« The XX | トップページ | Delphic »

2010年3月29日 (月)

The Pains Of Being Pure At Heart

<2009. 05. 14 @ Po Na Na, Brighton (Great Escape '09)>

オレは「ライブ道」を突きつめるために、日々それなりの投資をおこなっているので、それ以外のことにまわすお金はそんなに多くない、普通のしがないサラリーマンだ。

ライブのチケット代は日本でバンドを観るよりは安いかもしれないが、それでも闇雲(やみくも)にいろいろなチケットを購入してしまうクセがついてしまっているので、合計するとかなりの金額になっていると思う。急な得意先接待が入って無駄になるチケットも少なくない。もちろんフェスティバルなどへの遠征費(旅費)が重なってくると、これはこれでばかにならない散財となる。

もちろん、生活が苦しい、ということでもないのだが、オレはこの「ライブ道」求道を言い訳として、ほかの出費、たとえば家の中の飾り、すなわちインテリア周りには一切というかほとんどお金をかけないことにしているのだ。いつも「家具」「食器」つきという、オンボロながらなんとか使用に耐えうるおまけのついた借家を借りるようにしているので、そもそもインテリアを購入する理由が無い状況をつくりだしている。今住んでいるアパートも、バスタオルやシーツから包丁・まな板まで最初からそろっているので、あえて何かを買い足す必要もないのである。

だいたいロンドンにしろパリにしろ、最初から揃えてある家具・小物の類は大家の趣味で選ばれたものである。もちろんほとんどの場合彼らは「センス無しノ介」か、あるいは何も考えないでインテリアを選んでいるので、はっきり言ってなぜこんなものが世の中に存在するのかまったく理由がわからないような得体の知れない柄のカーテンやベッドカバー、そしてカーペットがあらかじめ備え付けられていたりするのがフツーであり、従ってそのようなインテリアでもこころ安らかに暮らせるだけの精神力が必要となってくるのである。「こんぶ柄」(にしか見えない)シャワーカーテンが設置された部屋に、「フィガロ・ジャポン 北欧-小物の王国」特集号などを普段から愛読している婦女子が入居を決心するのはたいそうな困難を伴うであろう、と想像するのである。

オレ自身は多少の物事に動じない年齢に達してしまったので、どのようなインテリアの家でも念仏を唱えながら暮らすことが苦にならない。というか、オレ自身が「センス無し蔵(ぞう)」なので、そのインテリアのありえなさに気がつかないだけなのかもしれない。ところで、今日はそんなこのオレが「一瞬にしてあなたの部屋をおしゃれに変えるインテリア小物」アドバイスをおこなおう、というまさかの試みにチャレンジしたい。

さきごろ来日公演を盛況に終えたと聞く The Pains Of Being Pure At Heart www.myspace.com/thepainsofbeingpureatheart コイツらの音はオレのようなじいさんからすると、かつて昔一生懸命追いかけていたようなメロディと音のてんこ盛りなので、聴くたびに青春の甘酸っぱい思い出がよみがえるという、なかなか捨て置けないバンドである。オレにとってはそういう音がこの21世紀にライブで生で聴けるのだから、たいへんありがたい方々であると言えるだろう。一度だけ観にいった昨年の Great Escape ('09) では、大盛況のあまりメンバー全員のすがたをしっかりと拝むことはできなかったのだが、それでもそれなりに楽しめたステージであった。ステージ上でのいでたちはTシャツ、というか基本的に気の張らないフツーの小僧スタイルであり、彼らの音楽スタイルを邪魔するものでは決して無いし、好感の持てるものではあるが、もちろん見た目の「おしゃれさん」という世界からは遠いヒトタチといえるだろう。

