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2008年1月

2008年1月31日 (木)

The Mae Shi

< 2008. 01. 18 @ Fleche D'or, Paris >

先日のエントリーに書いた Slow Club と同じ日に観たのが、このバンド、Mae Shiwww.myspace.com/themaeshi  www.mae-shi.com 

その夜は Moshi Moshi Records 主催の 「もしもしナイト」(日本語で書くと、腰がくだけます)というイベントだったので、こいつら Mae Shi もアメリカ人ながらこのレーベルからCDを出している、ということであった。そして、Slow Club 同様、現在このレーベルからイチオシを受けている、ということになるらしい。

この連中のことは全く知らなかったのだが、調べてみると新しいアルバムはなかなか良い評価を得ているようだ。だけど先入観無しにイキナリ観ると驚くぞ。なんといっても、演奏中にメンバー全員がステージ上で衣装を着替えるのである。MySpace に貼り付けてある彼等のライブ・ビデオでも片鱗はうかがえるが、オレが観たときは「黒装束」から「白装束」への変更であった。想像に難くなく観客はあっけに取られるが、一瞬『何が始まるんだろう』という緊張感が走るものの、すぐに「着替え」が間抜けな作業であることが明らかとなり、なすすべなくそれを呆然と眺め続けることになる。いわゆる「はや変わり」ではなく、ただの「着替え」なのだ。

そのほかにもコイツらは、ステージ演出や企画が盛りだくさんであった。彼等の演奏開始を待っていると、観客席側で突然メンバーがコーラスを始め、観客の間をすり抜けて行進しながらステージに登壇する、というオープニングに始まり、暴れん坊なのかオタクなのか判然としないステージアクションの繰り返し。音の方も、「ごった煮」ながらチープな作りが心地よくもあり、新しいのだろうなあと思った。

ただ最初にも書いたように、その日は「もしもしナイト」。Moshi Moshi Records のオススメが出てくるわけなのだが、前出の Slow Club をはじめとしてほのぼのとした音を出すバンドばかりだったので、気を許して前の方に出すぎていた。Mae Shi が演奏を開始し、ヘビーロック風のシャウトが出たとたん、モッシュがはじまってしまったのだが、逃げこむ隙間がない。いや、オレもライブハウス初心者ではないので飛んでくる「人波」の避け方は多少なりとも心得ている。モッシュ避けの技能や意思をもたない「酔っ払い」や「きまってしまった人」たちが、大暴れの真横でビール片手にのんびり観ているのである。そういう人間に限って、モッシュが己に当たった瞬間、自らのビールを自分に浴びせること無く周りに撒き散らしてしまいがちなことを、オレはいままで十分すぎるほど経験してきている。

ビールしぶきの方向を目で追うことにも疲れ、ステージを堪能する余裕が無くなり、途中で撤収しました。残念だが、まあ、良くあることでもある。こういう傾向の異なるバンドが出てくるイベントのときは、ポジション取りに気をつけたいものだ。

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@ Fleche D'or

撮影を開始したがモッシュの人波が当たり続け、このような写真ばかりに。激戦の証だ。

2008年1月28日 (月)

Slow Club

< 2008. 01. 18 @ Fleche D'or, Paris >

Moshi Moshi Records (もしもしレコード)というレーベルがあって、インディ系なのだがその筋ではなかなか評判が高いそうである。そのむかし知り合いの英国人女性が、日本の回転寿司のアイディアに着眼してロンドンで「Moshi Moshi Sushi」という回転寿司チェーンをはじめたことがある。「もしもし」は、英国人にとっては何かが「ぐっ」とくる響きであるに違いない。もしもし

思い返してみると、以前購入した The Rakes のシングル盤や Hot Chip の最初のアルバムの裏側には、くっきりと日本語で「もしもし」と書かれていた。ジャンルは異なるものの、なかなかうまいところを捕まえてくるレーベルだなあ、と感心していた。去年あたりは Hot Club de ParisTilly and the Wall をプッシュしていたのだが、おそらくそのへんのサウンドが、最近このレーベルが「押している」音なのだと思う。

先ごろ観た Slow Club という二人組みは、この最近の傾向をより「アコースティック」にした曲作りだ。www.myspace.com/slowclub  ギター担当で安倍晋三似の Charles と、打楽器(バスドラム・タンバリン・椅子など)担当でビデオで見るよりはだいぶふくよかな Rebecca の奏でるサウンドは、緊張感はないが心あたたまるものであった。来月には Royal Albert Hall で演奏する機会があるようだ。立派なものである。「もしもし」レコードがここのところ一番チカラを入れているバンドのようでもあり、レーベルの先見性を評価するならおさえておいた方がよい連中かもしれない。今年はアコースティックが流行るんですかね?

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@ Fleche D'or 。

わたしの知り合いは「もしもし寿司」の営業権を売ってしまって儲けたようだ。Moshi Moshi Sushi ブランドで引き続きロンドンその他で営業中のようである。ブライトンにも一軒あるので去年 Great Escape を観にいったおり寄ってみた。悪くないけど、「うに」は避けたほうが良いです。不思議な味でした。

2008年1月26日 (土)

Morrissey

< 2002. 09. 17 @ Royal Alvert Hall >

< 2004. 08. 28 @ Reading Festival '04, Main Stage >

イギリスの夏は寒い。

「寒い」というのは語弊があるかもしれないが、それでも「あたたかい」とは決して言えないだろう。へたをすれば、7月や8月の日中最高気温の平均が17度くらいだったりするわけだし、レディングフェスティバルが開催される8月下旬にはもう秋の装いだ。レディングも、まあ日中は良い。夜、それもトリを勤める、その日最後のバンドが出てくるあたりの時間になると、完全防寒体勢を要することも決してまれではない。

