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2007年11月

2007年11月30日 (金)

Beth Orton

< 2002. 07. 09 @ Electric Ball Room, Camden, London >

自分の身長は175cmくらいなので、日本人としては低い方ではない。英国人のなかにまじっても、ライブで全く前が見えない、ということもない。もちろん、立ち席で前に巨人やアフロが来たら終わりだが、たいていの場合は、何とかヒトの頭と頭のあいだから前が見えるし、第一、ステージがせりあがっているわけだから、お目当てのミュージシャンが一瞬たりともみえなかった、と言うことはあまり起こらない。

むかし何回か、ドイツで屋外コンサートに行ったことがあるが、これはケッコウ厳しかったぞ。 Johnny Marr が参加して初めての The The のライブを ビースバーデンという街で観た時は、前に立ちはだかるドイツ巨人が完全に「カベ」となって、結局1ミリも姿を拝むことができなかった。そんな想い出がある。

そこへ行くとイギリス人は、平均的には日本人より背が高いとは言え、女性も含めればなかなか「カベ」は発生しないので、前が何も見えなくてモノスゴク苦労した、という経験はすくない。それにどこのライブ・ハウスも何回か通ううちに、自然と「マイ・ポジション」ができるものだ。遅れて入っても、ここからだと何とかがんばれば前を見ることができる、という自分だけのスポットである。

ついに今日に至るまで「マイ・ポジション」を発見できていないのが、カムデンにある老舗のベニュー、Electric Ball Roon である。ここ、ステージが低いんだよね。地下だし。

実はオレは Beth Orton なんかも観たりするのではあるが、「観たりする」というのは、結果的に正しい表現でない。ただでさえ前が見づらい Electric ball Room 。そこへ来て巨人が目の前に3人張り付いた。その時点で何とかもがいて観ようという気力も失せた。満員御礼だし、横に動くこともママならない。1999年に仕事でロンドンに来てから、何回ライブにいったか数えていないが、ステージ上のミュージシャンを観れなかったのは2回ある。このときと、2006 年の Reading Festival での Klaxons だけである。ただし後者は、混みすぎのためうずくまった格好のまま動けなくなってしまったのであったが。

カムデン好きを自認しているのであるが、Electric Ball Room だけは、ちょっと微妙な存在である。

2007年11月29日 (木)

Bloc Party

< 2004. 10. 12 @ Dingwalls (Lock17), Camden, London >

2007年の今日、いまや押しもおされぬ人気者となった Bloc Party であるが、デビュー当初からかなり「鳴り物入り」な存在であったことを思い出す。とにかくスゴイゾ、という話題がかなり先行していたのである。すごい、すごいという割にはなかなかライブのアナウンスがなかったのだが、MTV2 で曲がかかりだしてから、だいぶ時間を置いてようやくカムデンの Locl 17 で姿を見せることになった。大きな会場ではないが、当然ながらソールド・アウトだ。当日会場に足をふみいれると、普段目にするような小僧どもだけではなく、いかにも業界のヒトっぽい方々、あるいはゲストリストで入り込んだと思われる、いまでいう「セレブ」っぽい人たちの姿がやけに目に付く。さすがになかなかの鳴り物である。

演奏が始まってみると、ドラムの音量がとにかく大きいのに驚いた。この「でかい音を出すドラム」というのがこのバンドの売りなのだな、という印象をうけたが、なかなかハンパでない音量である。そのとき一緒に観にいった友人がボソッと言った。「おかずが一コ足りねえな。このドラム。」 そう、音量が著しくデカイために、ドラマーの技術的「あら」が目立てしまうと言う難点を抱えていたのであった。

実のところそれからは一度も彼らを観にいっていないのだが、その間ドラマーも肺の手術をしたと聞いた。カラダから空気が抜けて、ドラムの音、ちょっとばかし小さくなったかもしれないな、などと思ったりもするのである。もしかしたら、いまやお茶の間の人気者として、分別の備わった音量になっていたり、なのかもしれない。もしそうなら、不思議な「ドラム大音量バンド」として、自分の記憶の中に留めておきたい、とおもう。

2007年11月28日 (水)

The Autumns

< 2007. 11. 21 @ Fleche D'or, Paris >

ひさびさに、見た目のオモイッキリさえないバンドを観た。アメリカ西海岸のベテラン、The Autumns である。www.myspace.com/theautumns  www.theautumns.com だがオレにとって、それはライブ鑑賞の上でプラスに働きこそすれ、ネガティブな方向に転がることは無い。見た目の冴えないバンド、あるいはそういった人たちの「もっさり」したステージ挙動。これに出会うと俄然うれしくなって、応援したくなる。音の方も好意的に気持ちになって聴くことができるので、不思議だ。

狙って「さえない」カッコウをしていると思われる Young Knives や、Hold Steady でさえ、お気に入りである。狙わずに冴えない連中が、ステージで発する輝きやカッコよさを発見することが、ライブ通いをやめられない、ひとつの大きな理由でもあるのだった。

実は正直言うと、この日会場の Fleche D'or に足を運んだのは、「デンマークの Arcade Fire 」と呼ばれている、The Kissaway Trail という名の北欧期待の若者バンドを観にいくためであった。ところが時間の計算を間違えたのか、ドアを開けたらすでに次のバンドである The Autumns になってしまっていたのであった。しまった、見逃してしまった。と思ったが、もはやどうしようも無い。音楽ジャンル的には自分のド真ん中ではないが、今日は The Autumns だけ観て帰るか・・・。

ところが、北欧の貴公子たち(オレの中では、「北欧」=「貴公子」です。ステレオタイプですが)とは似ても似つかない、アメリカのくたびれたお兄さんたち。顔も(全員)、体型も(ベース担当者)、そしてステージ挙動も(ほぼ全員)全くしんみりした「自然体」だ。この瞬間、彼らの奏でる美しくも宇宙と交信するようなサウンドが、俄然うそのない輝きとなって、自分の中に入り込んできた。とても楽しめました。

パリは引き続き泥沼のスト最中。交通が麻痺しており、この日の観客もかなり少なかった。100人も観ていなかったのではないか。しかし、そこにいた人々はみな、ステージ終了後も惜しみない拍手を送り続けたのである。

The Autumns 。今後も「さえない」見た目のままで、がんばってくれ。

Aut

彼らのMy Space Page より。

でも写真だと、けっこうカッコよくみえるかも・・・。実物にチャレンジしてほしい。

2007年11月27日 (火)

Lets Wrestle

< 2007. 10. 09 @ Barfly, Camden, London >

ここにきて、すこしばかりにぎやかなことになってきた。

ちょっと気になるバンドに偶然出会ったのが一ヵ月半ほど前。先週あたりから、どうやら、BBC(Radio 6)・XFM・NME とメディアにもプロモーションがかかりだした。Lets Wrestle という、なかなか味のあるローファイバンドである。www.myspace.com/letsfuckingwrestle 

同じく ストールンレコード (Stolen Recordings) に所属する Pete And The Pirates の前座として登場した彼らであるが、不思議な脱力系ドライブ感をかもし出すステージ、と言う意味では Pete たちに通ずる魅力がある。メンバー3人とも個性あるキャラクターだ。ニューシングルの発売記念ライブをいつやるか、と思っていたら、11月の27日だという。たいへん残念ながら、ちょうどこの日から日本に出張で戻るため観ることができない。

Pete たちもそうだが、Lets Wrestle の中味の無さそうな歌詞もすてきだ。おすすめです。

Lw

彼らの MySpace ページより。

ベースの Mike (写真左)は Pete and the Pirates の演奏中ステージ上に踊りこみ、バンドからつまみ出された。なかなかいいキャラだ。

Let's Wrestle その2

Let's Wrestle その3

2007年11月26日 (月)

and also the trees

< 2007. 11. 24 @ La Maroquinerie, Paris >

いまの若い方はよく知らないバンドかもしれない。15年ほど前、当時の自分としては一番好きなバンドであった。And also The trees のことである。www.myspace.com/andalsothetreesofficial  http://andalsothetrees.co.uk 今年も暮れになって久々のヨーロッパ・ツアーをおこなっており、昨晩パリでつかまえることができた。

実は15年前の当時も一回、ロンドンでライブを見ている。そのころはまだ日本に住んでおり、出張でロンドンに来た初日、Time Out を開いたら、まさにその日に彼らのライブをやっていたのだった。そんな偶然も、もちろんステージ自体も、とても感動した覚えがある。ただ月日がたってしまったので、それがいったいなんというベニューだったかさえ思い出せない。

ずいぶん月日を置いての再開だったのだが、彼らは全く変わっていなかった。

ボーカルとギターの Jones 兄弟。中年イギリス人男性でビール腹が膨らんでいない、スマートな中年を見たのは、もしかしたら生まれてはじめてかもしれない。もちろん、ファッション、ヘアスタイル、そして顔の造作までもが、すべて80年代(後期)~90年代(初期)の「カッコよさ」を保ったままだ。まさにタイム・カプセルのような、バンドである。

2007年の今日、ステージ上に「ドレスシャツ+黒いコート」で登場するバンドと言うのは、やはり彼らをおいていないような気がする。ステージアクションも含め、もう、完全になりきって、出来上がりきったスタイルだ。15年前のステージでも、やはりコートを着ていたのであった。

つっこみどころは満載なのであるが、今日は自分としても「青春時代」が走馬灯のように頭を駆け巡る日だった。いつものような、茶化したり不穏当な表現・評価は差し控えたい。ソールドアウトのパリの観客はみな大満足の様子であった。

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リズム隊のひとりだけ、髪の毛を失ってました。兄弟の「ビジュアル」は健在。なお、客席を見回すと、25%の割合で頭が光っていた。女性客を含めてである。彼ら2人の「変わらない」事のスゴサを感じた。

2007年11月25日 (日)

The Teenagers

< 2007. 05. 05 @ Scala, Kings Cross, London (Chalk) >

「話題のバンド」が「初お目見え」するときは、観客の中にセレブ出現率が高いものである。セレブ。書いててちょっと恥ずかしいが、有名人を見かけること自体は、キライでない。以前、「セレブ・バンド」というわけのわからない枕詞がつく The Like のUK初登場ライブに出かけたとき時、観客の中にケリー・オズボーンを発見したことがある。同じ有名人でも、実際のところ何をやっているヒトなのかよく判らない、この辺の「セレブ」を発見するのが、いちばんオツなものである。

今年の頭から MySpace 上でモノスゴイ話題となっていたフランス出身のバンド、The Teenagers www.myspace.com/theteenagers  www.theteenagers.net

彼らの待望のUK上陸ライブが Scala の Chalk イベントでおこなわれたのであるが、「話題性」「初お目見え」と、セレブ出現のための条件は十分にそろっていたと言えよう。果して、絵に描いたようなセレブの姿が確認された。ピーチズ・ゲルドフ ( Peaches Geldof ) である。バンド・エイド+ライブ・エイド一発で「SIR」の称号を得た、ボブ・ゲルドフ卿のご息女だ。

