけではないので、この会場に来て雰囲気を楽しむのに、「モニターを見る」という選択肢は、あまり無いように思うのだ。

この疑問が一気に氷解したのが、Tilly and the Walls のライブを観にいったときである。www.tillyandthewall.com

彼らのことは、去年の春ころからいろいろ話題にはなっていたのだが、うまく見る機会に恵まれなかった。9月になってから、近所に来るというので、ほぼサンダル履きに近い格好で出かけたのであった。

Tilly and the Walls といえば、「タップダンス・ロック」である。どんなジャンルか、よくわからないが。見せ場が「タップダンス」である以上、それを見ないわけに行かないのだが、常識的に考えて、一番前の観客以外、堪能するのは不可能であろう。2列目以降は、どんなにがんばったって、胸から上しか見えないはずですよ。

そこで「モニター」の登場である。さてさて、タップダンスって・・・・な~るほどね~。うまいもんですなあ、さすがに。・・・・というか、そもそもタップダンスって、そんなに楽しいか?見てて。よく見れば、「名人級」でもないか。

なんというか、すこしむなしくなり、モニターから目をそらして、バーカウンターでもう一杯パイントのビールを注文するのであった。曲、覚えてないです。

Tatw

彼らの MySpace ページより。

普通にみると、せいぜいこんな感じで足見えず。

2007年10月 7日 (日)

Chemical Brothers

< 2007. 06. 24 @ Glastonbury Festival, The Other Stage >

フェスティバルで楽しめるか、楽しめないか。その最大の要素は「天候」だと言い切って良い。

「泥もフェスティバルのうち」ではあるのだが、実際芝生の上で横になれるかなれないかは、そのフェスティバルでの印象を180度違ったのもにするはずである。

たとえば、特に気に入ったバンドのでてこない午後の時間帯があったとしよう。メインのステージからすこしはなれた、すこしすいた場所に陣どり、大の字になって空を見る。遠くから流れてくるのがヘビーロックだったとしても、まったく自分の興味外の演奏だったとしても、なお、その「場」の雰囲気を十分堪能できるはずだ。気持ちいいですな。

ところが、雨が降り、芝生が一瞬にして「ただの泥」に変貌を遂げた場合、そこに寝っころがる、という選択肢が無残にも消えてしまう。そのフェスティバルの残りの何日か、もう「大の字」の快感に浸ることは永遠にできないのだ。一年間待ってきたフェスティバル。もう、おしまいなのさ・・・・。

ところで、物理的に考えれば、いくら雨がたくさん降ったとしても、それだけで「芝生」がただの「泥」に変身することはあり得ない。おびただしいたくさんの人間が、必要以上に踏んで、こね回して初めて泥が製造されるわけである。逆に言えば、人間の側で多少の自制をくわえれば、まだ「芝生」はがんばってくれる余地がある、あした晴れればまた「大の字」ができる可能性が残るわけである。

Chemical Brothers をちゃんと観たことは、実は一度も無い。ただ、フェスティバルに行けば、必ずどこかでやっている人たち、という印象がある。彼らの場合、たいていはそのステージのトリか、最後に近いところで出てくるので、そのフェスティバルの参加者は、だいたい足を運ぶことになる。とくに、すでに十分気持ちよくなってしまった方々は、必ず踊りに出てくることは、間違いない。

イギリスのフェスティバルの場合、全く雨が降らない、ということがあまり無い。どこかの午後にまとまって降ったとする。芝生は・・・なんとかぎりぎりガンバっているようだ。何とか「もって」くれ、明日まで。明日は晴れると天気予報も言っていたぞ。

ところが、たいていの場合、無残にも Chemical Brothers が、そのステージの最後を飾る確立がとても高いのである。腰砕けのわれわれは、彼らのステージが始まる前に撤収をするわけだが、翌朝目の前に飛び込んでくるのは、たいへん十二分にこね回されて製造された、「泥の海」である。昨日までたしか「緑」っぽかった視界が、有明海のように変身を遂げているのが常であった。観客が踊り狂った成果である。

