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2008年8月 7日 (木)

The Seal Cub Clubbing Club

< 2008. 05. 16 @ The Water Margin, Brighton, The Great Escape '08 >

先日出張で東京の本社に戻ったときだ。

日本の同じ会社に所属しながらも、英国でオレとは別な会社に出向駐在しているF氏とひさしぶりに会議室で隣り合わせになった。F氏とは年齢もそんなには違わない、おっさん同士だ。彼はオレの姿を見ながらこう言った。「Funga77さんは、スマートでいいですねえ。この背広のズボン、タックなしでしょ?今イギリスでスーツ買うと全部タック無しになってません?俺、腹でてだめなんですよ。タックが2本くらいバーンとはいってないと。だから久しぶりの日本なんで、明日高島屋あたりでイージーオーダーで作ろうと思ってんですよ。タック入り。」

たしかにパンツにタックが入りまくってだぶだぶのスーツがスタンダードだった15年ほど前、オレもF氏同様そういったスーツを日ごろ着用していた。だが昨今、シャツもスーツも確かにスリムがベーシックのポジションを取ってしまったため、だぶだぶの服は見た目も明らかに時代遅れだ。F氏の会社はロンドン繁華街のど真ん中に位置するが、近くの百貨店に行っても時代遅れの洋服を買うのはむずかしかろう。

かく言うオレ自身も、「ライブ道」をつきつめる為に、日ごろから努力して「若作り」をしているのであって、実際の体型は、「やせているのに腹が出ている」あからさまな中年体型だ。スリムスーツは実際多少の無理がある。だが、無理をしてでもこれを着るところにのみ「若作り」の極意と心意気があるのであって、この苦しい努力を止めるわけにはいかないのである。F氏に対しては、「そおかあ~。オレもやっぱりタック入りの楽チンズボン買おうかなあ~。こっちで。」と、適当に話をあわせた。

ところで、そうは言ってもスーツの場合はまだ良い。そもそもピチピチのビジネススーツなど存在しないし、そんなものがあっても仕事にならないからだ。問題は、本当の若作りをしなければいけない、「ライブ会場」プラス、「フェスティバル会場」でのファッションである。ここ数年、極端なスリムジーンズがスタンダード化したこともあり、オレも2年前に一本 Top Shop (Topman) で買ってみた。足は人より細いので、なんとか入る。だが腹はものすごくキツイぞ。自分のウエストサイズでインチを選んで買ったのだが、立ったままの試着室では何とかなるものの、座ったり、立ったりも苦しい。メシ食ったらオワルぞ、これは。

そんなわけで、このスリム・ジーンズ。過去2年間の出動回数はたったの数回なのだが、コレを捨てられない、あるいは「今回は履いてみよう」と頻繁に試みてしまうのは、ライブを観にいけばバンドの連中はみなスリムをはいており、そして観客の小僧達も皆スリムパンツだからだ。彼らの年齢の3倍歳を食っているオレが対抗意識を燃やすこと自体、そもそも間違ってはいる。だが、若作りが続けられなくなったらそれは「ライブ道」を続けられなくなったことだと考えているので(ちょっとウソです)、オレは挑戦し続ける。・・・まあ、あほですな。

ところで、今年に入ってすこし風向きが変わってきたような気がする。世の中スリム一辺倒でもなくなってきたように思われるのだ。最近の新人バンドを観ても、スリムをはく「ふんぎり」がついにつかなかったというよりは、スリムをはかないことを信条にしているようなバンドに出会うようになってきたからである。

今年のグレートエスケープ ('08)。 Artrocker マガジンがホストする会場で、オフィシャルのプログラムには載っていないが、協賛のイベントとして昼過ぎから夕方まで毎日面白い連中がステージを勤めていた。そのうちのひとつがコイツら The Seal Cub Clubbing Club である。www.myspace.com/thesealcubclubbingclub

彼らの音、そしてライブをなんと表現したらよいか。ひとことで端的に言うと、「スリムパンツをはかないサウンド」、である。近頃では、フォークシンガーやらハードロックバンドでも新人は皆ステージではスリムパンツをはいている。みんな、迷いがあるのかもしれない。だがこのバンドの連中には迷いが感じられなかった。俺たちは履かないよ、スリムは。そう語りかけてくるようなパフォーマンスなのであった。

彼らのような音が時代の中心に少しでも近づいてくると、世の中スリムパンツの呪縛からすこし離れて、ちょっとだけ暮らしやすい、若作りしやすい社会になってくるのではないか。そんな気がしてちょっと応援してあげたいバンドだな、と思ったのだった。

Sccc

@ The Water Margin ( Photo : from Flickr )

この日のこのバンドの写真はうまく撮れなかったので、だめもとで Flickr で探したら、なんとあった。ホント、なんでも貼り付けてあるんですね。確かこのとき真剣に写真撮影していた人はひとりかふたりしかいなかったような気が・・・。残念ながら、このカメラマンは、かんじんなこのバンドの下半身には注意がいかなかったようである。

ところで蛇足ながら「スリムパンツ」シンドロームはあくまで英国の話であって、フランスでは違います。ムッシューたちは、世間の流行りすたりに流されず、というか皆オレ様なので、もっと勝手気ままな格好で演奏し、鑑賞をしております。

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