ところで、オレは昨年(2009)ロンドンとパリの2大都市の繁華街において、合計3回にわたって彼らのアルバム・ジャケット(12インチ・ビニール盤)がブティックないしは洋装店のショーウィンドウに雰囲気を出すための小物として飾られているのを発見した。その店で販売中の洋服や小物をさらに魅力的にアピールするための、ムード作りの小道具として用いられているのである。すなわち、このアメリカ産通称シューゲイザー達のジャケット・ビジュアルは、現在ヨーロッパの中心都市において「おしゃれアイコン」と化していることに気がついたのであった。したがって、理由はまったくわからないのだが、かれらのアルバムジャケットをさりげなく部屋の中に飾ることで、あら不思議。たちまちにしてあなたの部屋はおしゃれブティック並みのセンスとオーラに満ち溢れるに違いないのである。ハンガーで無造作にユニクロのトップスを掛けているだけの室内も、一瞬にして「パリの新たしい情報発信エリア『北マレ』地区のセレクトショップ」並みの輝きを持ってしまうはずである。

オレ自身は「こんぶ柄」の室内がそんなにおしゃれになってしまっては逆に居心地が悪くなってしまうので、彼らの12インチ・ジャケットを部屋に飾る勇気はない。普通にCDアルバムをラックの中に押し込んでいるだけだ。というか、せっかく気持ちよく聴いているバンドなのに、その「音」ではなく「ジャケット」をおしゃれアイテムとして使っているヒトがいるかもしれない、と考えるだけでちょっと気が滅入るというものだ。

ジャケットはともかくとして、彼らは「おしゃれ買い」の対象なのだろうか?いまコレを聴くのがセンスいいんだよ、とかいった会話が平気で世の中でなされていたりするのだろうか?昔なつかしい音が聴けて単純に喜んでいるこのおっさんからすれば若干気の遠くなるような話ではある。

彼らの多少ぎこちない、もっさりしたカンジのライブは、オレには好感の持てるものだった。日本でのライブを観た人たちも、いわゆる「おしゃれさん」ではなく、オレ同様ただの「おたく」の方々であったと信じたい。

Tpobpah

これがキラー・アイテム。これをブティックのショーウィンドウに飾ると、周りの店と比べて一歩おしゃれ感が増すと思われているようだ。

Pah2

@ Po Na Na

見た目は全員「疲れた予備校生」のようであった。ビジュアル的にも断然合格点を さしあげられる。

● Kelu さん、コメントありがとうございます。コメントバックできないので追記します。

知りたかったことが聞けて、たいへんうれしいです。これで安心してかれらのCDをこれからも聴いていきたいと考えています。Great Escape の当日、彼らは初日の最初の出演バンドだったのですが、なめてかかって開演直前に会場に行ったらすでに長蛇の列でした。結局途中からしか観ることができなかったのですが、もう一度観にいきたいとずーっと考えてました。もしかしたら「おしゃれさん」だらけ?という心のもやもやが取れて、これで晴れて再度ライブにトライしてみます。

● ににさん、いつもコメントありがとうございます。ご活躍の様子をうかがい、ここのところ寄る年波で「はらいた」をおこして伏せっていた身からするとうらやましいかぎりです。とはいえ Drums にはうまく遭遇することができました。とてもたのしかったですよ。タンバリン・ジャンプの登場が一回だけなので、また観にいきたくなる仕掛けになっているわけですね。今月の Camden Crawl で再トライの予定です。でも同じ日に Man Like Me も登場するらしく、クラッシュのないことを祈念しております。

« The XX | トップページ | Delphic »

音楽」カテゴリの記事

コメント

初めまして。いつも拝見させていただいております!
The Pains Of Being Pure At Heartを日本公演(神戸)見たんですが、確かに「おしゃれさん」はちらほら見かける程度で意外と少ない感じでした。観客のノリも全体的におとなしかったです。
ボーカルの人が意外にも男前でオーラがあったのには驚きました!

こんにちは、Drumsパリ公演は堪能されましたか?私はOld Blue Last (Morrissey発見)とRough Tradeに参戦しました。それはさておきDrumsとも仲の良いPains、私も2009年に3~4回観ましたが、確かにオサレ系の人々の支持が厚いにも関わらずライブは意外ともっさりとした人が多い印象でした。彼らのライブでは常に最前ど真ん中にモヒカンおじさんが陣取っていました。彼はさわやかインディーバンドのライブには必ずいる猛者のようです。
個人的にはキーボードのPeggy嬢のファッションがかわいいので注目しています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/460350/33619163

この記事へのトラックバック一覧です: The Pains Of Being Pure At Heart:

« The XX | トップページ | Delphic »

フォト
無料ブログはココログ
2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31