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2009年6月25日 (木)

Kap Bambino

< 2009. 06. 18 @ La Maroquinerie, Paris >

パリといえばオペラ座である。で、オペラ座といえば「怪人」なのだが、期せずしてその怪人探しをできる機会にめぐまれた。

というか、ありていに言ってしまうと、知り合いの方が行く予定だったパリのオペラ座(ガルニエ)での本格派オペラの公演チケットを、その人の都合が悪くなってしまったためにオレが偶然譲り受けたのだ。オペラ自体には何の興味もないが、もしかするとそこに住んでいるというらしい「怪人」が発見できるのではないか。ところでそもそもオペラ座にいる怪人って何だ?しかもそれって、パリのオペラ座だったべか?などとどうでもよいことが次々に頭を駆け巡ったが、とりあえずはタダ券だし、その程度の動機でとりあえずは出かけることにした。

だけど何を着ていこうか?一人で観にいくのだし、職場用のスーツで行って、あからさまな日本人サラリーマンの格好(普段のオレ)をするのは何かこうあまり「オペラ座」なかんじがしない気もする。だけどオペラといっても「ライブ道」の一種には違いないので、結局はオレのライブ道出動スタイル、すなわちただの普段着ででかけることにしたのである。ジーンズと多少よれたチェックシャツだが、いつものように「若作り」としては合格点が付けられる格好だろう。まあ、オペラとか言っても学生割引券は千円くらいから売ってるらしいし、そういう「クラシック」好きの貧乏学生さんたちももたくさん観にきているにちがいない。そんなに気張った格好をすることもないだろさ、とオレは考えたのだった。

外観以上に更に荘厳なオペラ座の内装に圧倒されながら、係のおじさんに席まで案内された。だが着席した瞬間にオレは思った。 『これは大変なことになったな。』

座った席は、客席の一番前。すなわちオレの目前、ついたての先1メートルのところにはオーケストラの皆さんが。そしてその奥には当然ながらステージが鎮座しており、いわゆる高級ボックス席といった趣とは異なるものの、あきらかにすばらしいポジションであった。オレの両隣、いや周り一帯は当然のように盛装したした紳士淑女でにぎわっており、経験の浅そうに見える若いオーケストラ要員の皆さんなどは、このガルニエで演奏できるととに胸がいっぱいなのか、潤んだ目で客席を眺め回している者までいる様子だ。そんなところにイキナリくたびれた格好の日本人がやってきたものだから、あきらかになんじゃこりゃ感がオレから発散されてしまっているのである。たとえて言うと、仮にこの客席の光景をステージから写真に撮った場合、オレさえいなければ絵葉書として売り物になるビジュアル、といったところだろうか。

はじまったオペラが、「歌イタリア語、電光字幕フランス語」ということもさらに加速的にオレをしょんぼりさせたわけだが、正直けっこう恥ずかしかったので、演目が終わるやいなや、とにかくTPO大事なり!、と当たり前のことをいまさらながらつぶやいて、そそくさと家路を急いだのである。ちょっとなめすぎてました。

今回オペラという、自分の守備範囲でないところでつまづいてしまったが、本筋のライブ道活動ではそうもいくまい。気をしっかり引き締めることに決心した。

先月の Great Escape では出演の時間が遅すぎ、睡魔に耐えられず観るのを挫折してしまったテクノ系PUNKダンスDUO の Kap Bambino www.myspace.com/kapbambino ジグ・ジグ・スパトニックの全盛期をほうふつさせる爆発力のある音をぜひともライブで観たいと思っていたのだが、期せずして彼らの地元フランスでその姿をつかまえる機会がすぐにやってきた。

とはいえ「ダンス系」という、ちょっと気をつけなければいけない物件でもあり、オレはやはりTPOにも心くばりしたいと考えた。彼らのライブ会場では観客はどんな格好をしているのだろうか?せっかくのライブで気まずい思いをしないためにも、そうして仕入れた情報を参考にするのはいいことだ。ネットで彼らのことを調べたら、早速2年ほど前に日本でライブを行なったときの写真が貼り付けてあるサイトにめぐり合った。(勝手に貼り付けますが、コレです。そのページの最後のほうに出てきます。) しかし、サイトを開いてスクロールし始めたオレはすぐにこう思った。『これはかなり大変なことになったな。』

このサイトを見る限り、Kap Bambino を観にいきそうな方々というのは、とてもおしゃれなファッション・ピープルで、とてもオレのような中年若作りサラリーマンの手に負える世界ではなさそうなのである。このサイトに貼り付けてある写真一枚一枚をみながら、少しづつ自分の意識が遠のいていくのがわかった。でっ、できない。オレにはこの格好はできないっ。しかもオレがチャレンジしようとしているのは、世界的ファッションの中心地パリでのライブだ。この日本のサイトよりもあきらかにおしゃれな人々が群がっているであろうことは火をみるよりも明らかではないか!

オレはうなだれながら、今回は意識的にTPOを無視して普段どおりの小汚いライブ道スタイルスタイルで出かけることしかないことを悟った。せっかくの Kap Bambino。オレのしょぼくれた格好では気恥ずかしいこと請け合いで、ライブも楽しめないかもしれないが、人間そんなに無理してもいいこたぁない。それに中年には中年としての人間の尊厳もあるのだ。そんな複雑な気持ちで会場まで足を運んだのでった。

会場のドアを開けて、目に飛び込んできた光景、そうすなわち世界に君臨するパリのファッションピープルの姿ががこれである。やはりオレは度肝をぬかれた。

              ↓

Img_3394_1

ご覧の通り、全員ただフツーの民間人のかたでありました。むしろ普段より更に汚らしい感じの。

というわけで、正気にもどったオレは彼ら Kap Bambino の盛り上がりに盛り上がった地元公演をたっぷり堪能さえていただきました。かなり良いライブだった。

Img_3399_1

@ La Maroquinerie

浮く Caroline 嬢。オレはよこしまなキモチが芽生えるといけないので、リフティングへの参加を見合わせた。

しかし、上の日本のサイトを真剣に参考にしていたら、オレはこの日観客で来ていたパリのムッシューやパリジェンヌ達に、「今日、『怪人』をみたよ。」などと後々語られつがれていたかもしれないとおもうと、あまりTPOとか考えるのもいかがなものかと思った。

最近好きなPV。

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