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2009年5月26日 (火)

The Virgins

< 2008. 11. 14 @ Le Cigale, Paris >

たびたび書いたことではあるが、オレは否定しようのないオヤジサラリーマンであり、会社ではたいがい人並みにスーツを着用している。スーツとはいってもアルマーニとか、なんかそんな「ちょいワル」なものは着ないぞ。はずかしいし。ロンドン時代から日本人駐在員ご用達のアクアスキュータムとか、バーバリーとかの、そういった手の施しようのない「オヤジブランド」のスーツを、しかも郊外アウトレットで中国人を押しのけながら買っているのである。

「たいがいスーツ着用」と書いたのは、週のうち1日ほどはもうすこしラフな格好で出社することがあるからだ。お客さんのところに営業に行かない日、社内で書類作成だけしていることがあらかじめ分かっている日だと、面倒なこともあってややカジュアルな格好で出社するわけだ。で、こういったときに「外出着」として何を着用していくべきか、ちょっと考えさせられる出来事があった。

だいたいオレのカジュアル「よそ行き」スタイルというのは、他に服がないということもあって、ライブ道の出動スタイルと大体大差ないのが通例であった。ある日オレがカジュアル着出社をしていたら、マーちゃん(社内の日本人バイトの青年)から声をかけられた。「funfa77 さんは、今日の服とか、カジュアルなものは大体いつもどこで買ってるんですか?」

オレは間髪をいれず、「ん?今日のは、えーと、 Topman (トップマン)かな、 Top Shop の。あと古着とか・・・。」と答えたのだが、端正なマーちゃんの顔がとたんに曇った。

「・・・・・。 あのう、ちょっとやばくないすか?失礼ですが。」と申し訳なさそうにこっちを見る彼。「な、何が?」と答えるオレに対してマーちゃんはきっぱりと言い切った。

Topman は大人が着ちゃだめですよ。あれは若者が着る服であってお金がある大人が着ちゃいけないんですよ。」

そういってきびすを返して去っていった彼が、普段から着用しているのはディオールやプラダである。なんでそんなお金あるの、マーちゃん?ということは置いておいて、オレはそんなにお金もないので Topman を着ているのではあるが、 若者ではないことだけは自信を持っていえる。とはいえオレはTop Shop 自体がそもそも大好きなのであった。悪かったな、マーちゃん。

Top Shopは日本にも有るのでご存知のとおり「有名デザイナー」のパクリが基本のハイストリート・ショップの大チェーンだが、男性ブランドの Topman のほうはUKでは各種音楽イベントにも協賛しており、「若者」の普段着、つまり若い連中が音楽を観にいくときのきわめて標準的なスタイルを常々提供してくれているのである。オレは有名デザイナーの模倣品にはあまり興味がないが、ライブハウスに出かけていくときに、オレのようなおっさんでも比較的違和感なくなじめるように見えるアイテムを普段からカジュアル用として買っている。もしかするとさすがの Topman の洋服も、オレが着ると「違和感」がありまくる可能性も否定はしえないのだが、それでも他に選択肢はすくない。普通の若者ブティックだといろいろな意味で緊張して入りづらいし、そもそも入ってみないとどんな服が売っているかわからない。そこへいくとオックスフォード・サーカス(ロンドン)近くの Top Shop は巨大すぎてオレが「若者服」を物色していても、誰からも不審がられない。・・・はずだと思いたい。

そんなわけで、マーちゃんのこころない発言ぐらいではオレの Top Shop に対する信頼感は揺るがない。ライブ会場で周りの若者達があらかたそういった格好をしている、というきわめて「日本人」的安心感もあるのだが、なんといってもステージに立つミュージシャン自体、そうした Top Shop +古着のスタイルに毛の生えたような格好をしている連中が多いので、たぶんセンス的にそんなに間違っていないのだろう、というのがオレの見立てである。

こうした、多少やわなところのある自信が多いにぐらつきそうになるのは、ステージで観たバンドのいでたちが、センス的にオレの想像力を完全に超えていた場合だ。しかもビミョーながらも Topman スタイルの流れを汲んでいるような時はなおさらだ。こっ、これはオトナとして真似ができないし、してはいけない・・・。でもこれが今の若者の格好なのか、ホントウに?しかし、ここで一度ビビッてしまって受け入れられないと、もう二度と「若作り」の世界に戻ってこれなくなってしまうのではないか?オヤジにとっては最後通知のような、そんな葛藤が突きつけられてしまうのである。このままではマーちゃんの思う壺だ。