2004年のレディングも、例年通りすこし雨交じりの、「すずしい」というにはちょっと寒気の強い日が続いていた。初日の金曜日は雨。翌日の土曜日は、前日の「泥」道を乾かすには日の当たりが少なかったと記憶している。

クルマで毎日宿泊先のB&Bから会場まで駆けつける我々は、当然ながら帰るべき「テント」を持たない。しかがって、夜も更けてきて寒さが厳しくなってくると、どこかに逃げこむあてが全く無いのである。その結果、朝から会場内を歩き回っている疲労感にこの「寒さ」がかぶさって、日が完全に落ちきる前の夜の7時~8時ころになると、「今日はもう、帰るっぺ。」ということで、メインステージのトリを観ないで会場を出てしまう、というのが、基本的な行動パターンになっている。寒いし、混んでいるところにわざわざ居なくてもいいだろう、と、自分にやさしい腰砕けの判断を下すのである。

先日のエントリーでも書いた、この日、2004年のレディング2日目土曜日、Her Mar Superstar 以外にも「観たぞ」という記憶のあるステージがあった。メイン・ステージでトリを勤めた Morrissey だ。彼のことは日本に居る時分から何度かステージを観た事があったので、とりたててそのとき見なくてもよかったのかもしれないが、とあることに熱中しすぎているうちに、気がつげば彼の演奏がはじまっていたのである。

過去レディング・フェスティバルに行かれた方は知っていると思うけれど、夜になって日が落ち始めて涼しくなると、メインステージの観客エリアのあちらこちらから火の手が上がり始める。防寒対策としての「たき火だ、たき火だ、落ち葉たき~」である。燃やす材料のうち、主力となるのはイベントのスポンサーでもあるカーリング・ビールの紙コップ。夕方になれば、会場のあちこちに無尽蔵に捨てられている、要は「ゴミ」だ。

日本のフェスティバルに行ったことがないので、想像なのだが、たぶん会場内でライブを観ながら暖を取るためにゴミをぼうぼう燃やすことは、あまり奨励されていないと思う。レディングでも奨励はされていないかも知れないが、とにかくあちこちで火が燃え始める。みんな火が好きなのだ。

この日ある時間までメインステージに居たのだが、つるべ落としで急に気温が下がってきた。普段なら「焚き火」を横目に見ながら撤収、というパターンなのであったが、自分の横にいた観客が「カーリング」何枚かを使って火をおこした。オレのすぐ横である。するとどうだろう、意外とコレがあたたかいのである。自分たちも手をこすりながら火に当たった。そうすると、この火をめがけてすこし人が集まってくる。集まってくる人は参加する際に持参金(カーリング紙コップ数枚)を運んでくるのが常だ。小さなコミュニティーの発生である。

人間は火を燃やすコトが好きなので、一部の人間はまわりの焚き火より大きな炎を作ろうと躍起になる。そのためには原料である「カーリング」紙コップが大量に必要となってくるわけだ。炎が大きくなれば目立つし、歓声もあがる。周辺の温度も上がってくる、というわけで、この火で暖を取ろうという人間の数も増えてくるのだった。

ところで問題は、そうは言っても皆さすがにオトナなので、火は燃やし続けたいが原料の補給が面倒になってくる。自分たちの近辺の石油は掘りつくした。隣の「火」の近辺にも手つかずの燃料はありそうにもない。遠い国に燃料獲得の遠征軍を募らなければならなくなるのである。基本的には音楽を聴きにここまでやってきているわけなので、遠征軍をわざわざ組むのは高校生以下の「コドモ」がメンバーに含まれる焚き火に限られてくるわけだ。(基本的にコドモはわけが判らずゴミ拾いに熱中する。)そうこうしているうちに、一時はあんなに大きかった炎も、ついには燃料切れで消えていく。そうすると、集まっていた人もなんとなく「グループ解消」となって、ポケットに手を突っ込みながら、「ううさぶっ」とステージを眺めるのであった。

この日、自分の目の前に発生した「炎」を5~6人の大人が囲んでいた。初期の段階ではそれぞれがタイミングよく順番に「燃料補給」をおこなっていた。かなり立派な「火」になっていたと思う。急に寒くなってきたし、ちょうど良い。すると、我々の火をうらやましそうに見つめる小学生(英国人)が2人ほど目に入ってきた。たぶんテントからTシャツ一枚で出てきたのだろうが、急に寒くなって凍えている様子だ。寒さのため我々の「火」で暖を取りたいのだが、恥ずかしくてなかなか「その輪に入れてください!」とは言えないのである。

ここで、「キミ達、寒そうだね。さあ、こっちへ入って火にあたりなよ。」などと我々の口から出てくることを期待しているようでもあるが、それではこの子らのためにも我々のためにもならない。人間、生きていくということはどういうことか、われわれオトナはコドモたちに教えていく責任がある。コドモタチは寒さで泣きそうであるが、決して無条件で火を譲ることはしない。その代わり、目で合図を送りながら、コドモたちに今自分が何をしなければいけないかをわからせるのである。

コドモたちは気がついた。どうやら「紙コップ」を拾ってくると、火の輪に入れてもらえるのではないか、と。そししてこの人見知りなコドモ2人は勇気を振り絞って我々の炎に紙コップを数枚投げ入れる。そしてオレは初めて笑顔で彼らにうなずき、サークルへの参加を許可するわけである。

ただし彼らへの教育がコレで終わったわけではない。われわれのグループは「コドモ」が参加した安心感からか、もはや誰も燃料調達の旅に出ようとはしない。ここから我々は、彼ら2人を、鵜飼の「う」のように使いながら火を絶やさぬように心がけていくのであった。