そんなわけで、 Chemical Brothers はキライ、という話でした。

今年の Glastongury Festival はすでに報じられているように、近年の中でも最悪の天候状態であった。初日から雨が降り続け、初日金曜日の最初のバンドが始まった時点で、ほとんどのステージはもはや泥まみれであった。とにかく雨が多すぎた。イキナリ終わりましたな、今年は。

その後も雨は降り続け、最終日3日目も、最後の最後まで雨まみれであった。泥は深まるばかりである。すべての観客が無我に近い境地でいたに違いない。その最終日のエンディング、われわれは、精根尽き果てて帰途に向かっていた。John Peel テントから、The Other Stage を抜けて、出口へ向かうのだが、これが、ものすごく遠いのである。何度も気が遠くなりかけながら、雨の降る中ただただ歩いた。

途中、巨大な泥の海、いや The Other Stage を横切ったのだが、そこではこの日最後のトリの Chemical Brothers が演奏中であった。今日はもういい。好きにやってくれ。もう、泥はいくらこねても泥なのである。いままで嫌っていて、申し訳なかったな。観客は、といえば長靴の上の方まで泥につかりながら、みな踊り狂っている。素敵なやつらだ。泥祭り、楽しんでいってくれ、オレはもう、とにかく帰るよ・・・・。

後日、どこからか拾ってきた、「Chemical Brothers 直後の The Other Stage 」写真である。今これをパソコンの壁紙に使っている。

Glastonbury_2007

2007年10月 6日 (土)

Kasabian

< 2004. 08. 12 @ Barfly, Camden, London >

< 2004. 12. 15 @ Carling Academy Brixton >

このブログは思い付きでもちろんだらだら書いているだけだが、ライブを見た日付だけは正確に記そうと、実は手間をかけている。どこかに四散した、実際観にいったときのチケット半券やら、過去の資料をあらためて確認しながら書いているのだ。意外と時間かかります。

Kasabian。フェスティバルのメインステージ、トリ一歩前まで来た、という感じか。ビッグになったものだ。

実際フェスティバルに行くと、会場内移動の途中ではるかかなたに Kasabian の音が聞こえたりして、なんとなく観たような気持ちになっていたりすることが何回かある。もちろんフェスティバルの「常連」という意味だ。

ところで、実際に彼らのためにお金を払って観にいったのは何回くらいあるだろう、と思って調べなおした結果が上の2回だ。意外と少なかった。

だけど2004年8月 Barfly で、同年12月 Academy Brixton って、すごいよな。300人キャパから、3,500人キャパへ。4ヶ月のスピード昇進である。

Barfly は良いステージだった。自分も含めて当時の観客は、知っている曲と言えば [Club Foot ] だけだったと思うが、まったく飽きさせないステージだったと記憶している。自分も手ぇあげて、踊ってたな・・・。おかげさまで、童心に帰っておりました。出世した方々をあとから思い出すとき、いろいろな感慨にふけるもんです。サラリーマン的に言うと、お互い若いときに一緒に苦労した先輩が、早くして取締役に就任するかんじでしょうか。何言ってるか、よくわからんが。

それにしても、いつものことながら、一回目に観たときの事は細部までよく思い出せるのに、2回目以降のライブ体験は、ちぎれた半券を見て、「観たんだったっけ?!」と、驚くことがたびたびある。何回も観て楽しいバンドと、一回観ると飽きちゃうバンドってあるのだろう、と思うが。最初に観たときは、どちらも楽しかったりするんだけど、不思議です。Brixton Academy での光景が、一瞬たりとも思い出せない。年齢的にアルツも入っているかもしれないが。

まあ、彼ら出世頭だし、どうでもいいか、そんなこと・・・。

2007年10月 5日 (金)

Six By Seven その2

< 2007. 09. 27 @ The Luminaire, London >

Six By Seven、結局ご縁がなかったということで(9月24日付を参照)。

ロンドンに居なかったので、観にいけませんでした。また未使用チケットが1枚増えたのだが、もはや確信犯でコレクションを増やしているような気もする・・・・。

以上。

2007年10月 4日 (木)

