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2009年9月23日 (水)

The Duloks

< 2009. 09. 05 @ Offset Festival, London >

皆さんはドリフを生で見たことがあるだろうか?ドリフ。言わずもがなだが、あの「日本のモーガン・フリーマン」とも呼ぶべきいかりや長介氏が率いていたドリフターズのことである。

残念ながら、オレは見たことがない。だがしかしそれはオレが単に田舎の小学生だったからで、都会にもし住んでいたのなら、親に頼んで公開収録に行きたいとせがんでいたことは想像に難くない。うまくすれば一度くらい「ライブ」で「なんだばかやろう」や「うんこちんちん」(ネタかなり古し)を見る機会に恵まれていたかもしれない、とも思う。

ところで今日オレが本当に尋ねたい質問というのは、バンドとしてのドリフのライブを見たことがありますか?ということなので、なかなか「イエス」というひとは少ないだろう。ドリフターズがメンバーチェンジを繰り返してコミックバンド路線に舵を切り、そしてわれわれが良く知るメンバー構成になったのが1960年代の半ば。そのころ演奏していたジャズ喫茶でライブを見た人というのは今明らかに還暦近い方々だということになるからだ。

良く知られるようにビートルズの来日公演の前座で演奏したときの映像は、いまだにテレビでも時々目にすることがある。そのころの彼らはほとんどカバー曲中心に演奏していたということらしいが、おそらくそれより少し前は、いろいろとオリジナルの曲もあったということである。

さてそんな、オリジナル曲を演奏しつつ、合間にコントを入れるようなライブを行なって人気を博していたであろうドリフを、おそらくは生演奏で聞いていたひとたちも世の中にはいるものなんだよなあ、どんな曲やってたのかなあ、などとふと想像してしまうような経験をした。

このところ局地的ではあるが徐々に話題になってきた女の子3人組 The Duloks www.myspace.com/theduloks 曲、言動そしてビジュアルと、どれをとってもコメディタッチではあるが、もちろんバンドとしての評価が高いのが魅力である。最近リリースされたデビューアルバムの評価はNMEで8点。ほぼ同じ時期のMUSE新譜が6点、アークティック・モンキースの3枚目が7点であることを考え合わせれば、なかなか将来を嘱望されていることがわかるというものだ。

9月の最初の週末、ロンドン市内からすこし北東部にぬけた公園でひらかれた、Offset Festival というイベントで、オレが楽しみにしていたバンドだ。このイベントは今年で2年目、土日の2日間で150近いインディー系バンドが中心となって7つのステージで演奏するというもので、オレは1日しかいなかったがそれでも25バンドほども楽しむことができた。もちろん The Futureheads や Metronomy、そしてThe Horrors なんかもでてくるので、全くの無名バンドだけというわけではないのだが、そのほとんどは今回初めて姿を拝んだような連中であった。

今回とらえた彼らのステージは相当衝撃的で、これはいかにNMEのアルバム評価がたかかったとしても、やはりライブを見てなんぼ、のまさにライブバンドと呼ぶべきものであったといえるだろう。

基本的にはいい加減な体操着みたいなものを着てでてきては、変なステージアクションをとり、ネタ満載の歌をうたうこと自体ですでにオモシロイのだが、かれらの真骨頂は基本的には「客いじり」にあり、しかも半分以上の曲ではステージから下りてきて客の真ん中で行なうので、気の小さい者にはまったくもって向いていないライブである。

われわれ観客が食らったのは、たとえばこんな感じだ。

「えー、今日は客席に友人の○○君が来てくれていま~す。こっちへどーぞー。彼はインド人なんだけど、顔、まっくろだねー。今日の会場で唯一顔の黒いひとですー。ずいぶん勇気あるなー、おまえ、こんなとこやってきて。」(みんな笑って、インド人本人も笑っているが、オレ自身も有色人種なので、やや引きつる。)

「今日は実はお客さんの中にシークレット・セレブリティがきてくれていま~す。」 すこしどよめく場内。「紹介します。△△(というバンド)のドラマー××君でーす。えっ!?みんな△△知らないの?」(このイベントは参加者6000人-推定-中、参加バンドのメンバーが1割くらいいるというバンド仲間感満載のフェスティバルで 、みんな「セレブって誰だ?」って思ったらその辺にうじゃうじゃいるバンドのお兄ちゃんだった、というオチで、指された本人は衆人注目でとても照れていた。そのあと、ステージ前まで引きずり出されてさらにいじられていたのは言うまでもない。)

一曲終了後、突然ドラマーがいちゃついている観客を発見して「なんだなんだなにやってんだ、そこ!」 それをうけてフロントのお姐さんが後を引きついだ。「なんだって?今晩はテントの中でコンドームがないけどいいかい?って、こっちが真剣に演奏中にそんな相談すんじゃねー。」

全てこんな感じでノンストップのステージは進んでいくのであった。

オレはいじられまくっている観客の皆さんの心情に思いを寄せ、こちらにタマが飛んでこないように身をかくし、しかしそれらの一部始終を見逃さないように機敏な臨戦態勢を取っていたため、面白かったのと同時にモノスゴク緊張した。終わってみたら曲の印象があまり残っていなかったが、これはオレ自身が彼らのライブにまだまだ十分追ついていけていなかった、自らの力のなさの証拠に他ならない。

だがしかし、何かひとつの時代の生き証人になったような気がなんとなくだけどした。ドリフの初期ステージを見ていた人も、もしかしたら同じような気持ちを持ったのかもしれない、と根拠無くそんなことを思った週末だった。

Duloks2

@ Offset Festival, Guiter Hero New Bands Stage

ちなみに今年になってからメンバーチェンジがあり、新しく参加のキーボードの方は Abi Makes Music www.myspace.com/abimakesmusic  という活動をしておられるようで、全く偶然ながら2年以上前に一度ソロ・ステージを拝見したことがあります。いわゆる「見た目天然」の方でした。こういう特異な才能というか業の深そうなキャラの人々が少しづつ自然に集まってはくっついていく東ロンドンの奥深さを感じないわけにはいかない。

他の観客が撮った当日の様子を Flickr で発見したぞ。 →コレ

あと、当日の様子を YouTube で発見。 [Bad Vegetarian] という名曲です。ちなみにオレの顔も観客の中に一瞬写っているのを確認。

それからこの [Octopus in Love] という曲ではタコ踊りを披露してくれたのがこころに沁(し)みた。

●コメントバックできないので、追記します。

なんとなく、あたっていると思います。首だけ浮いてます。

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コメント

ぷははは!このバンドおもしろい!
ライブ道さんがどこにいたのか、わかった気がする...。
あそこでしょ、ちょっと背の高いイギリス人の男の子後ろ!

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