まあ、そんなことしながら夜が更けていったわけで、肝心の Morrissey はやっぱりよく覚えておりません。

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写真は Morrissey の演奏中、我々の火が消える直前の瞬間。コドモ達は強制労働が厳しすぎて、途中で脱走した。

ところで、レディング・フェスティバルでは昨年(2007)から、「環境にやさしく」をテーマに、カーリングの紙コップを何枚か集めると、新たにビール一杯と交換してくれるシステムに変更してしまった。「燃料」が「金券」になってしまったのだ。去年は珍しくあたたかかったので、夜も焚き火の必要がなかった。しかし今後寒い夜には「燃料」無しでどうなってしまうのだろうと、真剣に心配しているのである。

2008年1月24日 (木)

The Research

< 2006. 08. 27 @ Reading Festival '06, Carling Stage >

ミュージシャンの売れない時代の苦労話というのは、なかなか味わいのあるものが多い。オレのお気に入りのミュージシャンの場合、現在進行形でお金がなかったりするものだから、そいつらの「金がない」話はなかなか涙を誘うし、コイツら大丈夫か?と緊張感も走る。実際は、はたで心配するほど本人達は苦労に感じていなかったりするのが多少の救いだ。

最近では、自分のイチオシバンド Pete and the Pirates 。昨年、彼等の初の晴れ舞台である夏のフェスティバル (Leeds Festival) では、移動用のおんぼろグルマがエンコしてしまい、会場にたどり着けなかったそうである。悲しすぎて、天を仰ぎながら流れる涙をぬぐうことができなかった。まさに「貧乏」が「貧乏」を呼び込むようなハナシである。

「金がない」はなしでド肝をぬかれたのが、The Research だ。www.myspace.com/theresearch  www.theresearchgopop.com

以前読んだインタビューによれば、「えーっと。金がないんで楽器持ってないんだよ。ライブのときはヒトのを使うね。」

・・・・・・・・・・・。いったいなんであろうか、これは。そんな彼らがフェスティバルに出るというので、はたしてどんなことになっているのかと、とても気になった。おそるおそる、彼等のステージを覗きに出かけたのである。彼らにとって何かの足しになれば、と思い、事前にシングルCDを1枚だけ購入した。なかなか味わいのある良い曲だ。同じ Research ということで、カンサー・リサーチに月々£2づつドネーションする気持ちと同じである。貧乏に負けて「バンドを止める」なんて言い出さないでくれよ。

そんな心配をよそに、飄々(ひょうひょう)としたステージは心温まるものであった。だが、当たり前なのだけれど、自前の楽器か借りたものなのかは判らないまま、彼等のライブは無事終了したのである。なんの手助けもできないが、がんばっていってほしいものだ、と思った。

Research オレの購入したCDシングル・ジャケット。全く「金運」がなさそうに見える。

2008年1月23日 (水)

Har Mar Superstar

<2004. 08. 28 @ Reading Festival '04, Radio One Stage>

レディング・フェスティバル (Reading Festival ) 通いは過去7年間、皆勤賞である。イバるものでもないのだが、平日も含むためサラリーマンとしてはなかなかの上出来だと自分では思っている。一介の民間人に過ぎないし、業界にコネもないので、一般の入場チケットを買っては、小僧どもに押されてもみくちゃにされながら、一般の入場口を通ってステージを目指す。なよなよした中年としては、正直、体力的には厳しいが、それも含めて「苦しく、楽しかった思い出」として将来の記憶に残したいとも考えている。

そんな自分ではあるが、過去一度、それも一日だけ、特別に入手した『ホスピタリティ・チケット』というやつで、特別扱いを堪能した経験がある。2004年のフェスティバル中日(なかび)、土曜日のことだった。

リスト・バンド交換所はもちろん「一般エリア」とは違うし、何をするにしても「並ぶ」ということことがない。目玉はなんといっても「ホスピタリティ・エリア」へのアクセスが許されていることだ。並ぶ必要のない、きれいなトイレ。そして、専用のバー・エリアもあって、おいしそうな軽食も用意してくれる。そこに陣取る連中は、もちろん業界関係者か、本日出演のミュージシャン達だ。さすがに大物は自前のトレーラーを仕立てるか、自分の出演時間にパッと来てパッと帰るだけのため、ここに姿を見せることはまれなのだが、レディングへの出演がきまって嬉しい新人さんたちは、ここの場所にこぞって出現することになる。そんな人たちの中で、「おっ、あいつは、あのバンドのベースでねえか?」などといいながら椅子に座ってくつろぎながらビールを飲む。もちろん、原則的には関係者のたまり場であり、ミュージシャンを見つけたからといってサインを頼むのは、野暮というものだ。もっとも、「写真を一緒にとってください!」という勇気も元からないのだが。

実は、このブログを書くための元ネタを整理していて、つまり、いつ誰を観たかをまとめなおしていたのだが、この日、2004年のフェスティバル2日目土曜日に「見た事」になっているバンドがあまりないことに気がついた。すこし考えた末に、このホスピタリティ・チケットのことを思い出したのだ。この日オレはうれしくて、メインステージ裏にある、この「特別スペース」にかなり長時間へばりついていたのである。

そしてようやく思い出した数少ない「その日観たバンド」の代表が、コイツ Har Mar Superstar であった。 www.myspace.com/harmarstar  http://harmarsuperstar.com ステージ全体を通して意外と面白かったし、お約束どおり白ブリーフ一枚になってくれたので、ライブとしての満足度は高かったことを覚えている。

だが、この日のことでハッキリ覚えているのがこの Har Mar Superstar と、そして、ホスピタリティエリアで何かの撮影のために突然脱ぎだしてハダカになった「仕込みの女性」のことしかない、となると、ライブ道をつきつめようと努める者としては、ちょっとしょんぼりではある。

