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2009年8月 4日 (火)

The Rifles

< 2006. 07. 09 @ Oxegen Festival, Ireland >

< 2009. 06. 09 @ Nouveau Casino, Paris >

かなりありがちな話ではないかと思うのだが、バンドのいわゆる「セカンド・アルバム」を購入することが、正直言ってオレはあまり多くない。おそらく同じような傾向をもつ人も少なからずいるのではないだろうか。

理由はいくつかあって、たとえばファーストの出来が実のところイマイチだった場合には、セカンドアルバムを買おうというモチベーションは当然低いはずである。あるいは、バンドがファーストアルバムで売れすぎてしまった場合、セカンドの発売前からニュー・シングルが頻繁にテレビ・ラジオで流れるため、はやくも聴き飽きてしまったような気分になるケースもあるだろう。こういったときは、楽曲の良し悪しに関係なく買わなくなってしまうので、ミュージシャンにとっては損かもしれない。まあ、その分他でたくさん売れてるからオレのようなヤツが多少いてもどうってことないかもしれなうが。もしくはファーストが気に入っていたとしても、それがある程度成功した場合、次回作はなんとなく方向性が違ったものになってしまうのではないか、というぼんやりとした不安があり、それゆえに様子をみていたらやっぱり変な方向に行ってしまっていた、とか。

しかし個人的に一番合点のいく説明は、以下のようなものである。「セカンドが多少良くなったくらいでは、一枚目で得られた感動には到達しないだろう。そんなのをわざわざ買うくらいなら、期待の持てそうな新人バンドのデビューCDに賭けてみたほうが、ずいぶんとマシだ。」 

数少ない「セカンド・アルバムを買ったバンド」にしても、期待が大きかったのにコケた The Rakes とか、ファーストとくらべてあまりにも変化のなさ過ぎた The Go! Team とか、やはり「2枚目」を買うのを躊躇させるに至るトラウマ体験は意外と多いものだ。デビューシングルを発売日に買いに行くほど入れ込んだ Maximo Park にしても、2枚目は結局一度しか聴いていない。もはや良かったのか、悪かったのかさえ記憶にない。本当は良いCDだったかも知れないのだが、すでにデビュー作で彼らを堪能しつくしてしまったために、新作でなんらインパクトのある感動が得られなかった、ということだろう。

一方で、ライブ道においても似たような傾向があることは否めない。そのバンドの2回目のライブを観るために、もう一度足を運ぶ、というのはオレの場合フェスティバルを除くとそうそうあることではない。

とはいえライブのほうは、そのバンドのライブパフォーマンスにハマると何度でも繰り返し観にいってしまいたくなるものだし、新人バンドのライブををタニマチ気分で通うということもあるだろう。だがしかし、「まあ、一回観ておけばいいか」というバンドが大半を占めることもまた事実である。かくして、まあそこそこお気に入りのバンドであっても、CDはデビュー盤のみ所有、ライブは一回きり、というバンドが自分自身のスタンダードではある。

最近久しぶりのセカンド・アルバムを発表した The Rifles も一見するところそういったグループに括(くく)られてしまいかねない連中だ。www.myspace.com/therifles www.therifles.net このバンド、意外となかなかキャッチーな曲を多数抱えたデビューアルバムを出しており、いまだに引っ張り出しては時々聴いている愛聴版のひとつだ。だがそんな彼らでさえ、すでに昔アイルランドのフェスティバルで一回姿を捕らえており、普通であればオレの中では典型的な「アルバム1枚:ライブ1回」バンドのひとつ、というのが正直なポジションだ。実際のところ、そのセカンドを購入しようという予定もない。

しかし、オレは2ヶ月ほど前、ひさかたぶりに、しかも今度は彼らがヘッドラインで登場するショーを観に出かけたのであった。なぜか?

はなしは飛ぶのだが、実はオレ自身声の通りが極めて悪く、更に「かつぜつ」も良くないという身体的欠陥を持っていてかなりのコンプレックスを抱えている。さすがに声の通りが悪い歌い手というのは世の中に存在しないと思うが、「かつぜつ」の良くない人は時々いるようだ。「かつぜつ」というよりは薬物摂取のためにろれつの回っていないように聞こえてしまう Pete Doherty氏のような存在は別としても、この The Rifles のシンガー、ジョエルの「かつぜつ」の悪く聞こえてしまうようなボーカル・スタイルはなんと表現したらよいのか。

実際に「もたつく」わけでもなく、本当に「かつぜつ」がわるいのかどうか判断がつかないが、ヤツの声がもったり聞こえてしまうことだけは確かだ。オレはそんなジョエルがいとおしいのである。身体的欠陥を持つ仲間として。なんとなく身障者仲間が健常者の世界でがんばっているのを応援したくなる、といった心境か。不適切な表現であればすいません。

で、このたびわざわざパリにまでやって来てくれたので、最前列で口の動きを確認しがてら応援することにした。セカンドアルバム・プロモーションツアーの一環にもかかわらず、1枚目から中心のセットはたいへんありがたかったです。なかなか盛り上がっておりました。結局なんというか、「かつぜつ」というよりは「声質」ですかね。どうやらジョエルは「健常者」のようだが、オレとしては今後も仲間としてつきあっていきたい。つきあっていきたい、というわりには新たしいアルバムを買う予定はあいかわらずないので、ゆるしてくれ。

The Rifles。 CD1枚、そしてライブ2回、ということで、オレの中でちょっとだけ特別なバンドになった気がした。

The_rifles

@ Nouveau Casino

左が身体的欠陥を克服して歌手になった、オレのヒーロー。しかし、彼の歌が「もっさり」していなければ、もう少し大きい成功を手に入れていたかもしれない。

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