何をやっているヒトかよく判らない、と言う意味では、一流の「職業セレブ」である。いわゆるTVに出たり、コラムを書いたり、のヒトということだ。挙句には今年に入って PPQ ブランドのファッション・ショー・ステージにも立ったらしい。言うところの「パーティ・ピープル」なので、おあつらえの場所におあつらえのセレブ発見、ということになろうか。

ただまあ、彼女の取り巻きである派手めの若い女性がたくさん同行していたのであるが、会場内で意味不明の大騒ぎが過ぎ、あまり行儀の良い集団ではなかった。正直、オレの目の前で騒がれたので、The Teenagers 鑑賞を若干じゃまされ、ちょっと不満です。Peaches Geldof、不肖の娘である。もちろん、父親のほうも胡散臭いのではあるが。(ちなみに、Boomtown Rats の最初のアルバムは、高校生のときに、同時代で購入した。かなりの「ハズレ」盤だったが。) と文句は言うものの、有名人発見ネタができて、それはそれでうれしいです。人間としてちっちゃいけど。

肝心の The Teenagers であるが、こっち側の期待がちょっと高すぎた。新人さんに、そんな過度な期待をしすぎては酷である。なかなかあたらし目の音楽をやってはいたが、それほどのモンでもない、というのが正直な印象であった。まあ、がんばってくれ。

Teenagers

The Teenagers @ Scala

一緒に観にいった友人の撮った写真を拝借。写真左側のメンバー Dorian 氏。前座バンドのときは、客席側からデジカメで写真をとりまくってた。そんなに写真好きでも自分たちのステージは写せないよなあ、と思っていたら、後日この写真を彼らの MySpace に貼り付けた友人に、彼からメールの返事が来た。「写真、もっともっと送って!」

The Teenagers その2

2007年11月24日 (土)

Peter Bjorn and John

< 2006. 09. 25 @ Dingwall (Lock17), Camden, London >

< 2006. 10. 26 @ Shepherds Bush Empire, London (with King Creosote) >

< 2007. 01. 13 @ La Maroquinerie, Paris >

< 2007. 08. 26 @ Reading Festival '07, Carling Stage >

世間的には [ Young Folks ] の一発屋、ということになるのだろうが、アルバムを通して聴くといわゆる捨て曲のない佳作ぞろいである。さすがにベテランらしい、ツボを抑えた曲作りが多い。スウェーデン出身の Peter Bjorn and John のことである。www.myspace.com/peterbjornandjohn  www.peterbjornandjohn.com

去年初めて観たカムデンでの演奏も、これまた「こなれた」感じのするステージ運びで、一曲一曲をじっくりと堪能することができた。ドラムの John だけがなぜか不在で代役がたっていたものの、とても良いライブ体験であった。けっこう楽しかったので、そのあと3~4ヶ月のあいだにもう2回ほど彼らを観にいったのである。今度は John も復活していて、安心した。自分としても「ずいぶんたくさん観たなあ~」と思う一方で、彼らのほうも、ずーっとツアーに出ずっぱりなのである。まったく休みを取っていないのではないか、と思えるほどの重労働ぶりであった。

それからしばらくたって今年の夏、Reading Festival '07 では最終日、日も落ちてからの、なかなか良いポジションでのステージだ。地元スウェーデンでは長い実績があるものの、人気が「全国区」になってからまだ日が浅い。今年の Reading は彼らにとっても最も想い出に残る集大成だったに違いない。そして、長く終わりのないツアーも、この大観衆を前にしてキモチ的には一区切りだと思われる。そんな彼らを応援しに、われわれも Carling Stage へと向かった。

演奏が始まると、予想通りメンバー全員とてもうれしそうである。ついにここまで来たよ、俺たちも。すこし時間かかったけどさ・・。なんていう感じのほころんだカオをしているのであった。

さて、曲が進むにつれて、過去3回見たときと様子が違うことに気がついた。一曲一曲の演奏時間が長いのである。別にゆっくり演奏しているわけではない。それぞれの曲に趣向がこめられており、たとえばエンディングの繰り返しや「ため」がとても長かったりする。これでステージが終了か、と思わせるような曲のエンディングでありながら、次の曲に移る。その次の曲もまた同様に、という具合である。

よほどうれしかったのだとは思うが、これは引っ張りすぎでした。俺のレディング史上、もっとも「しつこい」バンドと呼ばせていただく。まあ、「晴れ舞台」だろうし、そんなに罪はないんだけどね。

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むしろ「罪」があるのは、こちらの方。[ Young Folks ] は先ごろ再・再発売である。NME にも、「いったい何回再発すんのよ。」と書かれていた。しつこい、とも言えるが、自らを「一発屋」のポジションに持っていく「いさぎよさ」も感じられる。

2007年11月23日 (金)

Clarky Cat

< 2007. 04. 28 @ Scala, Kings Cross, London (Chalk) >

80年代を同時代で体験してきた人間にとって、昨今はやりの「80年代」インスパイアものの音楽を聴いたり、ファッションを見たりすると、なにやら甘酸っぱい想い出があたまを駆け巡る。オレも大学生のころ、あんなカッコウしてフツーに道歩いてたよな~。今をさかのぼること四半世紀以上前である。

まさにあんなTシャツ買ったよ!と思ったのが、Scala で観た Clarky Cat のステージであった。www.myspace.com/clarkycat  www.clarkycat.co.uk 白黒の市松模様。スカのツー・トーンのブームが発端だったが、当時ハヤリのデザイナーズ・ブランド(死語)でも出してんだよ、最先端として。当時バイト代をつぎ込んで、ずいぶん高い服を買ったりしたもんである。当時の日本では、「おしゃれをする」と言うことは、デザイナー・ブティックに行って洋服を買うことであり、従って、とてもお金がかかったのである。まあそんな、みんなうかれた時代でした。このバンドのコスチュームを目を凝らして見ていたのだが、こんなのがまた流行る時代が来るとは思わなかった。長生きはするモンですな。今は Top Shop や Top Man で手ごろに買い求めることができる。

Clarky Cat の肝心のステージであるが。まさに今が旬な演奏や曲調ではあるのだけれど、似たような音を出す立派なバンドが他にたくさんいる昨今、ちょっとがんばらないとキツイかな、というのが正直なところであった。C_cat 50点。

彼らの MySpace ページより。オレがちょうど見た4月28日の Chalk イベントでのスナップです。演奏は印象に残らなかったが、このトップ・ショッピーはいでたちは、いまでもよく覚えている。

2007年11月22日 (木)

The Noisettes

< 2005. 10. 25 @ Mean Fiddler, London (with Tom Vek) >

< 2007. 11. 11 @ La Cigale, Paris (Le Festival des Inrocks) >

The Noisettes のステージをはじめて目にしてから2年ほどになる。www.myspace.com/noisettesuk  www.thenoisettes.com 

Tom Vek の前座で出てきたバンドだったのだが、もちろんそのときまで見たことも聞いたこともなかった。ご存知のとおりの変わった編成だし、ビジュアル上のインパクトもある。ただ、なんとなく「ニセモノ感」が漂っていたことを今でも思い出す。「ニセモノ」とはこれまたたいへん失礼な物言いだが、適当な言葉が見つからない。ボーカルのShingai のできあがりすぎたキャラクターは言うにおよばず、彼女がベースギターを申し訳程度にプレイするステージ、あるいは決して若者とは言いがたい2人の男性メンバーがかもし出す、不思議な「苦労人」オーラ。演奏の雰囲気はオーソドックスで、一言で言って「古い」。

それらを合わせて、なんと言うか、「企画モノとして組んだ」感が、彼らをはじめて目にする我々にもヒシヒシと伝わってきたのであった。

その一方で、CDデビューを果たすや否や、各種辛口音楽プレスからの評判も高く、昨年2006年には、UKの各音楽雑誌に付録された『今年を代表する音』CDなどにもれなく取り上げられていたのを、思い出す。今年は、Glastonbury や Reading を始めとして、主要音楽イベントにも引っ張りだこなのであった。

いままで意識的に無視してきたが、やっぱりもう一度ちゃんと観たほうがいいのだろうか?そんな気がし始めていた矢先、先週パリで彼らを久しぶりに目にする機会がやってきたのであった。あのムーラン・ルージュの通り沿いに位置する、Le Cigale という会場でのイベントだ。

さて、見終えた結論だが、ハッキリ言ってやっぱりちょっと胡散臭い。個人的な好き嫌いで申し訳ないですが。

何と言うか、いろいろ苦労してきたオヤジ2人が、一発奮起でウケを狙って仕組んだバンドに見えてしょうがないのである。もちろん、仕組んだからと言ってうまくいくとは限らないし、Shingai は逸材、という見方もあるのかもしれない。だったらもうちょっとベースギターも弾いてほしいところではある。オヤジに持たされた、とオレに言わせないためにも。

思い返せば、ギターの Dan Smith 氏。Tom Vek の前座ステージを終えたあと、われわれ観客が Tom のステージを堪能しているその最中に、疲れた様子でギターケースを抱えながら、沸き返るわれわれの目の前をすり抜けるや、とぼとぼと家路を急いで帰るのであった。このときの見た目の印象が、だいぶよくない。ちょっと引きずってます。

Noisettes_2

MySpace より。

一応、プレスのみんなが「良い」というものには、疑って見た方がいいときもあるよ。

2007年11月21日 (水)

Mark Ronson

< 2006. 06. 24 @ Glastonbury Festival, John Peel Stage >

NME のクールリストが今年も発表された。人生山あり谷あり、まさに栄枯盛衰だ。去年のトップ10に中にも、今年は影もカタチもない者が散見される。売れていて、メディアの露出度はむしろ高まっていたりするのに、である。

自分が世の中を判断する価値基準を、このクールリストは厳しく評価してくれる。あ、オレのセンスもいいセン行ってるな、と思うより、「ううむ、まだまだ。」と決意を新たにすることのほうが多いようだ。

このクールリストには、恒例の「Fool List」というオマケ欄がある。要は「イケテナイやつ」ランキングだ。本編のクールリストと違って、ジョージ・ブッシュだったりがお約束のようにランクインしているのだが、今年ミュージシャンながら見事にのっけからリストされていたのがこの Mark Ronson である。www.myspace.com/markronson 

ひとことで言えば、『今年、どーにもならんかったヤツ』というお墨付きである。理由は大方の予想通り、「オマエ、The Smiths のカバーはねえだろ。 The Smiths はよ!」ということで、全英リスペクトの対象である The Smiths の曲 [ Stop Me If You've Heard This One Before ] をカバーして一発ウケ狙いをしたことに対する、文化的側面からの非難がとても大きかった、ということである。Radio Head のカバーのときは何も言われなかったのにね。確かにこの曲のカバーは、シングル発表時から、さまざまなネガティブ意見がちまたを舞っていたのを思い出す。The Smiths をカバーした人は過去に何人もいるのだが、Mark Ronson が集中砲火を浴びたのは、やはりコマーシャル的な成功を狙いすぎたからであろう。スミスをネタにして。