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フェスティバルの、その日の想い出がコレだけ、というのは確かに情けない。写真は本人の MySpace より。こんなものを貼り付けて、ホント申し訳ないと思います。

2008年1月22日 (火)

Chikinki

< 2004. 08. 22 @ Hyland Park, V Festival (NME Stage)>

一見すると何の変哲もない男のコたち。普段よく行くパブに普通にたむろしている連中にしか見えない若者。ところが一旦ステージでの演奏が始まるやいなや、突然彼等のもっている「何か」が輝きだし、見る者を圧倒する。さすがはミュージシャンだ、と思わせる瞬間だ。

見た目でいえば普段着で、さえない風体のバンドが多い昨今、ステージ上でのライブ・パフォーマンスを経験したとたん、「パブで自分の隣にいるような連中にしか見えなかったけど、やはり、ミュージシャンてえのは自分達とは何かがちがうんだよなあ。」などと思ったりすることがよくある。

そういう感動を覚えたまさにその直後に、「しかしコイツはよく見てみると、フツーの若者以外の何者でもない。いや、フツーというより、もっと日常的な光景だ。」という『現実感』にもどされるという珍しい経験をしたのが Chikinki のステージだった。www.myspace.com/chikinki  www.chikinki.co.uk

2004 年の当時、Barfly が発行する月間音楽誌 『The Fly』をして、「いま、最も新しい音」と言わしめたバンド、 Chikinki 。惰性で通っていた音楽フェスティバル 「V Festival」にあって、この年唯一絶対に観たいと思っていた数少ないバンドのひとつであった。とはいえ、巷で多少の話題になっていたとは言うものの、スペースの大きな屋外第2ステージ(NME ステージ)だ。同じ時間のメイン・ステージが Jamie Cullum だったこともあって、決して混んでいたとはいい難い。ほとんど観客最前列に近いところまで突入できたのである。

音楽的にもかなり自分の趣味に近かったし、彼等の演奏はとても楽しめた。みんな若めのお兄さん達なのだが、そんなに「ロックバンド」然としていない、ちょっと「オタク」っぽいビジュアルやそのわりにはエネルギッシュなライブ・パフォーマンスもなかなか良いな、と思ったものである。

さて、ボーカルの Rupert だが、若者らしいローウエストのパンツに T シャツ姿だ。アクションのたびに腹が垣間見える。彼らは高いステージの上だし、こっちはステージ直前に陣取っているので、Rupert をやや下から見上げる格好となる。このときはハッキリ判ったのだが、彼は全体のスタイルとしてはスリムなのだが、腹だけがっぽっこり出ている。そしてその腹の上に T シャツが乗っかっているのが判るのだ。典型的な、いい感じの「ビール腹」である。スリムだが、ビール腹。これはオレの周りで毎日のようにパブでパイントを平らげている、ごく一般的な英国人の若者のあまりにも見慣れた光景である。しかしながら、バンドの販促用写真には、なかなか現れてくることの少ないビジュアルであるとも確かに言える。

このあまりにも日常的なひとコマのために、彼等のライブの最中であるにもかかわらず、一瞬完全に現実の世界にひきもどったわけでははあるが、バンドとの距離が一歩縮んだ気がした。そして、「友達」になったような気分で、改めて彼等のステージに声援を送り続けたのであった。

Chikinki

彼等のMySpace より。正面・モノクロではわかりづらい。そして「動き」がないと。もしかすると、それから3年半の月日がたち、今は「ビール腹」は引っ込んでしまったのかもしれないが、まあ、そんなことは無いと思う。

そんなに大きな成功はしていないのかもしれないが、今も精力的に活動を続けている。がんばってもらいたいものだ。

2008年1月21日 (月)

Mystery Jets その2

< 2008. 01. 19 @ Fleche D'or, Paris >

3年と3ヶ月ぶりに Mystery Jets のライブを観た。月日は少年たちを「青年」に変えていた。演奏力はまさにプロフェッショナルと呼ぶにふさわしい。だがひとことだけ言いたいことがある。

「いったい、おとうさんはどこへいった?」

新曲ばかりのステージは、何か「ロックバンド」のようなものになっており、曲自体もつまらなかった。お父さんの不在と関係があるのだろうか。居てもいなくても、おとうさんは気になる存在だなあ、と思った。

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イギリス人も大勢駆けつけていたパリのライブ会場は満員御礼。ぎゅうぎゅうで写真を撮るどころではなかった。かわりに当夜の前座を務めた Thos Henley 氏(英国人)の演奏風景です。控えめなウクレレ・シンガーであった。www.myspace.com/thoshenley 

2008年1月18日 (金)

Radiohead

< 2000. 09. 23 @ Victoria Park, London >

しかしなんですよね。Radiohead を観ようとは全く思わなくなってから、どれくらいたつのだろうか、と考えてみた。今年はロンドンの Victoria Park でまた演奏するらしいのだが、実は8年前に同じ場所でライブがおこなわれたときは、ひとりでてくてくと足を運んでいるのである。会場の公園があるハックニー地区に訪れるのは当時初めてで、その直前にはジョギング中のアメリカ人がその公園で何者かに殺されていたりと、なにかと物騒だという先入観があった。クルマを駐車したところが適当ではなく、よって公園の中でも人気(ひとけ)のないところを暗い中ぐるぐると迷って歩き回ったため、かなりのビクビクものであった。まあ、そんなこともありながら、家からも遠いのにわざわざ出かけていったわけだ。

