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2009年10月31日 (土)

Camera Obscura

< 2009. 10. 16 @ La Moroquinerie, Paris >

さて、ライブ道をライフワークとするオレにとって、世の中で最も興味のないことの筆頭に来るのが「サッカー」である。

もうすぐ50歳を大台を迎えて「天命を知る」に違いない年齢に達した昨今、いまだに「オフサイド」の意味を理解していないというのもいかがなものかとは思うのだが、ここまでくると意地もあるので、生涯サッカーのルールを解しない老人として死んでいくのが、ささやかながら開き直ったオレの夢である。まあ、自分にとってのサッカーとは、その程度の存在でしかないということだ。

もちろん、サッカーファンがパブで衛星中継放送を見ながら嬌声を上げるさまを見るのはほほえましいし、UK音楽フェスティバルの会場でお約束となっている「プレミアリーグ、今日の試合結果」がメインステージで主催者からマイクで発表されるたびに歓声とため息が湧き上がる光景も風物詩として楽しめる光景だ。もちろん、フーリガンの皆さんが興奮して会場を燃やしたりするさまをテレビで見るのも、血わき肉おどるイベントだといえるだろう。

とはいえサッカーと言えばなんとってもワールドカップだが、まあはっきり言ってオレの人生にはまるっきり関係ない世界での出来事だと考えている。従って、自分にとって生まれてはじめてのサッカー観戦が1998年のワールドカップ・フランス大会、決勝のフランス対ブラジル戦をサン・ドニの新スタジアムでの得意先接待(こっちが接待する側)であったこと自体、いまやほとんど記憶の中にのこってもいない。もっともそのときオレが座ったのは、最端の隅っこであったため、「せっかくこんな話のタネになるような試合を見るのなら、頼むからテレビで見せてくれ」と真剣に思ったものである。なんだかよく分からないうちに試合は始まり、そして終わっていた(ようだ)。

ただそのとき思ったのだが、どうせ見るんだったら、スコットランド・チームの試合を見たかったなあ、とふと頭によぎった。

サッカーのスコットランド代表。後から調べたらそのフランス大会を含めてワールドカップに8回出場し、すべて一次リーグで敗退している悲しい連中だ。そいつら自身に対する興味はもちろんなかったが、そのときのオフィシャル応援歌がなかなか心を打つものであったのだ。

Del Amitri のうたう [Don't Come Home Too Soon] (←もの悲しい名作PVです)。とてもナショナルチームの応援歌とは思えないほどに哀愁を帯びた曲調は置くとしても、「お願いだから、あまりはやく帰ってこないでね。」とはいったい何ごとだ。この歌を合唱するサポーターの切ない歌声が仮にスコットランド戦の試合会場を覆っていたとすると、さぞや相手チームも度肝をぬかれたに違いない。そして肝心のナショナルチーム自身も、切なくがんばって、そして散っていたであろうことを想像すると、やはりフランス大会で最も見るべきはスコットランド戦ではなかったか、と思うのだ。いずれにしても、ワールドカップ・オフィシャル応援歌史上における金字塔というか、最高傑作だとオレは考えている。そしてそれは、Del Amitri の才能もさることながら、スコットランド特有のちょっぴりうら悲しい調べと、そしてそれを応援歌としてよしとする「国民性」のなせる業だと思うのである。

来年開かれるワールドカップ南アフリカ大会。先月終わった欧州予選でフランス大会以降出場を果たしていないスコットランドチームはまたしても力尽きて敗れた。つまりわれわれは、Del Amitri 以来となる、こころに深く染み入る「スコットランドチーム・オフシャル応援歌」の誕生を、今回も逃してしまうことになったのだ。

残念ではあるが仕方ない。ライブ道としては、スコットランド・チームのご冥福をお祈りするべく、パリにやってくるスコットランド人ミュージシャンのライブを立て続けに訪れては、仮の応援歌というか、オレだけの「スコットランドチーム」応援歌をさがしに出かけたのであった。

以来、先月から今月にかけて、1990's Malcom Middleton 御大のステージを観たが、共によいライブではあったものの、スコットランド・チームの応援歌としては帯に短し・・というのが正直なところであった。前者は、もしかすると、実際にいい応援歌になってしまいそうで、ひょっとするとチームが本当に勝ってしまったりするのではないか、という恐れがなくもない。後者は、これは初めてライブを観たのだが 、さすがにここまでしんみり、「泣き」のスコットランド感100%を出されてしまうと、本当に敗戦選手たちの鎮魂歌になってしまうなあ。キツイ酒が飲みたくなる感じである。

