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2008年10月 1日 (水)

Black Kids

< 2008. 06. 28 @ Glastonbury Festival '08, The Other Stage >

このブログを始めて丸一年が過ぎた。

始めるに際して「こういうブログにしていきたいなあ」などと、なんとなく考えていたことについては、まあ7~8割は実現できている、というか初志貫徹を続けているのではないか、と考えていた。実際のところ、こういったいわゆる「楽屋話」的なことも、できればほとんど載せないようにしたい、というのが当初からの目標である。しかし、今回に限っては内輪の話を許してもらいたい。

実は、ありがちな話だが先週パソコンがお亡くなりになってしまった。天寿を全うしたかどうかは評価の分かれるところだが、いずれにしろ急逝され、天に召されたのである。ところがあまりに急なことだったので、彼は遺言をまったく残さなかった、というか、ITに弱いオレが、データのバックアップをほとんどとっていなかったのである。ということで結論を言いますと、この「ライブ道」用の元ネタ・資料一切消滅してしまったのである。で、今日ようやく代わりのパソコンが手に入ったのでひさびさのエントリーをアップしようとしているところなのであった。

まあ、ライブ会場で記念の写真を撮りだしはじめたのは1年前ほどからなので、写真データがなくなったと言っても、もともと「古ネタ」のときは、自前の写真は存在しない。今はFlickr もあるし、幸運なことに若干の保存写真もある。そして、なにが面白かったか・なかったか、というのはオレの頭の中にある話なので、認知症の始まるまであと20年くらいはなんとかなるはずだ(と思いたい)。

一番イタイのは、このブログをはじめるに当たって一週間集中でこしらえた、過去のライブ履歴である。何年の何月何日に何処で観たか。実は記録が整理されていないと、ここを調べるのがブログ記述の中で一番時間がかかってしまう作業なのだ。家のあちらこちらに散乱していたライブチケットのもぎり半券をかきあつめ、それが見当たらない場合や、無料イベントの場合にはネットで調査。5年以上古いものだと、意外とウェブでも引っかからないことが多かったりする。記憶だけでは観た年ですらあやふやなものだ。そんな、苦心の大作業である「履歴」も、今回きれいにすっ飛んでしまったのであった。

というわけで、やや「ライブ道」の危機なのであるが、一服して気をとりなおしてがんばりたい。

だがオレは因果応報を信ずるので、今回パソコンが絶命したのには訳があるとにらんでいる。あまりに無慈悲にオレに罵倒されたバンドの呪いがかかってしまった、というのは安易な見方だ。やはりオレ自身が初心を忘れて最初にやりたかったことと違う方向に走っていたのではないか?というのが自分なりの見立てである。

おれ自身が最初に立てた方針。これを思い返してみよう。

●バンドの評論・うんちくは極力避けて、見た目一発のライブレポート。

そうだ、これであった。というわけで、本日は今年のグラストンベリーで姿を観た話題のフロリダ出身バンド Black Kids について語ってみたい。www.myspace.com/blackkidsrock http://blackkidsmusic.com/ なんといっても、今のUKシーンを救うのはアメリカのニューカマーたちであり、その中心を担うのがこの Black Kids であるというのが NME の論調なので、これは大変なヒトタチらしいのである。

やはり一度は姿を拝んでおくべきだろうとグラストンベリーで垣間見たのであるが、結果としては、なんとなく来年いなくなってしまっても誰も困らないバンド、というのが正直な印象である。何かのときにも書いたが、「黒いヒトなのに歌が下手」という、現代のトレンドをしっかりと抑えているにはいるが、逆に言うとそれだけであった。のちに買ったアルバムを通して聴くと、なかなかキャッチーで悪くないところもあるにはある。だが、この黒いお兄さんが歌うとやや気持ち悪く感じてしまう「オレってさびしいやつさ」的な歌詞内容も、ライブで本人を目の当たりにしてしまうと正直ちょっとばかりキツイ。そんなことで、数曲で席を立ってしまったのであった。

ところが。このバンドの真価を目の当たりにしたのは2ヵ月後のレディング・フェスティバルだった。

結局このバンドのステージはレディングでは観なかったのだが、彼らが登場予定の Festival Repblic ステージのやや外側でまったりとしていたときだった。会場付近をうろちょろするメンバー数人と、それを目ざとく(というより、見間違えようもなく)発見したファンが一緒に写真を撮っている。そんなほほえましい光景が、オレのほぼ真横で繰り広げられていた。フェスティバル会場の雑踏の中で一発で本人だとわかってしまうミュージシャンって、いったいいいんだかわるいんだか・・・などとどうでもいいことを考えながら、その黒いお兄さんの顔を初めて近くから眺めてオレは仰天した。

「でっ、でかい・・・。でかすぎる(顔が)・・・・・。しかし、そのわりにはちっちぇえなあ、コイツ(上背が)・・・・。」

イギー・ポップやプリンスなど、世に「小さな巨人」は何人もいるが、コイツの場合は明らかにステージが違う。よくアタマの大きなヒトをサンダーバードの人形にたとえて揶揄したりするが、明らかにそんなスケールを超えていた。背丈は人並みよりすこしばかり低いだけかもしれないが、とにかく顔の大きさが尋常ではないのであった。ミュージシャンという枠を超えて、オレはついに見るべきものを見た満足感で胸がいっぱいになった。

ヒトの身体的特質を捉えておもしろおかしく語ることに、道徳的な正義は無い。しかし彼は、なお他人の遠近感をさらに迷わせるべくあのようなアフロ髪型にしているのである。本来は見た目勝負であるべきアメリカ人でありながら、このバンドはメンバー全員がイギリス人並み、いや、それをはるかに超えていい加減なビジュアルのお歴々。彼らが「救世主」と言われる時代こそがまさに「現代」なのではないか?そう考えると、雰囲気たっぷりの歌詞も、彼らが歌うからこそ意義が出てくるのかもしれない。オレは彼らの術中にあえてはまろうと考えた。ヤツの無言の意思を見た目にとらえて、ここで伝道することに決めたのである。

バンドが無言のうちにも発信する隠れたメッセージを瞬時にして捕らえること。見た目一発レポートとは、つまりはそういうことなのである。

Bk

Flicker より。

こうして下からあおって写真を撮ると、このように「小顔」になります。2週間ほど前のNMEに載っていた「ファンが撮ったツーショット」は圧巻の極みでした。

ところで、今回のエントリー内容によって、バンドのメンバーの呪いがこもった天誅がオレに下った場合、この新パソコンも短い一生を終えるかもしれない。

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