その後今日に至るまで、彼らがトリをつとめる音楽フェスティバルには何度も訪れてはいるものの、その日最後まで残って Radiohead を観ようかどうしようか、と迷った記憶はない。全く無視、である。オレもずいぶん偉くなったものだ。というか、フェスティバルで一番出演料の高いバンドをあえて観ないわけだから、「ずいぶん金持ちになったもんだ」というほうが正しいか。

たしかにここのところ彼等の新作を全く買っていないわけだが、過去の実績はリスペクトしているのだし、せっかくフェスティバルの会場にいるのだったら横目で見てあげる位はしてもよさそうなものではある。やはり会場でかすぎ、人多すぎで、バンドのメンバーが豆粒ほどにも見えないのが「ライブ道」を求道する自分にとっては耐えられないのだと思う。それと、夜も更けるとたいがい寒いしね。前の方に行く気力も、正直ない。

今朝出勤前、自宅でTVを見ていたら、Radiohead が昨晩ロンドンにおいて「極小」のスペースでライブをおこなった、というニュースをやっていた。そして寒風のなか、入場を目指して群がる人々へのインタビューだ。「Radiohead をこんな小さなスペースで、間近に観られるなんてっ!」と人々は興奮しながら叫ぶのである。たしかに、コレは魅力的かもしれない。時々スタジアム級のバンドが小さめのベニューで演奏したりするが、今回は破格だ。ライブハウスですらない、レコード(CD)ショップの店舗内での演奏なのである。

だがしかし、と思う。そんな「ゴールデン・チケット」は、心底 Radiohead に惚れ込んでいて、彼らのことが人生を生きるうえで支えにすらなっているような、そういう人が持つべきだと考えたりもする。このように小さなスペースで演奏するのなら、自分としても見てみたいという気もするのだが、そういった「見てもいいよ」的な人は、ホントは見てはいけないような気がするのである。

これはあまり倫理・道徳的な話ではなくて、涙を流さんばかりに本当に「見たい人」の怨念に耐えられない感じがするからである。今回の映像を見る限り、回りの様子も含めて和気あいあいといった感じだったが、実際には会場内に「入れる人間」と「入れない」人間との間にはカベが存在し、ものすごい「怨念」となってうずまいているに違いないことは想像できた。

以前勤めていた会社が 地下鉄 Tottenham Court Road 駅に程近く、したがって有名なAstoria というライブ用会場もご近所であった。観客のキャパシティは1,500 人とか2,000 人とかそんなものだろう。決して「小さな会場」とはいえないが、過去3~4年間の間にここで The Rolling Stones とか U2 がコンサートをおこなったことがある。もちろん自分は観にいっていないのだが、それらチケットの入手が相当に困難であったことは想像に難くない。ご近所なので、会社から外出の折に会場近辺の様子が垣間見える。U2 のときなどは、お約束どおり「I want a ticket」と首からプラカードを提げている子供がいたが、相場は1,000 ポンド(20万円超)以上、「オマエ、ほんまに買えるんかい」と突っ込みたくなったものだ。

The Rolling Stones のときはもっとスゴイ。開場は当然夕方であるにもかかわらず、日中からあたりは愚連隊の成れの果てのようなオヤジ達が用もないのに大量につるんで歩いている。昼飯を食いに出るのも怖かったぞ!当然そいつらは入場券を持っている連中ではない。近くにいれば何かのチャンスで入場できる、というものでもないだろう。目的はないのだろうが、モノスゴク目的をもっていそうでこわいのである。民間人が「ゴールデンチケット」を手元に握り締めて入場しようと近づこうものなら、生きて会場にはいるのはほとんど不可能ではないかと思わせる迫力が街中にみなぎっている。

あきらかに人生をドロップアウトしているであろうそれらの中年~初老の「愚連隊くずれ」たちは、チケットを持って入場しようとする者に背中で語りかける。「オマエは本当に The Rolling Stones に命をかけて生きてきたんだな」と。オレはというと、「命かけてませんので、今回は遠慮させていただきます」と応えて、チケットを差し出すに違いない。万一チケット持っていたとしても。

そんなわけで、会場の大きさににかかわらず、結局は Radiohead を今後もう観にいくことはないような気がするのである。

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Radiohead が演奏した場所は昨年 Shoreditch (ショーディッチ)にオープンした Rough Trade (ラフ・トレード)レコードの新店舗 Rough Trade East だ。店内はこんな感じ。むかしここの場所は、Rough Trade になる以前は洋服の怪しいバーゲンが頻繁におこなわれるイベント場所だった。1000 ポンドという値札のついたスーツを 100 ポンドで買ったことがある。本物だろうか。

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店内での演奏風景を探していたら Flickr で Cajun Dance Party をみつけた。ま、こんな感じらしいです。

2008年1月15日 (火)

Bat For Lashes その2

< 2008. 01. 29 @ Fleche D'or, Paris - Canceled >

恒例のBRIT AWARD (2008) のノミネートが発表された。ブリティッシュ・ライブ・アクトは Arctic Monkeys、 Kaiser Chiefs、 Klaxsons などが選ばれておるのだが、自分が過去一年間に観たバンドは含まれていなかったので、わが「ライブ道」がここでえらそうに能書きをたれる余地はない。本選では、本当にすばらしかったライブバンドを選んでほしいものだと思う。

一方で、新人ながら去年のマーキュリーにもノミネートされ、今回のBRIT AWARD では2部門(ブリティッシュ女性ソロ、ブリティッシュ・ブレークスルー・アクト)にも名前があがった Bat For Lashes 。今年も活躍が期待される注目株だろう。

2007年のグラストンベリーで垣間見ただけなので、彼等の単独公演を観たいと思っていた。そんな折、いまや自分自身にとってホームグラウンド化した Fleche D'or でのスケジュールを発見したので楽しみにしていたのである。入場無料というのも魅力だが、何と言っても小さなハコなのでアーチストまでの距離がとても近い。お目当てのバンドをじっくり鑑賞できるのだ。Bat For Lashes を間近に見る最後のチャンスかもしれない、と考えていた。