半年ほど前だが、オレのアゴが落ちるような格好をしてステージに現れたのが、このところ活躍中のアメリカ人、 The Virgins の面々であった。www.myspace.com/thevirginsnyc  www.thevirgins.net

音の方はオレの琴線にかすりもしなかったが、そのファッション・スタイルには目が釘付けになった。「音」も「ファッション」もオレから見るとどうしょうもないものであったが、「音」の方はもうこのバンドを今後無視すればいい。しかし、「服装」のほうは、これがこれからのスタンダードのなってきたらと考えただけで、もはや気が気ではなくなってきた。たとえて言うと、メンバーそれぞれこんなカンジである。

●巨大ぶかぶかロングTシャツの上に、丈の短い「ピッタリ」カーディガンのボーカリスト。しかし案配がよくないのか、カーディガンはすぐに脱ぎ捨てられた。こういう無理やりなサイズ違い合わせはオレには新しすぎて、目がしぱしぱした。

●ベーシスト。足首から上は変哲のない格好だが、右足赤スニーカー・左足青スニーカーでしかも光沢のある素材。ジーンズは折り曲げて靴がよく見えるように。むかし田原俊彦が左右色違いの靴をはいていたときは、全身気の狂ったようなコスチュームだったので違和感がなかったが・・・。

●ライダー革ジャンの黒装束ギタリストは、同じく足首をよく出して赤スニーカー。ジーンズの上に「色テープ」まきつけで自作の装飾はいくらなんでもいかがなものか・・・。

オレの今まで生きてきた常識では、これらはことごとく「さむい」どころか相当やってしまった感のある格好ではあったが、目いっぱい詰めかけた観客の黄色い歓声を聞いてしまうと、オレの自信も鈍るというものだ。そしてなにより、今度Top Shop へ出かけたらこのようなコーディネーション(自作色テープ貼り含む)だらけになっていたとしたら、オレはすごすごとマーちゃんのアドバイスにしたがって、Topman を卒業しなければならなくなる。そうすればオレの「ライブ道」卒業にも一歩近づいてしまうのではないか、とちょっとだけさびしいキモチになってしまったのであった。

久々に音の記憶ゼロ、服装の記憶鮮明、と言うバンドであった。あまりのことに見とれて写真を撮らなかったが Flickr で当日の様子を発見。クレジットが入ってるので写真は貼り付けませんがコレがリンクです。

見た目の話の割りにお見せできるジュアルが中途半端で申し訳ない。ま、ほとんど意味のないことを長々書いてしまったが、要はこのバンド、世間の人気の割にはライブも含めて「はずれ」だったということです。たぶん、本当は彼らのスタイルやセンスと言うのは今風で悪くもないのだろうが、曲を含めてライブ全体がオレにはまったくダメだったので、全ての面でカスよばわりさせていただくこととする。ステージアクションもキツかった。以上。

Virgins

ちなみにこの写真は Flickr から。今年の Camden Crawl ('09) のもの。オレは当然見ていない。皆さんはちょっとヤな感じしないですか、コレ?オレはいやだ。もちろんこのいでたちは民間人が真似するようなものではなく、「ミュージシャン」コスチュームだが、たぶんコイツこのままで道端歩いてるとおもうよ。

同じ「人気者」でいえば、自分としては Hockey も好きではないが、まだそっちの方がましだと思う。BBCテレビで生演奏を見た限りでは。Hockey 来日中止だそうだが、この The Virgins は予定通り本邦に上陸しても、ぜひ気をつけてください。

●コメントバックできないので追記します。

コメントありがとうございます。本来ミュージシャンは服装的制約のない、つまりどんな格好をしても許される人たちなわけですが、「ライブ不合格」の烙印を押すのがふさわしい方々については「服装」もきびしくチェックしていきたい、というのがこのライブ道の方針です。自分で探してきて貼り付けておいて言うのもなんですが、何度見てもこの写真のコスチュームはあってはならないものですな。

ところで、ミュージシャンと並んで「ゲイ」の方々もどんな格好をしても許される人種だという見解を持っているのですが、われらの「マーちゃん」(カミングアウト済み)はいつもかっちょよく決まりすぎで、ちょっと自分としては不満です。

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コメント

はじめまして!
かくれファンだったのですが、今回いつにもましてツボに入りまくりだったので、思わずコメントさせていただきました。
マーちゃんのくだり、噴きました(笑)

The Virginsの上の写真、もはや視覚破壊ですね。

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