そんな Mark Ronson を、今年の Glastonbury で観た。彼だけではない。そのあとに、 Just Jack とつづく、「強力」ラインナップである。いったい、ナニやってんだ、オレは。

やはりフェスティバルでもなければ見る機会もないだろう、という言い訳がひとつ。そして、ホントにボーカルは一曲ごとに代わるのかね、という興味本位が理由の二つ目である。ただまあ、この際だから、ハッキリ言おう。結果、たいへんつまらないものでした。やはり、床屋さんで髪を切ってもらうときに後ろで流れているBGM、という領域からはなかなか出られないものではないか。とまあ、そんな印象でした。プロモ・ビデオは良いのだが、実際になんだかよくわからない人たちが、次々登場。得意げに歌われましても・・・、というところでありました。

自分の年代には John Peel というと、何かしら神格化されたものを感じるのだが、そのJohn Peel が2004 年に亡くなってから Glastonbury の New Band Tent は 敬意をこめてJohn Peel Tent と改名された。彼は墓の中で、このステージをどう聴いていただろうか。まあ、オレも彼らが John Peel Tent で演るのでなければ、もうすこしやさしいライブレポートを書いていたかもしれないとも思うのではあるが。

2007年11月20日 (火)

Voxtrot

< 2007. 11. 15 @ La Maroquinerie, Paris >

NMEもおすすめの、今一番「旬」なアメリカン・インディ・ギターバンド、ということになっている Voxtrot www.myspace.com/voxtrot  www.voxtrot.net グラスゴー留学経験のある若者が作る、「アメリカ南部産ベルセバ」系サウンド、という触れ込みである。

期待して観にいったのであるが、むしろ「グラスゴー・サウンド」などといった先入観無しに観た方が楽しめたかもしれない。彼ら自身にしても、英国の音楽に憧憬はあるだろうが、オリジナルなことをやろうとしているはずだ。彼らの出身地テキサスの Austin はどのような街なのか想像もつかないが、全米最大のバンド・ショーケース・イベントである SXSW の開催地だ。英国は言うに及ばず世界中の「今」を肌身で感じることのできる場所に違いない。そんな場所で、いろいろな音楽に影響を受けただろうと想像ができる。

ステージを観ていると、ボーカル、ギター、ベースのメンバーそれぞれが「自分の好きな音楽」の個性を出しており、そのミックスされた感じがすこし面白かった。総合点では、まあまあという感じでしょうか。自分の好みとはちょっとずれていたけど。

ところで、この日のパリは公共交通機関のストのため、残念ながら観客の入りはいまひとつであった。メンバーも「こんな日にわざわざ観に来てくれて、ありがとう。」と言っていたが、ホンネだろう。のめりこんで見入るステージでもなかったので、すいている観客席を見回した。混んだ日には判らなかった、いろいろな観客の顔が見える。

日本でライブハウスに行くと、そこは明らかに若者に占拠されており、40代の自分としては多少居心地が悪いのも事実だ。そこへいくと普段行くロンドンやパリののベニューはどこでも必ず「オヤジ」が何人もいて心強い。見るからに明らかなオッサン風情の観客。シーンの底の広さを感じるのである。もちろんオレ自身も「オヤジ」の一人なのだが、ロンドンで見る年配客は、やはり「ロック」を感じさせる年季が、面構えや髪型に感じられる。

一方、フランスのおっさん(別名:ムッシュー)は文化系を感じさせる見た目の人が多いことが確認できた。フランスもオヤジ出現率が高いので、自分としては大満足なのだが、体育会系あるいは荒くれ者系ではない、公務員系の面持ちのおじさんが一人できていたりするので、意表をつく。

フランス語ができないのでオレから語りかけることはないが、一人できているフツーのおじさん同士、オレとオマエ。イースト・アンド・ウエスト。目で一瞬お互いの存在を確認しあい、にやりとするのであった。

Voxtrot

彼らのMySpace ページより。

当日、彼らの前座を Pete And The Pirates が勤めた。そして翌日パリの別会場でおこなわれた Pete And The Pirates のショーでは、こいつ(↑)を会場で見かけたぞ!

せっかくのパリのオフを音楽鑑賞に費やす姿勢は評価しましょう。

2007年11月19日 (月)

Baby Shambles

< 2005. 08. 27 @ Reading Festival '05, Radion One Stage >

今日は週末。休日ではあるのだが、ここのところ夜遊びしすぎたようだ。仕事がたまって朝からずーっとパソコンに向かっている。景気づけの意味もあって、テレビはMTV2 をつけっぱなしにしているのだが、今日は今年の Gonzo Tour のダイジェストを先ほどから流し続けている。

出演バンドのなかでもとりわけ、Baby Shambles には焦点を当てて、ライブやら昔の曲など繰り返し流している。Baby Shambles かあ~。一回だけ、観たなあ。

音楽的にはそれほど興味はそそられないのだが、むかし観た Glastonbury での Libertines は Pete Doherty 抜きであった。やはり毎日タブロイドをにぎやかす彼を、一度は観ておきたいと思っていたのである。そんなキモチを持ちながら、一昨年の Reading Festival で観にいった Baby Shambles は予想に反してそれほど混んでおらず、後ろの方からではあるが、ゆとりを持って鑑賞することができて良かった。www.myspace.com/babyshamblesofficial  www.babyshambles.net

個人的には彼らの [ F**k Forever ] というシングル曲は、放送禁止並みだと思っている。薬物に侵されて脳幹に明らかな異常をきたし、ろれつの回らなくなった「廃人」の歌声、といった解説をすべきこの曲は、UKロック史上、他が追随したくてもできない金字塔であると同時に、やっぱり「放送禁止」だと思う。青少年の健全なる教育に、支障しまくりだからである。

そんな Pete である。ステージでどんなことになっているやら興味が惹かれないほうがおかしい。全くの興味本位で会場まで足を運んだのであった。

さて、実物の彼は、オレの予想とちょっぴりだけ違っていた。勝手に「中肉中背」のイメージを持っていたのだが、上背は大きくガタイも立派だ。そのわりには「顔」のサイズは小さく、ちょっとした「ビール腹」をのぞけばいわゆる『モデル体型』だ。「ろれつ」がどれだけ回っていないかは、よく確認できなかった。がしかし、観客席には飛び込むわ、立派なエンタテイナーであると同時に、カリスマ性を持ったミュージシャンであることが確認できたことは、良い収穫だったと思う。曲はつまらないし、うたもへろへろに近いのだが、下世話に言うと、やはり「スター」な感じがするのである。不思議だが。

この当時は、曲も演奏もしょぼくて、アルバムは売れないわ、チャートには顔を出さないわ、の連中であった Baby Shambles 。ところが、あたらしいアルバムは、明らかに楽曲の進歩がみられ、今になって初めて 「ああそうか。 The Libertiens はPete で持っていたのか。」ということに気づくことができる。

「進歩」というのともちょっと違って、昔の Baby Shambles があまりにも切なさすぎるのである。リハブ(いまやセレブ用語)が効いて廃人を脱したのかもしれないが、最近の売れ方は、まずまずではないかと思う。相変わらず個人的な興味はタブロイドの中だけだが。

Pd

MySpace より。

ところで、週に一回は「薬物所持」で逮捕されてるシーンをTVやタブロイドで見る印象があるのだが、なんで留置場にぶち込まれないの???

2007年11月18日 (日)

Pete and the Pirates その4

< 2007. 11. 16 @ Fleche D'or, Paris >

しつこいが、昨日に引き続き Pete and the Pirates

昨夜の彼らは、出演4バンドのうち最後を飾るステージであったため、著しいスト渋滞の中、クルマで駆けつけなんとか間に合った。うれしいです。

観客もほどよい混み具合。大きな歓声をだして皆楽しそうだ。バンドメンバーの顔もほころぶ。しきりに 「You're so kind.」を連発していた。正直、たいへんよい盛り上がり方でステージの方も終了しました。2回目の海外公演、成功でよかったな。オレも応援隊としての役割を無事果たし、これで一安心だ。もちろん、なにか役立つことをしたわけではないないけど。

とはいえ、「ぼくらはイギリスのレディングって言う町から来たんだけど・・・・・。まあ、クソみたいなところだ。パリはサイコー!」なんて言うとクニのお母さんも泣いているよ。

● Pete and the Pirates その1

● pete and the Pirates その2

● Pete and the Pirates その3

● Pete and the Pirates その5

● Pete and the Pirates その6

2007年11月17日 (土)

Pete and the Pirates その3

< 2007. 11. 15 @ La Maroquinerie, Paris >

お気づきの方もいるかもしれないが、ここのところ仕事の都合でパリで過ごす時間が長い。ロンドンのライブハウスになかなか行けないのが悩みの種だ。ただ、観たいと思うバンドは軒並みパリにやってくるので、どうしても不便、ということも無い。

10月3日12日のエントリーで紹介した、いま一番お気に入りの Pete And The Pirates 。 www.myspace.com/peteandthepirates  www.peteandthepirates.co.uk ついにパリ上陸だ。La Maroquinerie で月イチ開かれるインディ系イベント。チケットはあらかじめ入手していたのだが、もともと予定されていた I Was A Cab Scout が急遽キャンセルとなり、代わって Pete たちに出番が回ってきたのである。うれしいアクシデントだ。

ところでパリ名物と言えば、公共交通のストである。かならずこの寒い時期をねらっておこなわれる。今週もずーっと地下鉄・バスが止まったままだ。ときどき何本かに一本走っているのだが、全くアテにできない状態といえる。そこで昨晩はクルマを運転して出かけたのだが、これまた道が混んでてまったく動かない。

一概にフランス、特にパリのドライバーは運転が荒い、と言われるのであるが、昨晩のオレはパリジャンが肝を冷やすようなカミカゼ・ドライバーと化して、狭い抜け道を見つけては疾走した。なんと言っても Pete たちを見逃してしまうと一大事だ。目的地に着いたら着いたで駐車スペースがそう簡単に見つかる街ではない。当然のように大胆すぎる違法駐車をして駆けつけたのだが、間一髪間に合わず、演奏はすでに始まっていた。かなり悔しい。

気を取り直して会場に目をやると、いつもに比べて観客の数がかなりすくない。やはり、ストの影響であろう。Pete And The Pirates 応援隊長の自分としては、もっと混んだ会場に呼んであげたかったのではあるが。とはいえ、当日のラインナップが彼らだけではないにしても、こんなに外出しづらい日にわざわざ来てくれた、意気さかんな観客たちである。演奏は盛り上がりのうちに終了したのであった。

実は今晩も Pete たちはパリの別な場所で演奏する。もちろん連チャンで観に行くつもりだが、今日も街中はストの真っ最中。仕事を早々に切り上げるわけにもいかないので、今日もパリらしい荒くれた運転をして駆けつける以外に手はないだろう。

