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2008年4月 1日 (火)

The Dodoz

< 2008. 03. 29 @ Fleche d'Or, Paris >

フランス人が風呂にあまり入らないという俗説があるが、本当のことだと思う。

日本人の「無臭」「風呂好き」という属性と異なり、香りがきつい上に風呂にも入らないという連中がこの国に多いことは、自分の短い在仏経験からも自信を持って言える。長年住んでいるイギリスにおいても、躊躇のない体臭を発散する連中に遭遇したことは数多いが、フランス人の場合、これに加えて風呂に入らない汗臭さの蓄積という、これまた格別なものを提供してくれる人たちが後を絶たない。

フランスではこの壮絶な「香り」の二乗をはからずも経験してしまうことがあるが、極めつけはタクシーだ。乗り込んだ瞬間に、あまりの匂いに呼吸が不可能であることに気づき、このまま目的地まで無呼吸で通すか、ここですぐに嘔吐すべきか、しばらく悶絶したことがある。脳細胞が瞬時に死んでしまったために、クルマの窓を開けるということさえ思いつかなかったのである。さすがにこんなスゴイことはロンドンではなかった。

人間本来が持つ体臭とは異なり、「汗臭い」ほうは風呂に入って洗濯すれば本来かなりの解決を見るはずなのだが、この国の連中はゴーイング・マイウェイのみならず、他人の体臭が全く気にならないときている。かくて人々は風呂にも入らなくなり、匂いに打たれ弱いわれわれ日本人を容赦なく攻め立てるのであった。

オレはこの歳になってもけなげに「ライブ道」を究めようと日夜頑張っているわけだが、その志がくじけそうになるのはこの「フランス体臭」に襲われる瞬間だ。ライブハウスが満員になって、逃げ出す隙間のなくなったときに限ってこの「汗臭い」連中が自分の前後左右を取り囲んでしまうのが世の常というものである。一瞬の隙を突いて横に逃げおおせても、そこには更に悪質なニオイ罠が仕掛けられているのである。フランスのライブハウスというのはそんなところなのである。

NME誌のウェブページ「Vote For Us At NME Breaking Bands」にも登場中のフランス期待の新人バンド The Dodoz のステージを見たのだが www.myspace.com/thedodoz、オレの横でステージを見ていた若者(汗臭系:ハンサム)に対する『なぜコイツは風呂に入らず、洗濯もしないのだろう?』という疑問と、そいつの横にいる彼女に対する『なぜこのマドモアゼルは、この汗臭系と抱き合いながらニオイが気にならないのだろう?』という二つの大命題が頭の中をぐるぐるとうずまき、せっかくのステージの印象が少ししか残っていない。オレはニオイ系の無軌道な若者に、自分の横で大騒ぎされてしまうと、すぐにしょんぼりしてしまう弱虫なのである。

The Dodoz でかろうじて覚えているのは、どの曲もなかなか期待させるイントロで始まるものの、女性ボーカルがはいると後はすべて同じ曲に聴こえてしまうことか。たぶん、悪くはないのだがもう一歩なのだと思う。がんばってくれ。メンバーみんな、かわいらしいしね。ステージ通してみると、けっこう「本格派」の音づくりだということがわかる。

彼らには、ひ弱な日本人が周りのニオイも気にならなくなるほどのパフォーマンスを見せられるようになってくれ、とハッパをかけたいが、それは酷というものだ。鍛えなおさねばならないのは自分のほうだとはわかっているのだが、では果してどう鍛えればよい(汗臭いニオイに強くなる)のか?あるいは、鍛える価値があるのか? 険しい「ライブ道」(香り篇)はつづく。

Fleche_dor_20080329_003

@ Fleche d'Or

だが、イギリスのこの手のバンドに比べると「音」作りが古く感じてしまうのは、彼らを含めてフランスのバンドの特徴のような気がする。

それがフランス・バンドの「個性」だとすると、ちょっとさびしい。

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