ところで、昨日の BRIT AWARD の発表を聞いてなんとなくいやな予感がした。よく利用するライブ情報サイトで確認してみたのであるが、今月29日に予定されていた Fleche D'or でのライブ予定は「キャンセル」になっておりました。

・・・・・・・まあ、そんなもんでしょうな。「タダ」イベントだし。以上、「残念でした」という愚痴です。

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Fleche D'or のホームページより拾ってきた写真。こんな感じの場所です。昔、パリの市内を蒸気機関車の『環状線』が運行していたらしく、それはとうの昔に廃止されてしまったのだが、廃屋だった『駅』のひとつを改装したスペースらしい。

バンドが終わるたびにステージ上には赤い幕が引かれて、次のバンドがセッティングに入る。なかなかのおフランスではある。今週土曜日には Mystery Jets がここで「無料」公演をおこなう予定だ。Bat For Lashes のように、ブッキングをキャンセルできるまでにのし上がることを目標としてがんばってほしいものだ。

Bat For Lashes その1

2008年1月14日 (月)

Air Traffic

< 2007. 04. 20 @ Camden Tup, Camden Crawl '07 >

新人バンドの立ち上がり時期。その後の成否を決めるのは MySpece 上でのもりあがり次第、という時代になってからはや久しい。代表例のひとつは Hadouken だろうが、バンド自身が「成功の秘訣」は「とにかくフレンドリクエストを送り続けること。」と明言していた。「あるところまでくると、勝手に増えてきた。」とも。

従って、 MySpace を「音楽」中心にやっている人はよくお分かりのように、我々「音楽」好きの手元には、毎日のようにいろいろなバンドからフレンドリクエストがやってくる。自分のパターンとしては、「自分で見つけたお気に入りのバンドには、自分からフレンドリクエストを出す。」「ジャンルかまわずやってくる『バンド側』からのフレンドリクエストに対しては、敬意を表して、よっぽどのことがない限りアクセプトする。」というポリシーだが、みなさんも、大体そんなところだろうと、想像します。

まったく無名のバンドだったりすると、こちらがライブを観にいったりしてコメントを残した場合、「ちょっとばかり」親密なコミュニケーションがとれることがあるので、何となくタニマチ気分が味わえていいものである。一方で、すでにメジャーからリリースされていたり、プロファイル・ビューが数万もあるのに、こちら側にフレンドリクエストを送ってくるのみならず、返信に対して必ずコメントをくれるバンドも、ときどきある。ちょっぴり驚く、のと同時に、悪い気はしない。がんばってるなあ、と思うし、がんばってほしいなあ、とも思うのである。

Air Traffic が正にそんなバンドであった。www.myspace.com/airtraffic  www.air-traffic.co.uk

ライブツアーも忙しいだろうさなかに、フレンド・リクエストを送り続け、そして返信には気の利いたコメントも送り返してくれる。こちら側としては、ちょっとばかり優しい気持ちになる。もちろん、こういった活動は、 MySpace の効用を十分に頭に入れたマーケティング活動で、戦略的にやっているのだろうし、MySpace の管理自体が、フレンドリクエストのみならず「バンドからのコメント返信」さえもレコード会社側で実はおこなっていた、ということも十分にあるだろう。

だが、それはそれでいいのである。世の中には MySpace で「友達」を増やしたいと積極的に活用しながら、そして我々に「フレンド・リクエスト」を送りつけながら、その後のこちらからのコンタクトには一切音信がなくなる、という不届きな連中が多いものなのである。中には「フレンド」を作りたくておこなっているであろう MySpace 活動で、我々を「敵」に変えてしまうケースだってあるのだ。そんなことのわからないバンドのほうが、意外と数が多いのである。

チケットを購入しながら Camden Barfly でのヘッドライン・アクトを見逃してしまった Air Traffic 。直後の Camden Crawl では、お目当てバンドのひとつであった。会場は超満員、ライブ自体もものすごく盛り上がったのであるが、ほぼ最前列でカラダをもみくちゃにされながら思った。「こりゃ、オレの好きな音じゃあない・・・。」

よく考えたらシングル一曲くらいしか知らなかったのであるが、ライブを通して全体像がつかめると、ちょっと「正統派」すぎて物足りないバンドでした。個人的にはあんまり点数高くないです。

ただまあ、普通なら「なんだよー。失敗したなあー。」という気分になってしまうのではあるが、Air Traffic に対してはちょっとばかり優しい気持ちになっているので、そんなにネガティブな印象は残っていない。そんなに応援もできないけどがんばっていってくれや、といった感じでしょうか。

友達作りで敵を作らないように、という寓話でした。

2008年1月 9日 (水)

Jack Penate

< 2007. 06. 25 @ Glastonbury Festival '07, John Peel Stage >

ライブ道を極めるための重要なポリシーのひとつが『若作り』であることは、以前にも触れたと思う。一般のオーディエンスの平均年齢から比べてその2~3倍トシをかっくらっているために、「ヘンなオヤジが来た!」と思われないための変装というか努力である。ただまあ、「若作り」する方がよっぽど「ヘンなオヤジ」に見えてしまうリスクが高いような気も時々するのだが。

いずれにせよ、「若作り」に欠かせないのは「ヘアスタイル」と「ファッション」である。何も目立つことが目的ではなくて、あくまで周りになじむことが最終目標だ。したがって、普段ライブハウスに通いながら、そこに来ている小僧どもの格好を真似ることが一番手っ取り早い。そしてその小僧どもは、お目当てのバンドのメンバーと同じような格好をしているのが常だから、いわゆる「普段着感覚」でステージに上ってくるミュージシャンの格好が、俺の目指す「若作り」のスタイルに結果的になってくるワケだ。