何とか開演に間に合い、昨晩の雪辱をはらしたい。

Pete and the Pirates その1 (2004年4月~8月のライブ3回)

Pete and the Pirates その2 (2007. 10. 09 @ Barfly)

Pete and the Pirates その4 (2007. 11. 16 @ Fleche D'or)

Pete and the Pirates その5 (2008. 01. 04 @ Showcase)

Pete and the Pirates その6 (2008. 05. 17 @ Horation Bar)

2007年11月16日 (金)

Fear Of Flying

< 2007. 04. 20 @ NW1, London ( Camden Crawl '07) >

いままでにも何回か触れてきた、Camden Crawl のハナシ。

とにかくこのイベントは、カムデン地区にある15ヶ所からのライブベニューで、一晩に80バンドほどが演奏するのだが、普通にじっくり見てあるくと、時間割り上、4バンドか、多くても5バンドほどしか見て回ることができない。80のうちの、たった4とか5である。

出演バンド名が事前にアナウンスされており、前もって MySpace などで音を確認してから観にいくことが可能ではある。しかし、当日のプログラムは、その日レジスターをした時にはじめてもらえる仕組みになっているので、手にするや否やすぐさま自分の見たいバンドをピックアップし、行動予定を固める必要に迫られる。(誰か事前にクラッシュ・ファインダー作ってくれるとうれしいんだけど。)

とにかく、今まで自分の観たことが無いバンドのライブめぐりをするのがこのイベントに参加する目的なので、この短時間の判断が『吉』ばかりとは限らない。一年ほど経ってからあらためてプログラムを眺めると、「うわーっ。こっちに行っときゃよかった。」などというのが当たり前にある。だいぶ時間が経ったあとから、自分のセンスと判断に、あらためて一喜一憂できるという、そいいったイベントになっているのである。

80バンドから4つ、か5つ。2日間通しても、百数十バンドの中から最大10コ。従って、自分が「セレクト」してステージを観にいったバンドには、それなりの思い出があるものだ。一般のフェスティバルと違うのは、Camden Crawl の方は、一部の「ゲスト」バンドを除いて皆『新人』だ、という点にある。一言で言うと、自分が彼らに抱く感慨というのは、「こいつら売れてくるかなあ~。どうなるやら。」ということに尽きるのであった。

Fear Of Flying  www.myspace.com/afearofflying  も、MySpace で音を事前チェックしてから観にいった。会場の NW1 は、うなぎの寝床のような場所なので、とてもステージが観づらい。たくさんの客が入ることを想定していない会場のひとつだ。むりやり前のほうまで出て観にいった甲斐もあり、なかなか面白いバンドであることが分かった。すべての曲、というわけではないが、「インディ・ディスコ + ハードロック系」を組み合わせたような楽曲が半分ほどあり、ハヤリものではあるが意表をつく組み合わせで、なかなか面白いアイディアだな、と思った。みんないろいろ考えるよね。ステージを最後まで見終えてから、次のバンドを観るために、NW1 をあとにした。

彼らを含めて、自分の中での「カムデン卒業生」(えらそうですが)の動向は、その後MySpace でフォローする。時間があえば、ふたたび足を運んだりもするのである。Camden Crawl からはや半年。一気にブレイクしたバンドあり、伸び悩むバンドあり、その後の足取りはさまざまである。自分の観たバンドに対しても、客観的に「おお~、きてるねえ。」などと分析してみたりするのだが、できればがんばって伸びてほしいなあ、と思うのが正直な気持ちだ。

Fear Of Flying 解散のお知らせが届いたのは、先月の末だった。解散というか、バンドの組みなおしのようだ。新しいバンドも早速チェックしたが、やっぱり音の方向性が変わっていた。そうか、あの「アイディア」じゃダメだったんだな、と思うと残念だ。一名脱落。残りのみんな、ガンバってくれ。海亀の親心、だよな。

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MySpace ページより。

かわいらしい顔ですが、ハードなステージでした。

2007年11月15日 (木)

The Horrors

< 2007. 06. 23 @ Glastonbury Festival '07, Queens Head Stage >

いまさら The Horrors を茶化すつもりはない。www.thehorrors.co.uk www.myspace.com/thehorrors 

いちおう大人なんだから、The Horrors だけはなんとなく「観てはいけないもの」、という潜在意識が働いていたのは事実である。とはいえ、NMEから2006年度の「イチオシ」を受けているバンドだ。「何か」をもっているに違いない、という気持ちもココロの片隅にあったわけだが、意外とそういう人も多いのではないか?「自分は The Horrors なんて観ないよ」というスタイルのヒトでも、意外とフェスティバルでは足を運んでしまったりしていないだろうか、と思うのである。

今年の Glastonbury Festival '07で、The Horrors が自分の「観たいもの」リストに最初から入っていたわけではなかった。彼らのファンであふれかえるであろう、Carling Stage のセットを観にいくのは、ちょっとばかりしんどいし、いかがなものかなあと思っていたのであった。

フェスティバル2日目の土曜日も雨が降っていた。The Other Stage に行ったのだが、雨と泥で、一休みもできない。横に位置する [ Queens Head Tent ] で雨宿っていたところ、翌日 Carling Stage に出演予定の The Horrors が、ウォームアップで演奏を始めたのであった。彼らがもっているであろう「何か」を自分の目で確かめることのできるチャンスだ。目を凝らしてステージを眺めたのである。

結果的に言うと、このときの経験は自分のフェスティバル史に残るものとなった。彼らが演奏するあいだ中、観客席から聞えるのは1割の声援と、9割のブーイングだったからである。翌日のステージで、彼らを目当てにやって来る客ならともかく、今ここにたまっている集団は、たまたまビールを買いに来た客か、さもなければ、旅の途中の雨宿り客である。神経が細いと、つとまらない厳しさだ。フェスティバルにおけるブーイングの洗礼。ステージ上にものをどしどし投げ込まれる、というのも辛いが、そんなときでも数で言えば「サポート」客の方が普通多いのではないか。このとき The Horrors が経験していた状況は、北京で中国チームと試合する日本代表並である。

たしかに、これほど立派なブーイングを受けるにふさわしく、歌唱力並びに演奏能力は、いかんともしがたいものである。こちらのほうも、けっこう厳しかったです。ただ、たぶん「何か」を持っているバンドなのだろうが、演奏ヘタすぎて、それがなんだかまったくこちらに伝わらないまま、怒号の渦巻くステージは終了したのであった。

Hrr_2

MySpace ページより。スパイダー・ウェブ氏。NME’07Cool List 第50位初登場、おめでとうございます。名前勝ちですな。Queens Head のステージでは、演奏中自らのネクタイで首を吊るパフォーマンス。ブーイングに対して世をはかなんだわけでもなさそうだが。一応のけじめか。

2007年11月14日 (水)

These New Puritans (その2)

< 2007. 11. 12 @ Le Zenith, Paris (Festival Les Inrocks) >

さて、このブログを以前から読んでくれている方は覚えているかもしれないが、↑上のようにライブ日時を 赤字 でしるした場合、それは「チケット買ったが、観にいけなかった。」サインということに、一応してます。マイ・ルールで。

昨日のパリでのイベントには、4バンドのステージが予定されていた。まだ一度も「ナマ」で拝んだことがない Does It Offend You, Yeah? は、ぜひとも観ておきたいバンドだった。と、同時に、過去に2回ほど足を運んだことがあるものの These New Puritans は、もう一度だけ観ておきたい、と考えていたバンドである。結果は例によっての「残業」で、残念ながら見逃してしまったのでした。チケット代 37.30ユーロ、けっこう高かったな。まあ、しょうがないけど。

10月4日のエントリーで取り上げた These New Puritans 。不幸なシチュエーションでの演奏ではあったが、基本的にはオレから過去「ダメだし」をくらったバンドです。

ところで、このブログ(ココログ)はどのページがよく見られているか、という解析が書き手の側からできるのだが、実はこれまで取り上げてきた60ほどのバンドの中で、この These New Puritans のページが圧倒的に読まれていることが判った。2位を大きく引き離しての1位でである。要はバンドとして世間から注目度・期待度、そして好感度が高い、ということだと思う。

そんな人気者に「ダメ」を出してしまったわけである。好き勝手をブログに書いているわりには周りを気にする性格なので、もう一度「再確認」に行きたいと思ったのであった。彼らはもしかしたらホントウは面白かったりするのかもしれない。あわよくば、These New Puritans に好意的なレポートが書けて、このブログに対する世間の好意度もあがるかもしれないぞ!

不意の残業により、そんな野望は潰えた。まあ、もう一回観たところで自分としての評価が変わるものでもないような気はする。ただ、自分自身にも、バンドにも、お互いにもう一度チャンスを与えるって言うのも、なかなかいい感じじゃないですか。えらそうに言いますが。どこかでもう一度、観にいくよ、オマエらを。

ブログやってなければ、そういうキモチにならなかったと思うので、これもブログの効用でしょう(と言っていた、友人のブログの盗用)。

These New Puritans その3

2007年11月13日 (火)

Los Campesinos !

< 2007. 11. 11 @ La Cigale, Paris (Le Festival des Inrocks) >

さて、もうすぐ年の瀬、イギリスのバンドにとっては出稼ぎの季節である。先週末はAmsterdam で [ London Calling ] というイベントがおこなわれたばかりだが、今週は Paris で、恒例の [ Le Festival des Inrocks ] がそれぞれ週末を含めて数日間催された。どちらも基本的に、最近の「気になる」英国バンドがノキを連ねているのであった。それぞれにちょこっとづつ顔を出すことができたので、折を見てレポートしたい。

今晩はさきほどまで、パリの La Cigale というベニューで幾つかのバンドのステージを観ていたのだが、自分自身にとって目玉だったのは、いままで一度も観る機会がなかった Los Campesinos ! である。www.myspace.com/loscampesinos  www.loscampesinos.com このバンドのファンの方はすでにたくさんいると思うのだが、そのうち多くはこのビデオを見て彼らの曲が頭から離れなくなったヒトではないだろうか。少なくとも、オレはそうだ。 彼らの MySpace に貼り付けてある、このビデオ

バンドとは直接関係ないのだが、これを見て衝撃を受けたバンドのメンバーが、即座に MySpace に貼り付けたキモチが、手に取るようにわかる。

たいへん残念ながら、パリのムッシューとマドモアゼルはすこし恥ずかしがり屋なのか、これほどインパクトのある踊りをフロアで披露しているものは皆無であった。ま、当たり前か。ライブの印象自体は、まあまあ及第点。バンドのメンバー自体も、もすこし楽しそうであれば、もっと良かったのだが。メンバーがあんなにたくさんいると、しょんぼり演奏しているように見えるヤツもいて、ちょっとマイナスです・・・。