These New Puritans

< 2007. 04. 19 @ The Earl, Camden Crawl '07 >

< 2007. 05. 18 @ Pressure Point, Great Escape'07 >

Camden Crawl '07 の話を続けたい。

Camden 自体はよく遊びに行く街なのだが、やはりそれだけライブ・ベニューが多いのだと、あらためて思い知らされる。普段行くのは Barfly や、老舗の Electric Ballroom、そして KokoUnderworld Dingwalls といったあたりか。そうだ、Dublin Castle を忘れてはいけない。週末の Roundhouse の無料イベントもあったな・・・。もちろん、その辺のパブでも独自のステージをもっていて、活発にライブをやっていたりするので、飛び込みもありだ。

とはいえ、Camden Crawl は周辺合わせて15もの会場で同時に催される。いままではあまり縁の無かったベニューに、初めて足を踏み入れる、という経験をする。うわーっ、こんなところでもライブやってるんだ、日ごろから・・・・。

今年の Camden Crawl の初日、いくつかのバンドを横目でみながら、彼ら These New Puritans の出演する会場まで足早に向かったwww.myspace.com/thesenewpuritans  なんといっても、お目当てのひとつである。

2006年の NME クールリストにも選ばれ、ダークで乾いたコンピューター・ビートが売りの、イアン・カーチス系のルックス+黒い服装、という青年たちである。モノクロ写真が似合いそうな陰のあるビジュアル、と呼べばよいか。まあ、そういった「カッコイイ」雰囲気をもったバンド、と言っていいだろう。

さてと、彼らが出るのはどのベニューか?プログラムを見ると、「The Earl」とある。どこだろう、行ったことないな・・。地図を見ながら歩いていると、あれっ!ここは、Camden の真ん中にある、みんなの憩いのパブではないか。ここだったのか~。

よくみれば、本来イベントのエクスクルーシブであるべき場所なのに、店の外の席ではいつものように、近所のおじさんや若者が、なんの関係も無く、フツーにビール飲んで笑ってるよ。なぜそんなことが許される。中に入ったら入ったで、特にしつらえたステージがあるわけでもなさそうな、ただのパブ・・・・・・・ここの場所で、ライブとかやったことあるんですか?というか、ここでやるの?ホントに。

ステージとは呼べないような端っこのコーナーで、ありあわせのテーブルの上にさらに使い古しのダンボール箱が重ねられている。「クールリスト」メンバーは、そのダンボール箱の上にラップ・トップをセッティング中だ。なんだか、すごく情けないぞ。

しかし演奏が始まってからが致命的だった。

そもそも、バンドの都合で、メンバー4人のうち2人しか参加できないということで、本来4人でやるべきところを2人で分担している。単純に計算しても一人二役。忙しそうだ。目が泳いでいて、余裕が無い。とてもかわいそうな人たちに見える。挙句の果てに、西日が差してきて、店内・ステージがものすごく明るい。照明による演出、ゼロだ。外の関係ないおじさんたちは、相変わらずビールを飲んで笑っているが、それもこれもお互いに丸見えだ。このセッティングは、あきらかに高校の学園祭以下だろう。

ダークなクールさを発揮する微塵のスキマもなく、ラップトップのキーををたたけば、おっとっと。パソコンが段ボール箱からずり落ちそうだ。それを歌いながら受け止めるさまは、もはや「お笑い」ですらある。

悲しい。悲しすぎる。予定時間の半分くらいで早めに演奏を切り上げ、二人は燃え尽きて帰っていった・・・・。

The Earl 。たしかに、フォークの弾き語りくらいはできる場所なのかもしれないが、These New Puritans としては、もっとも演奏してはいけない場所でやってしまったようだ。あまりといえば、あまりの出来事である。今日は黙って家へ帰れ。こういう日もある。出直して来い。今日は点数つけないよ。ノーカウント。また観にきてやるからさ。

Camden Crawl 。他にも場所あるんだから、ちょっと考え直したらどうだ? それとも The Earl は、地元の有力者なのか。結局このあと、この場所だけは敬遠しました。

バンドと心で交わした約束を守るべく、ちょうど一ヶ月後の Great Escape で彼らの深夜ステージを観た。今度はバンドのイメージそのままの、漆黒の真っ只中だ。演出は十分である。カッコいいぞ!

