« Ida Maria | トップページ | Million Dead »

2008年10月23日 (木)

The Paddingtons

< 2008. 06. 29 @ Glastonbury Festival '08, Left Field Stage >

オレはつい先日また50歳の大台に一歩近づいてしまった、何の変哲もない日本人中年(もしくは初老の)サラリーマンにしか過ぎないのだが、自分自身では「PUNK」だと信じて疑わない。

得意先接待で先方の社長を盛り上げようと大酒をかっくらい、カラオケ屋のトイレで嘔吐し終えた涙目のなさけないよれよれネクタイ姿を鏡で見ても、おれ自身が「PUNK」であることには一点の曇りもないと信じている。で、それはなぜかと言うと、自分には『良いパンクバンド』、つまりは『良いパンクサウンド』と『悪いパンクサウンド』とを見分けられる、そして聴き分けられる絶対の自信があると思っているからだ。そう、以前にも書いたことがあるのだが、オレにとっての「PUNK」とは、生き方・ポリシーではなく、『音』なのである。PUNKが大きなムーブメントになりえたのは、皆がみな、というわけではないが、優れた楽曲やフレーズがあったからに他ならない、と思うのだ。

だから、髪の毛を立てることには興味がなかったが、このお気に入りのPUNKサウンドというやつとは一生涯付き合っていくような気がしているうちに、今日に至っているわけだ。そして、PUNKサウンドは自分の音楽の原体験であるというだけではなく、常にその時代の「良いパンクバンド」を探しておかねばならないことを、自分自身に課してもいる。今われわれは、当時有名だったか無名だったかを問わず、いまやオレと同年代かもっとジジイになっている、かつての70年代パンクバンドの姿を比較的容易に観ることができる。だが、懐メロはCDで聴くだけでよい。本当の追体験とは、今現在の「良いパンクバンド」のすがたを追いかけることに他ならないというのがオレの基本姿勢なのである。(自分の人生を振り返りながら酒を飲みたいときは、懐メロPUNKも観にいくけど)

しかし、宿命と言えるかもしれないが、パンクバンドの、いやパンクサウンドのと言ったほうがいいかもしれないけど、その寿命は短いものだ。たとえば、The Clash の優れたPUNKサウンドとは最初のアルバムのことを指すであり、それ以降はただただ「優れた音楽」、というのがオレ見解だ。彼らはPUNKな姿勢を解散まで貫いたバンドとしてリスペクトされるべきだし、最後まで偉大な音楽家集団であったことには異論はないが、オレにとって彼らの「PUNKサウンド」は初期のものだけだ。だから、中期以降の彼らのステージを観にいくことは、パンクサウンドを聴きにいくことにはならないのである。

一方で、息長くパンクサウンドを続けている連中もいるにはいるが、本当によいパンク曲はそいつらのある特定の時期に数曲あるだけ、と言う場合が大半だ。シングル1枚、あるいはアルバム1枚、というのが「良いPUNK」サウンドの天寿、というのが適当なところではないだろうか。

さて、2005年ごろ、オレにとって良いパンクサウンドを聴かせてくれる代表格がこの The Paddingtons であった。www.myspace.com/thepaddingtons  www.thepaddingtons.net けっこうPUNKらしいPUNKサウンドで、ドライブ感もあり、なかなか琴線に触れてくる音なのであった。

例によって何回か仕事の都合でライブを見逃しているうちに、音沙汰もなくなってしまい、けっこうしくじったな、という感じがただよっていた。そんなおり、今年のグラストンベリー・フェスティバルの出演者リストの中に彼らの名前を発見したのであった。おおおっ、まだやってたか。3日目日曜日の夕方、用意万端で初 The Paddington に挑んだのである。

ところで、結果的にはちょっとしょんぼりした内容のステージであったと言わざうをえない。

決して不合格というライブではなかったのだが、おそらくはまもなく(11月3日)に発売されるであろう2枚目のアルバムからの新曲が大半を占め、で、その曲はパンクではあるが、それほど良いパンク曲ではなかったのであった。たいへん残念ながら、パンクバンドの短い寿命のうちの、いちばん良いところを見逃してしまっていたのに違いない、というのが結論だ。アルバム発売に先立ち発表されたシングルも、先週号のNMEによれば10点満点で2点。「おいおい、どしちゃったのよ。」と書かれていた。

彼らのステージを観終えると、ちょっと早いが荷物をまとめて今年のグラストンベリー・フェスティバルから撤収した。宿の近くのパブでビールを飲みながら、次の良いパンクバンドを早く探さないといけないな、と思った。

Img_2271_2

@ Left Field Stage

このバンドのギタリストは、去年 Dirty Pretty Things のカールが骨折中、代わりにギターを弾くためにそのバンドのツアーに参加していたということだ。このことでちょっとセンスが狂ってしまったのではないか、とオレはにらんでいる。

●コメントバックできないので追記します。

コメント、ありがとうございます。Dirty Pretty Things 、解散らしいですね。新譜のアルバム評が Pete のバンドはもとより、元ベーシストのバンド Yeti (同時期にアルバム発表)よりも軒並み低い点数だったことで背中を押されたのではないでしょうか。というか、このバンドの曲作りのセンスが怪しいことは、みな薄々気がついていたにもかかわらず、ちょっと回りが引っ張って持ち上げすぎたのではないかと思います・・・・。The Paddingtons も、こいつらに惑わされた時点で負のスパイラルに落ち込んだ負け組みかと思うと、すこし悲しいです。

« Ida Maria | トップページ | Million Dead »

音楽」カテゴリの記事

コメント

ははははー!相変わらず、いい「オチ」の付け方ですねー。おっしゃるとおり!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/460350/24682541

この記事へのトラックバック一覧です: The Paddingtons:

« Ida Maria | トップページ | Million Dead »

フォト
無料ブログはココログ
2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31