そういえば、最近英国のバンドをパリで見る機会が多いのだが、バンドのキャラクターによってフランス語を話す・話さない、というのがハッキリしていて面白い。ちなみにオレもフランス語は1ミリも分からないのだが、それは棚に上げて言うと、お隣の国でありながら、英国の若者の語学教育の成果は、かなり切ない状態であると言わざるをえない。

フランス語を話す・話さない、と書いたのは「理解度」「語学力」などの問題以前で、無理やり一言二言覚えて、つたないながらもかわいらしく話すトライを試みるのか、そんなことはしないのか、の違いである。どちらが良い、という話ではないが、いずれにしてもちゃんと話せるヒトにはお目にかかったことが無い。

いままでの経験で言うと、80%のバンドは「ボンジュール」と「メルシー」だけは礼儀として発言する。残りのうち1割はフランス語を全く使わず、あとの1割は、がんばっていろいろ話そうとする人たちだ。前者1割は、たとえば去年観た、 The Sunshine Underground。 「ぼんじゅーる」が似合わない連中ではあるが、フランス語を一切使わないことで、むしろカッコよかった。

そして一方今日の Los Campesinos! 。たどたどしいながらも、観客の助けを借りながら、いろいろ話そうとがんばる、後者の1割なのであった。なかなかこのバンドのキャラクターに似合っていた。

それにしても、よく来日したバンドが、ステージ上で無理やりな日本語をふた言み言覚えては披露してくれるが、あれはどこの国に行っても共通のお約束なのだな、と思った。

Lc

バンドの MySpace ページより。来年のATP ( All Tommorrows Party ) にはやばやと招聘されたようだ。インディ道を突き進む姿勢に共感できるヒトは多いだろう。

2007年11月12日 (月)

Alfie

< 2005. 07. 23 @ Barfly, Camden, London >

以前、「縁のないバンド」ということで、Six By Seven を紹介した。(9月24日10月5日のエントリー)

もうひとつ、自分にとって徹底的に縁の無かったバンドが、この Alfie だった。www.alfie-uk.com www.myspace.com/52408105 ずいぶん昔から好きだったので、何度もチケットを買ったのだが、急な仕事その他でそのたびにチャンスをつぶしていたのである。同じマンチェスター出身の大物バンドたちのフォロワー感は拭い去れないのだが、ちょっとばかり「凝りすぎ」の楽曲作りは個性であり、魅力的でもあった。

だが、彼らのことは何回目かの正直で、ついに2005年の夏、実物に対面することができたのであった。Six By Seven の例にもれず、見逃すたびにベニューが小さいハコになっていく。今回も見逃したら、次はいったいドコに行っちゃうのか、と真剣に心配した。そのときのライブ会場が「新人の登竜門」、キャパ300人のカムデン Barfly だったからである。

演奏は、さすがにうまい。ステージ慣れしている。でもケッコウみんな歳とったな・・・。まあ、オレに言われるのもイヤだと思うけどさっ。

何枚アルバム出しても、売れなかったよなあ、オマエら・・・。これまで出されたそれぞれのアルバムから代表曲が演奏されるたび、このバンド何がいけなかったのかなあ、いいとこ行きかけた感じもあったんだけどなあ、などと感慨にふけりながら思い出が走馬灯のように駆け巡るのであった。バンドのイメージそのままに、ひょうひょうとステージは終了した。

長年の活動に終止符を打つ「解散」が発表されたのは、それからちょうど3ヵ月後のことだった。Barfly も満員とは言いがたかったし、それより小さな会場という選択肢は、もう無かったのかもしれない。

Alfie

いまでも MySpace ページや、バンドの HP は存在する。どちらもこの「最新」ロゴマークだ。なんとなく予感がしたというか、このロゴ入り Tシャツを Barfly のときに買ったのである。自分にとっては、いまでも出動頻度の高い Tシャツだ。

2007年11月11日 (日)

The Twang

< 2007. 08. 25 @ Reading Festival '07, Radio One Stage >

以前のエントリーで、確か以下のようなことを書いた。

『「今話題のバンド!」と言ううわさを聞くと、やはり観にいかずにはいられない。「話題!」と言われたが、どうにも怪しそうなので観にいかなかったのは Twang くらいであろうか。』 

すみません、実は観てました。ちょっとカッコつけて嘘ついてました。

いや、というかまるっきりの「ウソ」でもない、ホントウは。偶然に、ちょっとかすったことがあるのでした。

今年の Reading Festival、晴天続きで気温がうなぎのぼり。屋外のメインステージで自分のお気に入りバンドをで観ていたら、暑さのために、本当に気を失いかけた。そこで、Radio One Stage (テント)の脇に撤収していたのである。テントのちょっと「外」なのであるが、そのテント自体の影のおかげでやや涼しい。人に数も「中」ほどには混んでいない。寝っころがりながら、小休止だ。首をちょいとだけ持ち上げると、テントの中のステージまで少し見える。まあ、一休みするにはベストポジションか・・・。

そうこうするうちに、The Twang  www.thetwang.co.uk の演奏が始まったのである。そうだったのか。「撤収」優先で、誰が演奏するのか、よく確認していなかった。結局、演奏終了まで、一度も立ち上がることなく、おかげで十分休養をとらせていただきました。彼らの演奏は真剣に聴かなかったのだが、腕まくらで横になりながら、盛り上がっている観衆の姿を見ていた。みんな、こういう音、好きなんだなあ~。

去年の夏ごろまで働いていた会社があるのだが、あるとき、そこの責任者の英国人を乗せて自分のクルマでロンドン市内を走っているときだった。一応オレは日本人ではありながら社内では「音楽通」ということになっていて、ハヤリの音にもめっぽう強い、という風評を獲得していた。まあ、仕事の上では、何の役にも立たないけどな。一方その英国人は、歳は同じく40台半ば。仕事はデキるが、音楽と服装のセンスが無いことは、会社中の誰の目からも明らかな、そういうヤツであった。

クルマが発進後しばらくして、英国人の彼が車内に置いてあるオレのCDの中から何か1枚発見したようだ。音楽雑誌の付録に付いていた、オムニバスのCDである。そのCD目当てに買った雑誌ではないが、何気なくその「おまけ」CDをクルマに積んでいたのだ。

彼は偶然そのCDの一曲目にクレジットされているバンド名を見つけるや、こっちに向かって鬼の首でも取ったかのように言い放った。『うわー。いまどき 「U2」なんて聴く人いるんだあ。オマエもこんなの聴いてるのか~。いやはや、そうですかあ。』

オレは怒りのあまり、そいつを全く無視して路を急いだ。もちろん、U2は自分の趣味でもなければ、新譜を買ったりするはずも無い。音楽オンチのそいつに茶化されたことが、とてつもなく腹立たしかったのである。しかしよく考えれば、それほどまでに「イマのU2]は時代遅れの象徴だということでもある。世間のU2評価はそんなもんだ。

はなしは The Twang に戻るが、どのプレスも最初から「大物新人」扱いである。「Arctic Monkeys を超えた!」とか、CDの発売前にイキナリなご挨拶ではないか。ラジオでかかり出して聴いてみたら、ただの「U2」でである、これは。U2に似ていれば、「大物」ということなのか?

そもそも、みんな、U2のこと実は好きだったのか?オレの会社の同僚は決して例外ではない。今、U2なんて口にしたら、だれからも「むふふ」と嘲笑されるのが当たり前、の世界ではなかったのか?なんだ、正直になってよ。U2好きだったんですね、みなさん。いまでもホントウは。

The Twang に歓声を送っていた Reading の観客は正直な人たちです。ただ、オレ自身には、どうにもガマンできないバンドであることが、寝転がりながらでも、確認できた。あんなに大衆受けを目指した音なのに、その不良みたいなしゃべり方、やめれ。曲と曲の間のしゃべりかた聴いたけど、けっこうあざといよ。

2007年11月10日 (土)

Mull Historical Society

< 2002. 05. 29 @ Shepherds Bush Empire, London >

< 2004. 08. 22 @ V-Festival, Chelmsford >

Mull Historical Society こと、 Colin MacIntyre www.myspace.com/colinmacintyre  www.colinmacintyre.com 

2001年から数年間、独特のセンスで良質のポップソングを提供してくれたヒトである。チャートインした曲も3~4曲あったはずだ。何よりこのバンド名が、彼の個性そのものであり、魅力的であった。

そんな彼を初めて観にいったのは2002年、もっとも上り調子の時期だったことを覚えている。会場の Shepherds Bush Empire いっぱいの大観衆を前に、彼としても絶頂の瞬間だったと思う。そのとき買ったTシャツは2007年現在、いまだに個人的に愛用させていただいてます。古くなっても着れるバンドTシャツっていいよね。

その後アルバムは出すもののいまひとつパッとしないなあ、という時期を迎えていた2004年。V Festival で彼のステージを観る機会があった。今はもう行かなくなってしまった V Festival 。だが、Virgin らしい「ぬるい」バンドのセレクションが多い一方で、ポツリポツリと気の利いたラインナップも見受けらたため、しばらく通っていたのであった。

ところで客詰め込みすぎの V Festival では、「どこにもすいている場所が無い」というのが最大の問題点である。いつのまにやら、「できるだけ人の少ないところで、よいバンドを探す」のが、目標となっていたのであった。

さて、Mull Historical Society のはじまる時間だ。あんまり混みすぎていないといいな。そう思いながら、ステージに向かって歩いた。ここ Chelmsford の Hyland Park という会場には、屋外ステージが2つある。大きい方がメインステージ、そしてもう一方が「第2ステージ」という扱いだ。毎年新しいテントがどしどし増えていくのだが、基本的にテントはサブの扱いであり、2つの屋外ステージが、イベントにとっては見せ場となる。彼らは「第2ステージ」に出演予定であったが、演奏開始まで10分を切ったところで、ふと気がつくと、異様なまでに客の集まりが悪い。演奏直前になってから客が混みだすのがフェスティバルの常とは言え、この「少なさ」は過去見たことがないほどである。

このとき「メインステージ」の出演者は、Franz Ferdinand であった。彼らはデビュー後間もなくではあったが、実は2004年のこの時期、世間でもっとも話題を集めていたバンドなのであった。出演時間はまだ早いものの、今年の V Festival の最大の目玉であることはプレスのプレビューなどを見ても、明らかである。ここの時間にあてられてしまったか、Mull (マル)ちゃん・・・。客はメインステージの方向に、どんどん吸い込まれていく。

こちらとしても「話題の Franz を観にいく」という選択肢もあったのだが、この年の2月にはすでに別な場所でライブを観ていたのと、なにより、とてつもなく混むところには行きたくないという思いがあり、久しぶりに出会った Mull Historical Society を観にいく方に、軍配を上げたのである。

さて、Colin 以下、いよいよメンバーがステージに登場したのであるが、客はほとんどいない。いや、もちろんいるにはいるのだが、観客の最前列に出るのも簡単に思えるくらいに「まばら」名状況であった。客の「層」は数列しかなかったのではないか、と思い出す。