そういうわけで、イマドキのミュージシャンスタイルをちょっと真似していると、観客席でも周りになじんだ「若作り」の出来上がりになるのだが、なんのことはない、ただの小汚いかっこう、というだけである。ローウエスト・ジーンズやぴったりしたシャツ類が、多少中年体型の自分には苦しいところもないではないが、まあ、我慢できる範囲のものである。

一応は毎年流行も取り入れたりするのであるが、真剣に考え出すと自分のセンスではついていけなくなるものが多い昨今、何も考えずに「マネ」することこそが極意だと信じている。去年の蛍光カラーとか、まじめに自分の年齢と人生を振り返ったら着れませんです。とはいいつつも、馬子にも衣装で、他人はどう思うか知らないが、自分としては思い切って一度袖を通せば、「おっ、なかなかいいんでないの?」と一人悦に入ることの繰り返しだ。結果的に、「コレは着れないよなあ」ということはあまりない。(注:ゴスとか、そういうイロモノは最初から着ません。少しだけ安心してください。)

さて、Jack Penate であるが、自分としてはこの人の存在意義自体が良くわからんのだが、やはりいつの時代もみんなこういう調子の音は大好きなんだ、ということで片付けてよいだろうと思ってはいる。www.myspace.com/jackpenate  http://jackpenate.com/去年の春には話題になっていたので、'07 Glastonbury Festival でそのステージまで足を運んだのであるが、面白いとか面白くないとか考える前に、感動なくフツーにステージは終了した。来る前から判っていた結果であるが。

このJack Penate 氏が実は気になってしまうのは、何と言ってもそのファッションである。最近は雑誌に、TVに、と出まくりなのであるが、基本のスタイルはいつも同じ。チェックシャツを第一ボタンまでとめ、その上に細い金属ネックレス、足元はスリムパンツに「もったり」したカラフルなスニーカー、そして本人の体型は全身「むちむち」である。

むかし、シャツのボタンを上までしめていた時期がオレにもあったが、当時はやせた体にそういうスタイル、ということで価値があったように思う。なんというか、最近の新しいスタイルだとは思うのだが、無理やり「カッコ悪い」ものをこしらえようとしているとしか思えないぞ。自分自身はむっちりしているわけでもないのだが、この Jack Penate スタイルだけは、マネをしようという勇気がさすがに湧き上がってこないのである。

自分のセンスに正直になって、この「Jack Penate」スタイルにはチャレンジしない方がいいのか。それとも、やはり年齢を重ねすぎて「若作り」の極意<何も考えない>を自らの手で葬り去ってしまうのか。そして一度「逃げた」ら、もう「若作り」の世界には返って来れないのか!

ライブ道。悩む日々は続くのである。

Jp

彼の MySpace より。

髪形に至ってはオレの中学時代の同級生の田中君にしか見えない。北海道の田舎の中学だ。これらをポジティブに評価できなくなってしまったことで、オレはホントにじじいの仲間いりをしてしまうのだろうか?

2008年1月 8日 (火)

Bombay Bicycle Club

< 2007. 08. 24 @ Reading Festival '07, Carling Stage >

Reading Festival は、ずいぶんと昔から通っているのだが、2005年までは毎度毎度、会場の西側にある一般道に駐車していた。イベント指定のパーキングではないのだが、会場まで歩いて近かったためだ。Reading をはじめとして各地のフェスティバルに出没するのを趣味にしているわけだが、年齢・体力・気力的に見てテントでの生活は耐えられないと決め込んでいる。したがって、必ずイベント近くのホテルやB&Bを押さえるわけだ。若い皆さんには申し訳ないですが。だから、3日通しのイベントであれば、駐車場から会場まで3回往復しなければならない。しかも夜間の寒さに備えた衣類や雨天時の「簡易椅子」、そしておやつ袋などすべて運んでだ。これはこれでかなり体力を消耗してしまうのだが、どうしてもやわらかいベッドの方を選んでしまうのは、ヤワな中年としてはやむを得ないギリギリの選択である。

初めて Reading Festival の会場をクルマで訪れたとき、道路わきに掲げられたロードサインを頼りに指定駐車場まで向かってみたわけだが、コレがいかんせん会場からめちゃくちゃ遠い。テントに泊まって一回往復ならともかく、3日間連続は絶対イヤだ!とまあ、そうおもって「一般道駐車」をめざして走りながら適当なスペースを探し回ったわけである。イギリスでの「駐車スペース」探しには自身があるので、程なくして最初に書いたとおり、会場のすぐ裏手の西側にある一般道に、自分と同じような考えで駐車をしている車の一群を発見。すばやくそこの空きスペースに車を止め、以来そこがレディングにおける「マイ・パーキング」となっていたのである。

しかし平和な日々はいつまでも続かない。いつしかそこは「シングル・イエロー(平日の日中は駐車できない地帯)」になり、レディングの初日(金曜日)は利用できなくなってしまった。駐禁覚悟でクルマを置いたが、気になってしょうがない。深夜車に戻って万一「車輪止め」でも食らっていた日には、一巻の終わりである。そのときは何とか事なきを得たが、2006年になって状況は一層厳しくなっていた。駐禁取り締まり員がべたりと張り付いており、どうにもこうにもならないのだ。金曜日の朝、駐車スペース探しに2時間ほど無駄にしながら、最終的には泣く泣く「指定駐車場」に向かったのである。