そんなことを思っていた矢先、先日これも初めて姿を見たグラスゴーの中堅 Camera Obscura の歌う、非常にスコティッシュな、すこし元気で、それでいてすこしもの悲しい旋律は、演奏開始から瞬時にしてオレから「オフィシャルチーム応援歌」を歌うにふさわしいバンドとしてのOKサインを獲得したのであった。  www.myspace.com/cameraobscuraband 会場は人のよさそうなフランス人観客で満員のほのぼのとした様子であったが、歓声も大きく、なかなか人気のほどを見せつけられたかっこうだ。

ライブも後半になって、ボーカルのトレーシーアンが曲の紹介しながらつぶやいた珍しい一言が、オレの「ナショナルチーム応援歌を歌う資格のあるバンド」という判断に間違いがなかったことをなんとなく教えてくれたような気がした。

「今夜のこの会場(パリ)にもスコッツは観にきてくれているのかしら?是非、彼らのために一曲歌いたいと思います。」

Co_2

@ La Maroquinerie

演奏中「歌詞を忘れる」という大ハプニングがあったが、観客のやさしい応援で、もちなおした。日常生活でオレには厳しい態度を取るフランス人達も、彼らにはなぜか優しい。スコットランドチームの応援歌は、相手チームのサポーターをもほのぼのしんみりさせてしまうものでなくてないけない、と確信した。

年明け一月には初来日だという。

●ににさん、コメントありがとうございます。ライブ求道、活発にご活躍のことと拝察いたします。

そうですか、The Drums 観たんですか~。うらやましいです。評判高いみたいですよね。曲もおもしろいし。実はここのところ The Drums ならびに Girls 、Fuck Buttons と、ぜひとも押えておきたい新顔連中を立て続けに見逃しており、ちょっとしょんぼりしてます。ご縁をつなげておくために、先日レコード屋の店頭で、The Drums の7インチシングルだけ購入しました。プレーヤーがないんで、聴けないんですけどね。でもこうやって「お布施」を施しておくと、不思議とまた観る機会がめぐってくるものです。ただ同時に、こうした「願掛け」の効果を損ねないためにも、縁起の悪いライブはできるだけ観ないように気をつける必要がある、とも考えていますが。

ちなみに明晩(フランス11月5日)パリで Hockey がヘッドラインを務めるイベントがあります。自分がブログでけなしたバンドには「妖気」を感じるのでもちろん観に行きませんが、チケットは売れ残っているようです。

●ににさん、応援ありがとうございます。励みになります。

James Yuill のエントリーにも書き足したんですが、やはりライブにおけるステージ上の「踊り」や「動き」というのは人々のこころを揺さぶる大きな要素ですよね。ライブ道も突き詰めていえば、究極の「動き」を探す旅なのかもしれないと思っています。The Drums のくねくねを生で体感し、そして習得できるように修業したいと考えています(ひとまえでは披露しませんが)。

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コメント

Funga77さんこんにちは。ごぶさたしてます。ににです。

ブログ楽しく拝見しています。

さてCamera Obscuraとまったく関係ない話題で恐縮ですが、Funga77さんはThe Drumsというアメリカのバンドはすでにチェック済みでしょうか?先々週にKOKO,先週にBarflyで拝見したのですが、彼らのライブはとても楽しいです。

ボーカル君のクネクネした動きと、客席から見て左にいるギター君が曲によってタンバリンを持って飛び跳ねているのですが、その様は圧巻です。とてもおすすめです。Hockeyがとても小さく見えてきます。

確実に2010年のOnes to watchのTop3に入るバンドだと思いますよ!

Funga77さん、いつも面白いコメントバックありがとございます。私もThe DrumsのEPを昨日購入しまして縁をつないでいこうと思っています。彼らにはすっかり心を奪われてしまいました。

ちなみに私はHockeyのScalaでのギグを見ようと思って見逃したクチですが、ブログを拝見して「あ、見に行かなくてもよかったか。」と思いました。トシちゃんには申し訳ないですがw妖気まで感じていらっしゃるのですねw
Girls・・・同じく見逃しました。今後もヲタ系バンドのレビュー楽しみにしています。

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