こうなったら客は客で一体となって、がんばって盛り上げていくしかない。まわりのそんな雰囲気も感じつつ、懸命に声援を送ったのである。ステージ自体はケッコウ良かった。間近でゆったり観れたことでもあるし。ただし客観的な事実としては、スコットランド新旧対決、あまりにもあからさまな結果に終わってしまったのであった。オレ自身としては、都会モン(グラスゴー)より島のモン(Mull島)を応援するのが判官贔屓好きの日本人のとるべき道だったと、今でも満足しているのではあるが。

ところで、こんなこともあったからなのか、その後まったく音沙汰がなくなってしまっていた Mull ちゃん。久しぶりにライブの知らせが届いたのが今年の5月、London の Kilburn、The Luminaire で、ということであった。名前は彼個人の Colin MacIntyre に改めての再出発だ。小さなハコだが、あのときの V Festival 同様、間近で楽しめるはずだ。チケットを買って楽しみにしていたのだが、たいへん残念ながら、急にはいった仕事のために観にいくことができなくなってしまった。

この年末には、市の中心部にある Borderline で再び演るようなので、今度はぜひとも駆けつけて、肩のひとつでも「ポン」とたたいて、「がんばれよ」と言ってあげたい。(もちろん、実際にはそんなことする勇気はありません。言葉のアヤ、というか、気持ちです、キモチ。)

Mull

彼のMySpace より、ホームタウン Isle of Mull にて。

ところで、オヤジっぽい話だが、ここ1年ほどスコッチ のシングルモルトに凝っている。20銘柄くらい買って飲み比べてみたのだが、なぜか Mull 島唯一の醸造所 Tobemory ブランドのスコッチだけ、口に合わなかった。行く機会もないと思うが、不思議な島だ。

2007年11月 9日 (金)

Little Man Tate

< 2006. 08. 25 @ Reading Festival '06, Carling Stage >

自分の書いたブログの過去エントリーを何本か続けて読み返す機会があった。

「期待通り、楽しめた。」 「ぜひとも応援していきたい。」 「楽しかったのである。」 「がんばってほしい。」

貧困な文章力と発想である。

このブログをはじめるにあたって、自分で決めたマイ・ルールがいくつかある。そのひとつは、「バンド自体の解説・説明や、アルバムに対する意見・評論などは極力押さえ、ライブの見た目の印象ならびに感想を平易に表現することを目指す。」というものである。えらそうですが。

とまあ、簡単に言えば「観てどう思ったか」というレビューなので、「やさしい」表現を試みると、「面白かった。楽しめた。以上、おわり。」になりがちなのであった。

そんな反省をしかけたのだが、自分の作文力の限界に関わる話なので、一気に改善できるわけではない。むしろ、今日書き留めたいと思ったこのバンドに関する拙文を読み始めていただいた方。たいへん申し訳ないが、たいへん稚拙な表現になることをあらかじめ言い訳させていただきます。

Little Man Tatewww.myspace.com/littlemantatemusic  www.littlemantate.co.uk

昨年2006年度の Reading Festival で、その姿をはじめて捕らえたバンドである。プレスを始め、周りの風評はおおむねポジティブなものであったと記憶している。自分としては、基本的に周りの評判に振り回されやすいタイプなので、彼らを狙って Carling Stage まで観にいったのであった。

その日は、普段のフェスティバル鑑賞に比べてビール消費のペースが速く、まだ午後の遅くない時間だというのに、何杯飲んだかもう覚えていない。ひとつだけ覚えているのは、モノスゴクいい心持ちで、楽しくなってしまった酔っ払い、に成り果てていた、ということであった。とにかく演奏、早くはじまってくれ。今は誰が演っても絶好調で楽しめそうだ。

客の入りもまずまずの会場。いよいよバンドがステージに登場だ。待ってました!一曲目が始まると同時にオレもビール片手に体が動き出す。期待に違わず良い出だしだ!

・・・・と思ったのは最初の何も考えていない30秒くらいで、一分を超えたころから「驚き」→「失望」→「怒り」と、盛り上がった気持ちが一気にトーンダウンしたのである。 「つまらん。つまらなすぎる。・・・・いったいナンなんだ、こいつらは。」

この、何も考えていないような曲作りはいかがなものであろうか?次から次へと、何の引っかかりも無い曲をたて続けに演奏し始めるバンドのみなさん。久しぶりに真剣に「酔いがさめる」という経験をさせていただきました。オレの「イイ心持ち」を返してくれ、と。

コレはつまらん!と思えば、そのまま会場を出てしまえば良いだけの話であった。ところが酔っぱらっていた分、「もう一曲、もう一曲だけ。」と可能性を信じて粘ってしまい、早い段階で脱出し損ねてしまったのである。明らかなるジャッジミスでした。

Little Man Tateとてつもなく、つまらなかった。そして悲しかった。以上、おわり。自分の中では「世界3大がっかり」のポジションを獲得した。(残りの2つは、Cajun Dance Party と Tapes'n'Tapes だよ。まわりに踊らされました。)

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彼らの MySpace ページより。

考えれば、MySpace などで、事前に音を確認すれば、「がっかり」は無くなる。その時点でつまらなければ、そもそも観にいかなければ良いだけの話だからだ。それでも時々、あらかじめ「音」を確認しないままで観にいってしまうの性(さが)なのは、「がっかり」を含めてライブの醍醐味だからなのか?

このバンドの「つまらなさ」をどう表現したものか迷っているとき、友人から意を得たアドバイスをもらった。『Dirty Pretty Things 並みの楽曲。しかも Carl Barat 無しの』

2007年11月 8日 (木)

Jello Biafra

< 2003. 11. 02 @ ULU, London >

その夜、予定していた残業も思いのほか早く終了し、このまままっすぐ帰るのもナンだな、と思った。

こんな時は、とTimeout 誌をパラパラめくってみる。音楽セクションに Jello Biafra のライブ告知広告が出ているのが目に付いた。なんと今晩だ。www.myspace.com/californiauberallesdk 

いわずと知れた、Dead Kennedys の元ボーカリストで、今はソロで活動しているはずの Jello Biafra 。そんなに熱心に聴いていたわけではないが、なんと言ってもレジェンドである。一生に一度くらい実物を拝んでおいても損はあるまい。もう演奏が始まっている時間かもしれないが、今から駆けつければ、なんとか間に合いそうだ。せっかくの機会だし、行ってみよう。取るものとりあえず、会場のULUまで直行したのであった。www.deadkennedys.com/ www.myspace.com/deadkennedys 

ソロ作品はもちろん、Dead Kennedys についてもそんなに曲を知っているわけではない。だが、もしも [ Holiday In Cambodia ] のひとつでも演ってくれた日には、大もうけである。なんと言っても パンク・アンセムだ。演ってくれるといいなあ~。そう思って、会場のドアを開けたのであった。

中をみた瞬間にドキリとした。「ヤバイ!場所を間違えた!」。

ULUはよくライブを見に来るので、入り口で入場料を払うなり、いつものように階段を駆け上がって講堂のドアを開けたのである。そこで観たものは、いつもは観客の立見スペースになっている場所にびっしりと並べられたパイプ椅子。そしてそこに座って講師の話を静かに聴いている聴衆の皆さん。さらにステージに目をやれば、何事かを演説している講師の方が演台に立っているのであった。

あわてて講堂を出て、今きた階段を走ってもどる。チケットを売ってくれたスタッフに改めて場所を確認した。「 Jello Biafra を観るには、どこの講堂まで行く必要があるんですか?」 ここは大学の建物の中なので、きっとステージが何箇所かあるに違いない、と思ったのだ。

ところが驚いたことに、目的の「会場」は、今自分が入って、そして出てきた「いつもの講堂」だという。事情が飲み込めないまま、ふたたび今きた場所に戻る。一番後ろから前方ステージで演説中の講師に目をやった。

「・・・・・・・・・・・・ 。 あっ!、あれは Jello Biafra 氏そのものでなないか。」 そう、その日催されていたのは、Jello Biafra による、「トーク・ライブ」なのであった。どうやら自分が早とちりをしただけの話であったのだが、そもそも、こういうのってアリなのか?「トーク・ライブ」って・・。

呆然としながら後ろの方のパイプ椅子に陣取る。演台の上で、彼が大きな身振りで話してている内容はというと、どうやら彼の母国アメリカの政治批判のような内容であると、確認ができた。これは・・・・この人は、これをやりにカリフォルニアからここまでやってきたのですね。

思い返せは、この人は「メッセージ」の人である。 [ Holiday In Cambodia ] だって、そもそもそうだ。以前、サンフランシスコ市長の選挙に立候補し、10人中4位の結果になったこともある、と昔の出来事を思い出した。その意味では、いまでも十分「活動家」と呼ぶにふさわしいヒトなのであった。

とはいえ、しばらく黙って聞き入っていたが、だいたいそんなに楽しいものではない。どうしたものかと、あたりを見直した。大学の構内で弁士の演説を聞く、という視点で改めて講堂内を見渡してみる。すると、なんだか場違いなひとたちが、ポツリポツリと散見された。あからさまなパンクファッションに身を包んだ安全ピン女。Misfits のような格好をしたゴス交じり男。などなど、5~6人、どうも見た目の様子がヘンなのである。

おそらくは、彼らもオレ同様、[ Holiday In Cambodia ] を聴くためにやってきた人たちに違いない。明るい会場内で浮きまくっている。政治の話に興味があるようにも見えないし(偏見ですが)。会場までやって来たはいいが、トーク・ライブの事実に驚き、次善の策が見出せないまま、とりあえず話を聞いている様子に見えるのである。オレは15分ほど彼の話を聞いてはいたのだが、どうにもやっぱりつまらないので、外に出た。今日は撤収。大ポカでした。レジェンド、見るには見たけどね。家に帰って、ラーメン食って寝た。

まあ、自分の失敗ではあるのだが、Timeout の音楽ページに広告出すのは反則だ、と思った次第です。

どうやら今月、再び Jello Biafra 氏がULUにやってくるようである。告知を見たら、頭に「トーク」と書いてあった。オレはあの時たぶん、これを見逃したんだな・・・。[ Holiday In Cambodia ] を聴こう!とたくらんでいるヒトがいたら注意するように。まあ、いないと思う、というか、間違わないよな、フツー。

2007年11月 7日 (水)

Kid Carpet

< 2005. 09. 28 @ ULU, London (with Art Brut) >

このブログの中ではすでに何回か、自分が中年会社員であることに触れてきたのだが、さすがに会社に行くときのスーツ姿のままライブを観にいくとこはめったに無い。基本的に一応着替えます。会社の中で。

若者のファッション動向にも、少しだけ敏感になるようにしている。とは言っても、ロンドンの小汚いライブハウスに「たむろ」している若者の姿を見真似するだけなので、ジーンズにパーカーで、これまた小汚くまわりに「なじむ」とこが最終目標なのではあるが。

