« The Rifles | トップページ | VV Brown »

2009年8月 7日 (金)

The Invisible

<2009. 04. 25 @ Dingwalls, London (Camden Crawl '09)>

< 2009. 07. 12 @ Sous La Plage, Paris >

最近フランス人ネタを書かないので、「Funga77のヤツは、パリに住み着いているうちになんとなくだんだんと不思議で理不尽なムッシューたちと同化してしまったのではないか?」と思われてしまうのもしゃくにさわる。そんなことを考えていたら、久方ぶりに予期せず驚かされるライブにめぐりあった。

そもそもパリで道を歩いていると、「えっ!?オマエらぜんぜん打ち合わせ、とかネゴとかしてないのわけ?」とびっくりする物件に出会うことが多い。たとえば、工事中など何らかの事情で通行止めになっているところに市営の路線バスが乗客をたっぷり乗せて立ち止まる、とする。普通、工事で道をふさいでしまう場合、市バスはあらかじめ連絡を受けていて、別コースをたどることを市民の皆さんに前もってアナウンスしておくだろうし、当然バスの運転手は代わりにどういうコースを取るか分かっているにちがいないはずである。

むか~しオレが見たのは、しっかりと強固に通行止めがなされた道路にさしかかったその市バスの運ちゃんと、通行止めの柵を設置しているおっさんとの怒鳴りあいである。

フランス語は分からないが、その喧騒の内容は疑いなく、「オメえ、こんなとこ突然工事始められたら困んだろ!、バスが通れないだろが!!」「そんなこたあ、俺はしらん。俺は工事始めっから!」という、お互いなんら解決をする意思が見えない水かけ論以外の何物でもない。なにやってんの、アンタら?というのがフツーの良識あるオレのような日本人の感想だが、どうやらフランス人はそうは思わないらしい。まわりの見物客は、「わしは、あっちのほうへ行ったほうが良いとおもうがなあ」と右を指差しながら運ちゃんにアドバイスする人、頼まれもしないのに工事のおじさんに対して説得を試みるタダの通行人など、全く混沌とした状態である。

かくして運ちゃんは憮然としながら左へハンドルを切り、それによってもとの方向にはほとんど戻れなくなることが確実なわけだが、かわいそうな乗客の皆さんはどこか遠い世界に連れて行ってしまわれたようである。さようなら。何でこんなことがおこるのか、なぜあらかじめ調整をつけておかないのか、オレにはさっぱりわからないのである。

さて、英国の TV On The Radio などという枕詞もついている新人の The Invisible www.myspace.com/theinvisiblethree 4月に観たショーケースイベントで気になっていたのだが、この夏パリ市内の屋外無料アート・フェスティバルにもやってくる、ということで足を運んでみた。彼らつい最近は今年のマーキュリー・プライズにもノミネートされ、まあ強敵多い中、本選で選ばれる可能性は高くないものの、無名の新人としてはよくやった、とほめられる結果だろう。そんなに混んでもいない無料イベントで、当日の出演者はオレのお気に入り(見た目のみ)の「食いだおれ太郎」、別の名をエチエンヌ・ジョメという Zombie Zombie の片割れのソロステージ。あるいは数曲演奏したら電気が飛んでしまって、そのまんまステージが終わってしまった、かわいそうなアメリカのバンド(名前忘れた)。そして我らの The Invisible の登場である。結果的に演奏自体はとても印象深い、良いステージであった。

その日このイベントが行なわれたのは、パリの西側にある「シトロエン公園」という、オレの会社からも歩いていける、昔のシトロエンの工場の跡地にこしらえた、緑豊かな快適ひろびろスペースだ。その端っこ、セーヌ川ぞいに平行してステージが組まれているものの、河岸は狭く、イベント参加者すなわち観客の大半は、そのシトロエン公園の緑地に腰を下ろしながら楽しんでいるわけである。

当日は気温が30度を超え、売っているビールが外気温と同じ温度のものしかないのには閉口したが、飲んでみると気分も悪くなった。とはいえ、オレも他の参加者の皆さん同様、芝生に寝転がりながらいろいろなバンドを観ていたわけである。

いよいよ The Invisible の前のバンドが終了し、彼らのこともこの芝生からゆったりと観るか、それともコンクリートの河岸で味気ないが、ステージ前方まで観にいくか、とかんがえはじめたその矢先。いかにも公園の管理人みたいな人が寄ってきてわれわれ観客になにか言っている。いよいよオレの所に来たおじさんが言った。「あー。公園閉める時間なんで、皆さんここからでてください。」

あのう、おじさん。まだバンド残ってんですけど・・・・。というか、このイベントの主催者はいったいどういう仕切りというか交渉を公園側と行なっていたのか。かくして寝そべっていた人たちは、もぞもぞもぞと河岸に強制移動。なんとなく縦に長く連なってバンドのステージ観ましたとさ、というオチです。この時点で単に芝生で昼寝してた人たちは撤収。さらにさびしくなった人数の観客が広くないエリアでバンドに声援を送って楽しんでいたが、なんとなく納得行かない顔をしていたのは、オレ一人しか居なかったと思う。

公園を閉める時間を一時間遅らせるとか、イベント自体を1時間早くはじめるとか、そんな低次元のことを考えているようではオレもいつまでたってもパリジャンにはなれないだろう。あまりなりたくもないが。英国からわざわざやってきたバンドの皆さんはいったいどう思ったか。そんな「他人」のことを気にかけてしまうようでは、タダの日本人である。だがオレはそんな日本人でありたい、と思った夜だった。

Img_3228_1

@ Dingwalls

Img_3622_1

@ Sous La Plage

無料イベントで観客少ないとキツイががんばれ。オレは応援しているぞ。良いバンドだ。

« The Rifles | トップページ | VV Brown »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/460350/29985209

この記事へのトラックバック一覧です: The Invisible:

« The Rifles | トップページ | VV Brown »

フォト
無料ブログはココログ
2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31