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2008年6月18日 (水)

Fanfarlo

< 2008. 04. 19 @ The Bullet Bar, London (Camden Crawl '08) >

さて今回は「場所取り」のはなしである。

だいたい同じライブハウスに何回も通っていると、「ここの場所がいちばん好き!」というマイポジションが決まってくるものだ。もちろん「バンドの見易さ」というのが最重要テーマではあるのだが、背もたれやドリンク置き場のあるなしなど、ビミョーな要素もからんでくる。

ステージと観客フロアの高低差があまり無いところは、どこにいてもたいへん観づらいことに変わりない。当然前のヤツの頭がじゃまで、ステージがほとんど見えない。こういうとき、平均して上背の高くない日本人女性客は、その「小ささ」をうまく利用して、するするするっといちばん前に出て行く作戦を取る人が多いようだ。あれよあれよという間のできごとである。

日本ではそんなこともないと思うのだが、イギリスでライブハウスに通っていると、せっかっくステージ前から数列目で陣取っていても、自分の目の前のわずかなスキマにあとからどんどん人が割り込んで入ってくる。そういうヤツに限ってアフロ感のある髪型だったりして、前が1ミリも見えなくなるものだ。されたほうはいい気持ちはしないだろうが(オレは怒る。心の中で。)、あまり遠慮を感じる人間はいないようだ。だから明らかに己(おのれ)の目線より下のほうに頭がくっついている日本人女性があとからいちばん前に入ってきても、誰も気にする者はいない。彼女達もそれを知っているから、躊躇無く行動できるにちがいないのである。残念ながらオレは中肉中背のおっさんだし、肝っ玉もおそろしく小さいので、「するするする」というわけにはいかない。なんとしてでも「マイポジション」を発見し、キープしなければいけないのであった。

一番やっかいなのは初めて行くライブハウスである。

勝手がわからないので右往左往しているうちに、気がついたら見えるのはベーシストの頭頂部だけだった、ということになりかねない。そんなんとき、最後の手段は左右のソデに回り込むことだ。そこからだとバンドは真横からしか見れないが、前をじゃまするものはいないので、ある種即席のマイポジションとして機能するのである。ライブハウスのスタッフから「そこに入るな!」と怒られても、出るふりをしながら3秒後にはそこに戻る程度の「ふとどき」はこの国では許されるのだと、勝手に理解している。

さて、スウェーデン人がフロントマンを勤める Fanfarlo。見たいと思い続けて一年余り、何度もチャンスを逸していたが、ようやく今年の Camden Crawl '08 でそのライブステージを体験できる機会がやってきた。www.myspace.com/fanfarlo 今年のこのイベントではいちばん楽しみにしていたもののひとつである。

会場の The Bullet Bar に足を運ぶのは、その日が初めてだった。基本的にカムデンの地下鉄駅周辺に南北に位置している会場が多いこのイベントで、唯一ぽつんと離れてケンティッシュ・タウンの方にある。地の利が悪いが Fanfarlo を観るために、寒風の中がんばっててくてくと歩いた。ライブハウスの中に入って気がついたのだが、ここは意外と狭くない。一応ステージはせり上がってもいる。そしてどうもあまり観客の数も多くない。さらにステージソデもあるように見える。これはたいして頭をつかうこともなさそうだ。そう思ってオレは慢心してしまった。

演奏開始の5分ほど前、バーエリアからステージに向かって移動したときオレに残されているまともなポジションは無くなっていたのである。前が見えない。ステージのソデに移動しようにも、そこへの道はすでに別な観客らによってブロックされていたのである。大失策であった。

マイポジションを持たないこの初めてのライブハウス。下手に動けば事態は更に悪化するのが相場と言うものである。今はかろうじて見えるベーシストの姿さえ視界から消え去ってしまうリスクを犯すには、自らの期待が高すぎた。冒険を犯さず、自らの不明を恥じ、そして楽しみにしていたバンドの姿をほとんど拝めなかった悔いを心に抱きながら、静かに会場を後にしたのは彼らの演奏終了前だった。

教訓1:お目当てバンドの前には体力を温存し、できるだけマイポジション発見に時間を割く。

教訓2:最悪の場合「するするする」と前方に行くことのできる、精神力の鍛錬・強化の必要性。

Fanfarlo

Fanfarlo @ The Bullet Bar 19/04/2008

自分では写真を撮れる状態ではなかったので、Flickr から当日の現場写真を探したら、コレ1枚だけ出てきた。ちなみに、自分の視界に入ってこなかったメンバー達である。同じ場所、同じ時間を共有したのに初めて見る光景。不思議な気持ちがする。

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