服装以上に難しいのが「髪型」である。

普段の髪型のまま参上すると、それこそ「中年サラリーマン」が無理しているカンジがあからさまに漂うので、いや、それはそれでいいんですけどね。なので、手櫛を入れると、一瞬気のせいで「若者」に見えるような髪型に普段からカットしておこう、と企んでいるのである。

問題は、そもそも床屋で何といって髪を切ってもらうか。「今日はどうしますか?」 そう聞かれるたび、オレは極めて率直に、「今日は『若作り』でお願いします。」と、理容師に迷いを与えないオーダーをするように心がけている。

たいていの場合、そう言い放った後一瞬お互いに無言になってしまうのだが、それくらいの気まずさはやむを得ない。好きなバンドのステージを頻繁に観にいくためだ。床屋にもちょっと緊張を強いるけどな。

さて、Kid Carpet 。ひっそりと日本でも公演しているらしいので、観たことのある方もいるだろう。

www.myspace.com/kidcarpet  www.kidcarpet.co.uk/ おもちゃのようなエレキ楽器を奏でて、それこそおもちゃのような音楽をやるのだが、意外と考えられた面白い曲作りをする。どういった演奏をするのか、CDを買って興味を引かれていたところ、Art Brut を ULU に観にいった折、前座の彼を観る機会がやってきた。結局ひとりで全部こなすのだが、打ち込みはさておき、なにしろ「おもちゃ」にしか見えない楽器を弾くわけなので、パフォーマンス的には独創的でかなり面白かった。

彼の演奏が終わったあと、後半戦に備えてビールを買いにバーカウンター行った。ULUはたしか Union of London University とかなにか、そのようなものの略で、とにかく大学の施設である。したがってステージの見た目は日本の学校の「体育館」にも近く、普通のライブハウスとは趣が違う。バーカウンターといっても「窓口」になっているような、学校っぽいつくりだ。

ビールを買う客がたくさん並んでいるわりには、バースタッフが少なく、列がなかなか進まない。かなり待って、ようやく自分の番が来た。「ビール1パイント!」と威勢よくオーダーするオレ。スタッフの女の子(バイト)はすかさず、しかも機械的に「では年齢を示す身分証明書を見せてください」ときやがりました。

パスポートなど持って出歩くはずも無く、年齢を証明する手立ては無い。あるとすれば、一見して中年のオレ自身をじっくり見てもらうしかない。しかし事態はそう簡単ではなかった。「身分証明がないと、お酒はお売りできません。」 そう、今は無軌道な若者たちに占拠されているとはいえ、ここは基本的には教育施設の中。未成年(18歳以下)に酒を売るわけにはいかないのである。

「若作り」があまりにも成功したことに喜ぶヒマも無く、というか、バイトの子なので、単に融通が利かない(=老若男女問わず、身分証明を見てから酒類販売)という理由により、ライブの楽しみである「ビール」が、今日は口にできない恐れが出てきたのであった。

とにかくオレは、40台も半ばの年齢であることは一目で分かるはずであり、少なくとも18歳を超えていることぐらい明らかだろう、オマエ。と、強行に粘っていた。ルールを無視しようとする理不尽なアジア人に戸惑うバイト。そんなとき、並び疲れてイラついていたオレの後ろの英人青年が叫んだ。「おい、このおっさんが『オヤジ』なのは見てすぐわかるだろ!髪だってこんなに白いぞ!なっ、おじさんっ!」

さらに何人もの若者が加勢してくれた。バイトの子は暴動の予兆をすこし感じ、こっちに黙ってビールを差し出してくれたのであった。ビールがあたって、本来はうれしいはずのオレ。「・・・・・・・・・・・・・・・。」 ビールを手に持ちながら、周りの若者に会釈をして後ろに下がったのであるが、心の中になにか将来トラウマになってしまいそうなものを抱えている自分がいた。「今日は『若作り』でお願いします。」という声が、自分の心で鳴り響いていたよ・・・。

さて、Kid Carpet であるが、彼もよ~く見ると、ちょっと若者とは言いがたい年齢のようである。でも演奏はまさに「オモチャ箱」。コドモが楽しむように演奏に興じていた彼のことをスグ思い出し、余計に悲しくなったのであった。

Kc

彼のHPより。この髪型に点数をつけるのは難しい。

2007年11月 6日 (火)

Hope Of The States

< 2003. 08. 24 @ Reading Festival '03, Carling Stage >

< 2003. 10. 10 @ ULU, London >

先日「前座」の Razorlight の話をしたので、今日は「メイン」をつとめていた Hope Of The States の思い出話www.hopeofthestates.com

2003年のReading Festival と言えば、なんと言っても思い出すのは、最終日の 日曜、Carling Stage のトリを勤めた British Sea Power のパフォーマンスである。なにせ、まだアルバムも発表していないのに、イキナリ、その日のステージの最後を飾るのである。前日には同じステージに Franz Ferdinand が、同じく新人バンドとして出演しており、当然ながらもっと早い時間の登場であった。Carling Stage は通称「新人バンドテント」と呼ばれているが、一日の締めくくりには、ある程度実績の有る新人か、さもなければメジャーではないものの、その筋では有名なベテランが来たりするのが常であり、British Sea Power に対する扱いを見ると、彼らに対する並々ならぬ期待感が伝わってくるのである。

実はこの年もうひとつ「話題性」の高い新人バンドがいたのだ、それがこの Hope Of The States なのであった。British Sea Power と同じ最終日、Carling Stage での演奏が予定されており、したがって、この日の夕方以降は自分にとっても、このテントがハイライトだったのである。

British Sea Power と Hope Of The States 、どちらも期待通りのすばらしいステージで、個人的には British Sea Power に軍配をあげたものの、Hope Of The State のほうも、ぜひもう一度じっくり観てみたい、と思わせる出来であった。Reading から一月半後にULUでのライブがブッキングされており、さっそく観に出かけた。この時点では、まだメジャーからシングルも出てないバンドだったのだが、その割にはずいぶんと大きなハコである。彼らに対する期待も、これまたかなり高かったのだと思う。とてもよいステージだったが、ちょっぴり暗くて地味だった。などと思ったりしているうちに、年が明けてすぐ、ギタリストが自殺してびっくり、だ。

そんな暗さを引きずりながら、結局2枚のアルバムと数曲の小ヒットを飛ばして、解散してしまったバンドであった。ULU のライブ直後に発売された[ Enemies/Friends ] は、なかなか泣ける良い曲でした。

というわけで、今日はオチも取りとめもない話になるのだけれど、3年・4年の月日のうちには、いろんな栄枯盛衰があるようなあ・・・と感慨深く思うものである。この「期待のバンド」がキタイほどには大成しなかった原因は、カオの造作にある、と喝破したのは私の友人であるが、自分としてはそれも含めてULUで発していた暗いオーラであろうと推察いたします。

彼らを久しぶりに思い出したのは、今年8月の Field Day イベントで、Florence And The Machine のステージ上、元 Hope Of The States の Mike Siddell 氏がバイオリンを弾いているのを発見したからである。昔ほど演奏中に思いつめたような表情はしていなかった。

Hots

バンドHPより。

書き残したい解散バンドのライブネタはたくさんあるのだが、書いててしょんぼりする。

2007年11月 5日 (月)

Bib

< 2007. 05. 19 @ Kabuki, Brighton, Great Escape '07>

< 2007. 06. 09 @ Buffalo Bar, Islington, London >

あまりにも無名のバンドはこのブログで取り上げないようにしているのだが、ちょっとだけ気になるバンドを観たので紹介したい。Bib という Brighton のバンドである。www.myspace.com/bibspace  http://www.bibtheband.co.uk/ いやもしかしたら、皆さん知ってて検索しました?

身もふたもない言い方だが、はっきり言って、曲はそれほどたいしたものではない。そんなに悪いわけでもないけれど。バンドの見た目とボーカルのDuncan 氏の踊りが、個人的に気に入った、いや、目が離せなくなったのである。音は’80年代インスパイアのものだが、メンバーがみなオヤジっぽいので、昔からやっている、と言われてもうなずいてしまうだろう。

ただ、アンオフィシャル・イベントとはいえ Great Escape のリストに加わっていたのだから一部の人からは支持を得ているようである。Artrocker マガジンからのお墨付きだ。

3人バンドで打ち込み・テープが多いのであるが、まずこのDuncan。なぜこのような人物が、そもそもバンドのボーカルを勤めているのか。人をそんな不安にさせるところがこのバンドの「ひっかかり」である。見た目的にはユダヤ系か?人種はなんだろう。なぜ白ワイシャツ(もしくは作業用ジャンパー)の胸ポケットにペンをたくさん刺しているのか。顔の見た目を中心に、他のバンドでは見られないキャラである。

極めつけは彼の挙動にある。本人にとっては、リズムに合わせて普通に歌いながら踊っているだけに過ぎないのであるが、その「作り」のない、自然の感情の赴くにまかせたビート・ダンスは、まさにバンドの発する主張そのものである。この踊りを自分も習得したい。そして、クラブのフロアで観衆に向かって披露してみたい。真剣にそう思わせるものがあったのである。

(→このプロモビデオで、その片鱗がうかがえます。http://www.youtube.com/watch?v=E6nt0Xpy0o8 実際のライブではもっと激しい動き。)

ギタリストに目を転じれば、「チャゲ」と「BONO」を足して2で割り、できるかぎり時代遅れの格好をさせたようなキャラクター(網目のタンクトップ、とか)。ドラムは不機嫌なオヤジさんであった。全体的に観てビジュアル的には相当さえないのである。

しかし、一度観たらすぐに記憶から消え去ってしまうバンドが多い中で、どうしても Duncan の踊りをもう一度見に行きたくなった。Great Escape の翌月、ロンドン北部のIslington で、彼らのセットをわざわざ観にいったのであった。

ま、日本に行くことがあるバンドとは到底思えないが、UKで、何かの前座で( XX Teens が友達のようなので、たとえば)見る機会があれば、ぜひ会場まで早めに足をはこんでほしい。観てよかったなあ、と思ってもらえる保障は何もないが、なんとなく記憶には残ると思うよ。

Bib1

Duncan @ Kabuki

Bib2 Duncan @ Buffaro bar。胸のペンの数が増えた。元職というか本職はなんだ?気になる。

2007年11月 4日 (日)

Razorlight

< 2003. 10. 10 @ ULU, London (with Hope of the States) >

< 2004. 06. 27 @ Glastonbury Festival '04 >

Razorlight のステージをフルで観たことが2回だけある。

とはいえ、一回目は Hope of the States を観にいったときの前座だったのであるが。そんなに印象に残る演奏ではなかったのだが、なんとなくドラムの男には「インパクト」があった。そのときは一人で観にいったのだが、彼らの演奏後、「面白いドラマーを見たよ!」というテキストを友達に送ったことを今でも覚えている。