・・・・・・と思いかけたのだが、良く見ると、ボーカルの Jack がまたちょっとヤバイ。たいへん不思議なことに、前回の感極まった環境のときに比べても歌唱力が落ち、さらに歌がヘタになっている。しかも目が相変わらず泳ぎ続けているぞ。客席がまともに見れないのか、メンバーそれぞれに視線を送り、助けを求めているようにも見える。ま、メンバー全員下向いて「無視」だけどな。

落ち着きがないよ、というか、フロントマンに必要な、カリスマ性が無い。

残念なバンドでした。ちょっと辛口ですが。

Tnp

友人の撮った写真@Pressure Point。これはカッコイイ。

ただしメンバーの中で、この人ヒトだけ洋服のセンスもちょっとヤバめでした。やや心配だ。

These New Puritans (その2)

These New Puritans (その3)

2007年10月 3日 (水)

Pete and the Pirates

< 2007. 04. 20 @ Purple Turtle, Camden Crawl'07 >

< 2007. 07. 08 @ Water Rats, Kings Cross, London >

< 2007. 08. 25 @ Reading Festival '07, Carling Stage >

Camden Crawl はバンドのショーケースとして今一番「発見」のあるイベントだと思う。一般のフェスティバルは屋外の開放感とか、楽しむ目的がすこし違し、そもそも好きなバンドの「晴れ舞台」を観にいっている感じがしないでもない。Brighton の Great Escape も規模は大きいが、ベニューそれぞれが離れすぎているために、勢い一箇所に閉じこもりがちだ。移動して満員だったらショックがでかい。

Camden Crawl は、もちろんこういったイベントの常として、観ることのできるバンドの数がかなり限られてはいるものの、まさにクロールして行ったり来たりする楽しみがある。移動の途中でもう一軒、もうひとバンド、一曲だけ寄り道したりも可能だ。コツを覚えればあんまり並ばずに、もしくはすぐに方針変更の決断ができるだろう。今年は2日間で、同じバンドが会場を代えて両日演奏するケースが多かったのも良かった。

昨年のクロールから一年たってみて、今、改めて'06 のラインナップを観ると感心する。今年勢いよく活躍している連中は、みな '06 組だ。2006年の個人的な「発見」は、Rumble Strips だった。当時すでにMTV2でもよく流れていたため、「発見」というのはおこがましいが、一年以上たって、先月ようやくアルバムが出た。とてもいい出来だ。なんというか、去年ここ Camden で彼らのいいステージを間近で楽しめたことを誇りに思う。われながら良いクロールでした。

というわけで、今年の Camden Crawl 2007 。

一番の「当たり」は、なんといっても Pete and the Pirates だ。www.myspace.com/peteandthepirates 

当日の会場 Purple Turtle は、Artrocker のイベントとなっている。 Artrocker らしいオタク感のある若者の姿が、やはり目につく。自分の横の方をうろちょろ行き来していた、チッちゃいオタクっぽい若者が、演奏直前ステージに上り、実はサイドギターの Little Pete であったりした。かなり良いキャラである。ちっちゃいよ、リトル・ピート。今はひげ生やしたりして、がんばっているが。

MySpace で事前に音は確認していたものの、期待を超える良いステージであった。ヴォーカルの Tommy が、和風宴会手拍子に合わせて歌うその「さま」が、彼らのライブの見た目の持ち味である。腰の砕けた、良いドライブ感とハーモニーだ。曲もよい。[ Come on Feet ] [ Knot } は、共に今年度のマイ・ベストシングルに決定、としたい。もちろん、ライブ込み、ということで。

そんな彼らも、Reading 出身ということもあり、今年の Reading Festival に滑り込んだ。おめでとう!土曜の Carling Stage 一発目の、朝11:30 からだ。ところが、ボート待ちに手間取り、会場に着くのが10分間遅刻してしまった。演奏はもう始まっている。残り10分だ。・・・・20分の持ち時間、短すぎないか、いくらなんでも。無念ではあったが、[ Come on Feet ] は楽しめた。

