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2009年6月11日 (木)

Art Brut

< 2005. 06. 25 @ John Peel Stage, Glastonbury Festival '05 >

< 2005. 09. 28 @ ULU, London >

< 2009. 04. 24 @ Koko, Camden Crawl '09 >

< 2009. 05. 25 @ Nouveau Casino, Paris >

現役で活発に活動しているバンドの持ち歌に限って、という条件のなかで、オレ自身が最も好きな曲のひとつは Art Brut [Formed A Band] という名曲である、と躊躇なく断言できる。www.myspace.com/artbrut www.artbrut.org.uk

2004年の春さきにリリースされたシングルCDを聴いて感動したわけだが、同じ年に引き続き発売された [Modern Art / My Little Brother] というカップリング・シングルも、ともに屈指の楽曲であった。加えて翌年。アルバム発売直後のグラストンベリー・フェスティバル ('05) では、これまたオレのライブ道人生の中でも特筆すべきステージ・パフォーマンスを堪能することができて、自分の中では当時の The Rakes と合わせて、一気にイチオシバンドとなっていたのである。

もっとも、そんな「最高」ともいえるグラストンベリーの体験から数ヶ月おいて、彼らのヘッドラインショーをロンドンで観たときは、オリジナルメンバーの怪ギタリストが脱退した直後だったので、ステージがややまとまりを欠いていたような気がした。まあそんなこともあって、別に嫌いになったわけでは全然ないのだけれど、その後なんとなくライブは観に行かなくなってしまっていた。ただ、The Rakes が以降アルバムを出すたびになんとなく失速していくのと比べると、 Art Brut のほうは、その年のベストなアルバムとまではいえないものの、まずまず着実な作品を出してくれていたような気がする。

オレが個人的にいちばん盛り上がっていた2005年ごろは、一部「ビッグ・イン・ジャーマニー」というような局地的な人気はあったようだが、おしなべてみればそれほどの「大物」ではなく、NMEに記事が出るといっても、フロントマンのエディ・アルゴスが当時人気が急上昇中の Bloc Party の黒いお兄さんとバーで胸ぐらをつかみ合った、といったゴシップ記事くらいのものしかなかった、と記憶している。

だがご存知のとおり、その後の彼らは着実にインディ界で足場を固め、一時は「ビッグ・イン・アメリカ」という、ほとんどそれの何がネガティブなのか分からないような変な形容詞でさえ呼ばれるほどに、世界中で支持をひろげてきた。エディ・アルゴスはいつの間にかインディまわりでカリスマ・アイコンになっていたのである。

ところで。先だってのことになるが、彼がNMEに登場した写真に驚愕した人は多いだろう。 

Artbrutnme

これはいわずもがなその直前に話題となった Beth Ditto のNME表紙写真のパロディで、NME自身がやってのけたのである。

Beth_nme3

このべスの写真をみたときは、正直たしかにひっくり返りそうになったが、そのあとのエディ・アルゴスの「ヌード」もなんとも印象深いものであった。そのしばらく前から、エディと言えば「腹の肉」というのが、NMEにおける定番の形容詞になっていたからである。つまりエディののの「腹」写真は、彼自身がポジティブに捕らえているに相違ない彼の「だぶついた腹の肉」を、自分の代名詞とすることを公に宣言したことに他ならないのであった。この日から彼は、名実共に「ハラ芸人」になったのである。

そういうことであれば、その「腹芸」を見てみたくなるのが人情というものだ。今年の Camden Crawl ('09) で彼らが出演すると言うので、ちょっとだけ足を運んでみた。

結論から言うと、それはまさに「芸」と呼ぶにふさわしいものであった。会場の Koko にぎっしり詰めかけた観客は、言わずもがなで彼の「ハラ」になにかしらの期待を持っている。ステージアクションの末エディのズボンからシャツの裾がはだけ出てしまうと、必要があるのかないのか全く分からないのに突然上下にぴょんぴょんと跳ねだしたりする。おかげでハラがぶるんぶるんと醜く揺れるさまが、目の当たりにできるのである。観客はもちろん大喜びだ。

とはいえこの日は会場が比較的大きく、オレが陣取った場所はステージからやや距離があったため、この見世物をしっかり「堪能」というところまではいかなかった。翌月になってパリにやってくるというので、今度は間近のポジションから観察させていただくことにしたのである。

その夜パリの会場は外気温が高かったこともあってとてつもない熱気に包まれていた。一曲歌うごとに胸のボタンをひとつづつはずしていくエディ。留め残ったボタンがあとひとつだけ、となったところで、客席からは「脱いでくれえっ!!」「みせてくれよ~!」の大合唱。彼は一呼吸おいてボタンを留めなおし。「もちっと、あとでな。」

以降、胸をはだけて腹肉を開帳したり、ボタンをかけなおしたりのくりかえしで、この「ぶよんぶよん」した彼の武器は、演奏終了まで観客を魅了し続けたのであった。演奏もよかったが、「腹芸」は彼らのライブですでに欠かせない大きな要素となっていることが確認できたのである。

Art Brut はいわゆる Art Rocker の代表選手みたいなところがあって、事実 Art Rocker 主催のアニバーサリー・イベントでもヘッドラインを務めたりしているのだが、自分のこと、バンドのことそして業界のことなど常にひややかに(かつ、おもしろおかしく)捕らえては歌にしてくる連中だ。彼の、単に「出っ張っている」だけではなく、かなり醜悪に垂れ下がった腹の肉には、たぶん深いメッセージがこめられているに違いない、とおもう。たぶん後付けの理由で。

Img_3198_1a

@ Koko

Img_3373_1

@Nouveau Casino

観客は皆「腹写真」を撮りまくっていたが、オレはなんとなくだが遠慮してしまった・・・・。

パリのステージではいつものように即興の歌詞が歌われた。♪「オレは先週アムステルダムで演奏した/アート好きなオレは、日ごろ尊敬するゴッホ美術館まで行ったさ/入場料10ユーロも払ってな/有名な絵が飾ってあるのは一番上の階だ/ところが階段を昇り始めたオレは自分の腰に違和感を感じたんだ/腰が・・腰がなんかヘンだぞ/腰はだんだん痛くなってくる/でも絵はまだまだ先だ/だんだんオレの腰は折れ曲がり/最上階に着いたときは、絵を見上げる力がもう残っていなかったんだ/オレは10ユーロも、そう10ユーロも払って、腰が痛くなっただけだったんだああああっ」

・・・エディさん、それは太りすぎが原因では・・・。

[ Formed A Band ] PVは無いみたいです。ライブ映像。

[ Modern Art ] これもPV無し。

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