それから半年後の2004年。そんなドラムの Christian Smith 氏もいつの間にかバンドを去り、というかクビになったのかも知れないが、ほどなくしてHMEの「メンバー募集」の告知に広告が出た。「ドラマー求ム!」 (公式には脱退は『宗教上の理由』といわれているそうです。よく知らんが。)

普段はメンバー募集告知など読まないのだが、本文記事の中で、NME自体が『今週号のバンドメンバー告知広告には、Razorlight が出てるよ』というコラムがあり、記憶に残っている。その結果オーディションで選ばれたのが、現在の Andy Burrous 氏である。ちょっと面長の。

実は、彼がアポイントされてから程なく、Razorlight にとっては初の晴れ舞台、といってもいいほどの Glastonbury Festival で演奏することになった。The Other Stage という、2番目に大きいステージである。屋外の。当日は朝一番が、地元のマーチングバンドのような「地元対策」の出演者だったような記憶もあり、その次に出る彼ら Razorlight が実質上土曜のトップバターであった、と思う。観客はまだ昨晩の大騒ぎの疲れが取れていない。テントで沈没中だ。

実は当初彼らの演奏は予定されておらず、プログラムにもその名前は載っていなかった。その直前にドラマーの手当てがついたため、レコード会社が押し込んだにちがいない。

いよいよ演奏の時間だ。観客はまだまだ、まばらである。

とはいえ、腐っても Glastonbury の The Other Stage 。今日はこのあと、Damian Rice や Basement Jaxx も演奏するステージである。こういった観衆の目前で演奏したことの無い人間にとっては、緊張この上ない経験に違いない。

もちろん、強心臓をして有名な Johnny Borrel 氏や、その他オリジナル・メンバーは、すでに Fiji Rock をはじめとしてそれなりの経験もあったであろう。しかし、つい先日アポイントされたばかりの ドラマーにとっては、いろいろな意味で心臓の飛び出るような経験だったのではないか?

演奏が始まって、すぐに異変に気がついた。ドラムが、いわゆる「走って」いるのである。毎曲毎曲、走りまくりである。これは相当ヤバイ!

もちろん、「やばい!」と感じたのは、我々だけではない。バンドのメンバーも皆心配そうだ。さすがにボーカリストは、立場上あまり後ろばかりに気を使っているわけにもいかない。しかし、ベースとギターのメンバーは、ドラムの方を振り向きながら付きっ切りだ。「がんばれ!走るな!いいから落ち着くんだ!」魂をこめた心の叫びがこちらにも伝わってくるようだ。チカラが入る。

とにかく、手に汗握るステージは、終了した。。

その後の彼らの活躍はここで言うまでも無い。ちょうど一年後の Glastonbury '05 では、同じ The Other Stage のトリを勤めており、彼らとしても雪辱を果たしたことだろう。ゴクローさんでした。まあ、このときは別なバンドを観にいったので、どれくらい「雪辱」をはらしたかは、知らないんですけどね。

ところで、個人的には彼らの曲の中でOKなのは [ Rip It UP ] くらいである。それすら歌詞はキツイですが。現時点では、バンドとしては何の興味も無いのだが、やはり Johnny の「ビッグ・マウス」ぶりには気が引かれることもある。ネタとして。

今年の9月ころ、ロンドンの日本料理店で「ビジネスお付き合いディナー」を食べているJohnny を見かけた。自分と同じ寿司カウンターで。そういう席ではおとなしく、きちんとした振る舞いのできる、TPOをわきまえた、フツーの青年であった。まあ、そういうもんだよな、フツー。

2007年11月 3日 (土)

1990's

< 2006. 11. 14 @ Scala, Kins Cross, London >

< 2007. 08. 09 @ Field Day, Victoria Park, London >

期待感というか、登場感。ステージ上の演出として、ボーカリストがどのように姿を見せるのか。これはバンドがライブパフォーマンスを行なううえで、たいへん重要な要素といえる。客電がおちて、待ちに待っている観客の絶叫がこだまする。暗いステージ上にバンドのメンバーが登場だ。照明が当たり、バンドの演奏が始まるが、歌い手の姿はまだ見えない。一曲目のイントロが流れる中、おもむろに、いよいよお目当てボーカルの登場だ。客席の興奮は最高潮に達した・・・・。

初お目見え、あるいは自分にとってはじめてのライブ体験となるバンドの場合、ここが一番「わくわく」とする瞬間である。

昨年の暮れに CSS を観にいったのだが、この時期はまさに彼らの話題が盛り上がり始めたころだったと記憶している。いったいどんなステージを見せてくれるか、Love Foxx というのは、どのようにステージ運びをするのか、いやがうえにも期待は高まった。

この日のオープニング・アクトを勤めてくれたのが、グラスゴーの3人組 1990's である。www.myspace.com/1990sband  www.1990s.tv

どういったいきさつで彼らが CSS の前を勤めるに至ったのかは知らない。自分としても、このとき初めて見る顔である。ところが、1990's の演奏が始まってしばらくしたころ、突如予告無く Love Foxx その人が、ステージに登場だ。なんだなんだ。なんの華々しさも無く、突然トコトコでてきたのである。観客のリアクションも、最初は『あれだれだ?』。

どうやら友達だったようなのである。一曲か数曲か、ハッキリとは覚えていないのだが、1990's との掛け合い・コーラスを歌っている。なんだか素人臭、100%だ。演出感は無い。友達なんで、でてきました。こんにちは、である。

CSS 登場前の前座にして、神秘のベールに包まれた(と、オレは一人で勝手にそう思っていた) Love Foxx の全貌が、すでにさらされてしまった感じであった。もちろん、メインのバンドとして CSS の出番となると、彼女は先ほどと同じいでたちのまま、われわれ観客との再会を喜びながら登場したわけである。

・・・・・・・。彼女のそういったキャラクターには好感が持てないでもないのだが、バンドのパフォーマンスが始まるのを待つ「わくわく感」をまったく感じさせないという、珍しいステージであった。そのときは。ちょっとだけ、腰砕けました。まあ、いいですけど。

一方の 1990's である。そのとき聴いた彼らの音楽を、なんと形容していいかわからない。いや、変わった不思議な音楽をやっている、というわけではない。CSS のような、「今」の音とはだいぶ趣の異なった、それなりに良質な、でも少しクセのあるフツーのポップス、という表現が適切か。などと思って、後日彼らの MySpace を見たのだが、Influence に Rolling Stones / David Bowie そして The Fall  (!) の3バンドだけが書かれており、納得した。この3つの組み合わせは、初めて見たぞ。そういうことですか。3つのアーチストの音に、どれも似てない気がするのだが、妙に合点がいきました。結果的には、彼らの演奏を見終わった後、ちょっとした充実感があったのも事実である。 

今日は、バンドとは関係ない「ハズシ」ネタで失礼。

1990

彼らの MySpace ページより。Jackie (vo) - 右 - のオリジナリティあふれる顔の造作。離れたステージからでも、そのインパクトがすぐに伝わってきた。

1990_lovefoxx

@ The Scala 当日の写真を Flickr から拝借。素朴ないでたちです。

● 1990s その2

2007年11月 2日 (金)

iLiKETRAiNS (その2)

< 2007. 10. 31 @ Fleche D'or, Paris >

10月11日のエントリーで取り上げた「ヒストリー・ロック」の雄 iLiKETRAiNS であるが、昨晩パリでの公演を見てきた。場所は個人的に最近かなり気に入っている20区のFleche D'or である。パリで演奏するのは3回目、そしてその晩から欧州ツアーのスタートだ、と語っていた。例によって一晩4バンドほど演奏するのだが、ほぼ満員の観客は彼ら目当てであり、さい先の良いツアーのスタートになったと言ってよかろう。

前に観たのが今年の5月で、約半年。自分にとって一番の違いはなんといいっても先月アルバムが出たことだろう。じっくり「予習」してから出かけたので、一曲一曲味わいながら楽しむことができた。

男前もいるのだが、決してイマ風ではない「カッコよさ」を狙って演出しているバンドでもあり、そこの危うさが気になるので、影ながら応援させていただきたい人たちなのであった。

このバンド、前回観たときもそういえば同じことを感じたのであるが、ボーカル Dave のギターストラップが異様に長い。そして、ギターを相当下の方に持ってきて弾いている。アクションによっては、ひざくらいの位置で弾いてたりするぞ。全くイマドキ感がない。今のハヤリはみなさん、田端義男風の「胸位置」ですからな。

当然あえてそうしているのであろう。これがカッコよくみえてくると、お前らもホンモノだな。

たとえ話だが、今ネクタイ業界は、素人目だが幅の細い方が流行の主流に向かっているように見える。昔、細いのが流行した時期があり、その後おしゃれな人は太目のネクタイを身に付け出した。そのあと太いのが「当たり前」になって、そして今おしゃれな人は、細いのに戻り始めた、と。こんな時期に、あえてネクタイを極限まで太くしていくような蛮行にも見える Dave のウルトラロング・ギターストラップ。男気に乾杯したいくらいである。

Ilt2

彼らのMySpace ページより。

彼ら自身の「ネクタイ幅」は、皆さん「中庸」をわきまえておりました。「たとえ話」が悪くて混乱した人。申し訳ない。

2007年11月 1日 (木)

Alexis Taylor

< 2006. 10. 26 @ Shapherd Bush Empire, London (with King Creosote) >

Alexis Taylor という名前を聞いても、ピンと来ない向きもあろう。Hot Chip のフロントマンである。まあ、Hot Chip 自体、ライブでは全員がフロントを飾るんですが。www.myspace.com/hotchip  www.hotchip.co.uk

この人は、Hot Chip の中心的役割を担っているわけだが、ソロ演奏やDJ活動も活発だ。

EYOE (Eat Your Own Ear) のイベントでソロ出演をしていた彼を観たときは、4組のアーチストが出演するなかで、最初のステージを勤めていた。観客は、当然ながらというか、「まばら」である。その2ヶ月前、Reading Festival '06 の最終日、Carling Tent でのセットを満員御礼、大成功裏に収めたあとにしては、さびしいステージであった。もちろん、そんなことを気にしているそぶりは微塵も感じさせず、ひょうひょうと、自分の演奏に没頭していたのであるが。

おなじみのカシオトーンにギター、と入れ替わり持ち替えながらの「ひとり Hot Chip 」とも言うべき内容であった。実際 Hot Chip の曲もやってたし。結局 Hot Chip って、一人でできるんじゃん!という発見をしたステージでありました。

もちろん、Alexis Taylor 一人では Hot Chip の魅力すべてをカバーしきれているわけではない。このバンドの真髄は、なんといっても、あの個性的すぎるメンバー5人の面構えにあるのだから。

個人的に敬意をこめて「年老いたリス」と呼ばせていただいている、Alexis Taylor のビジュアルが一番インパクトがあることも、また事実なのだが。

Hc

Hot Chip のHPより。左端が、ドングリをかじる年老いたリス。

 Hot Chip その1

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