オフィシャル・パーキングから会場入り口まで目算で徒歩30分。もう少し近いかもしれないが、コレを3往復するのは見るからに体の弱そうな中年日本人には辛い。ところが、車を降りて、意を決して歩き始めたとたん目に入ってきたのは、フェスティバル用にチャーターされた『渡し舟』サービスであった。列に待つこと10分。程なくやって来た大型ボートに飛び乗ると、その船は白鳥たちが泳ぎ渡るテムズの清流をすいすいと上っていくのである。乗船してから会場到着まで10分弱のシャトル・サービス。なんだなんだ、こういうことだったのか。単に下調べが悪かったがけの話なのだが、こんなことであれば、へんな違法駐車を繰り返す必要もなかったわけである。

ある種喧騒のさなかであるフェスティバル会場と、究極のコントラストをなす「テムズのかわくだり。」一日の初めに清らかな空気を吸って気合を入れるもよし。一日の終わりに静寂の河畔に身を寄せて一日を振り返るもよし。すっかりこの『渡し舟』のファンになったのであった。

しかし、今年の Reading Festival の初日、早速コイツに裏切られた。イギリス式タイムテーブル、と呼べばいいのか。駐車場の船着場に着いたが、たった今船が出たばかりだ。残念だが次の船を待つしかない。アナウンスされている船の台数を考えると、理論的には20分待ちだ。「ふね来ないね~」などと、連れと話し込んでいたが、気がついたら1時間たっても船の気配がない。もしかすると、コレは遅刻である。長蛇の列が全員川上を眺めるようになったころ、ようやくやって来た船の姿を見ると、2隻連なっている。なんなんだ、と。

Cajuan Dance Party とともに去年を代表するアンダーエイジ・バンドの Bombay Bicycle Clubwww.myspace.com/bombaybicycleclub www.bombaybicycleclubmusic.com

彼らが昨年のトップバッターであった。しかも新人バンド・テントの扱いである Carling Stage はスタートが早い。リストバンド・チェンジ、入場と一通り済ませて入ったときにはもう演奏も終わりかけであった。しかも無限にいるコドモ達ファンのおかげで満員御礼、中が全く見えない。初日の最初のバンドで「満員」というのは、おそらく初めてではないだろうか。感心はするものの、外にちょろちょろ聞えてくる音だけが頼りで、残念至極の結果に終わったのであった。ライブ評は書きづらいが、独特の声だし、まあまあ面白いと思うよ。

今回の教訓:船が来ないと見切りをつけたら、歩き始めよう(若者は)。

Bbc

彼等の MySpace より。彼らに MySpace でフレンド・リクエストを出すと、もれなく彼等の仲間のバンド(すべてアンダーエイジ)がフレンド・リクエストしてきます。このバンドの「弟」がやっているバンドという触れ込みの連中などです。組織的に活動している感じです。

2008年1月 7日 (月)

Pete and the Pirates その5

< 2008. 01. 04 @ Showcase, Paris >

さて、今年のライブ道一本目は、お気に入りの Pete and the Pirates である。去年の4月に Camden Crawl '07 で初めて姿を見てからもう7回目となるのだが、だいぶステージ慣れしてきた感じもあって頼もしい。もうすぐアルバムも発売されることだし、まさに正念場に入ってきた、と言えるだろう。引き続き何の力もない応援団長としてサポートしていきたい。

この日のサポートバンドはよく得体の知れないフランスのバンドであったが、正直まったくア然とするような内容のものであった。そいつらを、同じくア然としながら客席側より見ていたリトル・ピート以下メンバーの顔が忘れられない。

フランス人にはほぼインディ・ロックは無理ではないかと思わせるに十分な出来事であったが、そんな困難なことにも立ち向かい、皆さんにご紹介できるおフランスのバンドを探そうというのも、今年の抱負である。

Pete_showcase_003

当日の会場 Showcase では、このような最新テクノロジーが披露されていた。レンガのカベにバンドのロゴがまぶしく反映されているのである。その下のライブ映像は、スクリーンが「レンガ」なので、もちろん良く見えない。だがまあ、なんとなくカッコイイ。入り口から会場に入ってきた Pete たちは、コレを見て一瞬ひるんでいた。おそらくこんなスペクタクルナイトなクラブで演奏したことはかつないであろう。

Pete and the Pirates  その1

Pete and the Pirates その2

Pete and the Pirates その3

Pete and the Pirates その4

Pete and the Pirates  その6

2008年1月 5日 (土)

ライブ道 2008

2008年も明けて1月4日になった。今日から今年の『ライブ道』始動である。今夜はいままで足を踏み入れたことのない「おしゃれなクラブ」(書いててすでに恥ずかしい)でのイベントだ。緊張することこの上ない。自分のヒイキのバンドを応援するためだ。無理に無理をかさねておしゃれに取り繕って出かけるのも、ライブ道に課せられた試練なのである。

今夜のレポートは後日に譲るが、今年のフェスティバルも準備は完了だ。4月18-19日の Camden Crawl 、5月15-17日の Great Escape、そして8月22-24日の Reading Festival はすでにチケットを予約した。あとは、6月の Glastonbury Festival チケット購入戦争に勝ち抜くだけだ。今年も自らの体を張った決死の体験談(ウソです)を披露していくので、フェスティバル、そしてライブハウスでサバイバルしていくための一助となれば幸いです。

一方で、昨年観た中でも紹介していないバンドがまだまだある。紹介するに至らない、無名の新人が多かったりするわけだが、今年彼等の中から話題になってくる者があれば、そのときは堂々と、そしてちょっとだけ自慢げに、そいつらのエピソードを紹介していきたいと考えている。そういう「伸びてくる」バンドがいくつも現れてくることを、楽しみにしているのである。

今年もときどき立ち寄ってみてください。

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