これからも機会があればぜひ足を運んで、応援していきたい。アルバムの録音も順調に進んでいるそうである。これからが、本当に楽しみなバンドだ。

もっとも Reading Festivel から数日後、バンドのMySpace ページに、リトル・ピート自らが残したコメントのおかげで、見逃した前半部分も堪能することができたのではある。 

『おい、お前らサイコーだったよ。BBCのホームページでお前らのレディングのステージを全部見たんだけどさ。スゴかったね。・・・ ところで、リズムギターのやつは、まさに「レジェンド」だな。』

Pete

写真:真ん中が「レジェンド」。横は宴会手拍子。

● Pete and the Pirates その2 (2007. 10. 09 @ Barfly)

● Pete and the Pirates その3 (2007. 11. 15 @ La Maroquinerie)

● Pete and the Pirates その4 (2007. 11. 16 @ Fleche D'or)

● Pete and the Pirates その5 (2008. 01. 04 @ Showcase)

2007年10月 2日 (火)

Mystery Jets

< 2004. 10. 12 @ Dingwalls (Lock17), Camden, London >

2004年の春から夏ごろ、巷でBloc Party が話題になってきた。評論家スジの評価も高そうだ。MTV2でぽちぽちと流れ始めたころである。なかなかライブのアナウンスが無かった、と記憶している。

ようやく発表されたのがその10月の Camden でのライブだ(オリジナルは9月8日で、延期になった)。そこで前座を務めていたのが Mystery Jets で、当時はその存在すら知らなかった。http://www.mysteryjets.co.uk/

演奏は、面白かった。独特の音楽をやっているな、ということは伝わってきた。ただ何というか、例の「お父さん」が気になってしょうがない。なっ、なんだあの人は・・・。あきらかに、「おとうさん」だよな。誰の?全員の?変な関係?なんなのなんなの?そのことをどう評価してよいか、わからない。むしろ、評価なんかしたら怒られそうだ。

今みんな、Mystery Jets はああいうことだと知っているからいいが、何も知らないで観ると、けっこうびっくりするよ。

2007年10月 1日 (月)

The Boys

< 2006. 09. 23 @ Barfly, Camden, London >

イギリスでテレビを見ていると、不意に、昔好きだったミュージシャンが何かのインタビューで登場することがある。ほとんどの場合、見事なくらい別人に成り果てた歳のとり方をしているものである。偏見かもしれないが、日本人よりも崩れ度合いが激しいのではないか。そう思わせるほどインパクトの強い方々が多いような気がするのである。

いわゆるロンドン・パンクから今年で30年目にあたる。同時代を高校生として過ごした自分としては、当然ながら当時は生で観ることのできなかったパンク・ヒーローたちを、今、後追いで観にいくのが、ひとつの大きな楽しみとなっている。一番どきどきする瞬間は、ステージに上がった彼らの、「なれの果て方」が目に飛び込んでくる瞬間だ。特にパンク系の皆さんは、その後の人生、筋金入りの労働者階級としての半生を積み重ね、毎晩パブで飲んだくれているはずなので、かなりの「イイ顔」に仕上がっているのが常といえる。

数年前に、ロンドン西部の名も無いパブで演奏していた 999 を観たときは、あまりの変形ぶりに絶句したことを覚えている。あなたたち、完全に別人では・・・。とはいえ、大なり小なり、「うわっ!」とくることがある種のお約束でもあり、もはやそれを肴にビールを飲みつつ、バンドの演奏に合わせて、自分自身も、この30年の人生を振り返るのだ。思えば遠くへきたなあ。オレ何やってんだ、ココで。

昨年観たThe Boys も、このように、自分自身の人生を振り返るために観にいったのである。http://www.theboys.co.uk/

ところが驚いた。彼らいまだにカッコイイオヤジたちでした。写真とって無いけど、上のサイトで Barfly の演奏模様が貼ってあります。演奏自体は、今の旬のバンドに比べれば、当たり前だが緊張感も発見も無い。だが、驚いた後に思った。自分も崩れないようにがんばりたい。少し前向きな気持ちになって、Camden の街を を後にしたのである。

Boyss8

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