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2010年4月29日 (木)

Caribou

< 2010. 04. 23 @ Point Ephemere, Paris >

仕事柄、「出張」ということでヨーロッパの中を飛行機で移動することが多い。先週は例の火山灰騒動のおかげでロンドン出張とフランクフルト出張がすっ飛んでしまった。いろいろはかどらなくなってしまったので、まあ面倒といえば面倒なことではある。

もっとも悪いことばかりではなかった。

南仏からロンドンに行く予定の飛行機がキャンセルになり、とりあえずパリでしばらく足止めされることになった、会社の同期入社にしてもと同じ部署の同僚(現在は別な会社に勤務)N君から急遽の電話が入り、お互い旧交を温めることができたのだ。あいかわらず高そうなスーツ着て、人生の成功者のようだったなあ。まあオレも齢50を間近に控えてこれからの会社員人生がどうなるのか考えないでもないのだが、いずれにしろ「ライブ道」で突っ走れるうちはなんとかがんばろう、と決意を新たにした夜だった。

もうひとつ良かったことがあって、それは前売り券を買って楽しみにしていたにもかかわらず、その後決まった出張のために観にいけないことになってしまっていた Caribou のパリでのライブを、結果的に楽しむことができたことである。www.myspace.com/cariboumanitoba 新作を引っさげてのツアーではあるが、オレ自身はず~っと見逃し続けていて、初めてのライブ体験だ。当日は火山灰後の空港再開から2日目だったが、オレが出張で乗るはずだった飛行機は混乱の中で間引かれ欠航し、パリから外に出られず。一方ミュージシャンの彼らは首尾よくパリに移動してこれたようだ。仕事の方は多少困ったことになったが、ライブ道的には偶然にも喜ばしいことになったのであった。

当日の会場 Point Ephemere は映画『アメリ』で主人公が石を投げて水切りをするサン・マルタン運河に沿って位置するライブハウス件文化イベント施設だ。ちょうど陽気が良くなってきたこともあり、あたり一帯は若者を中心にとてもにぎわっている。なかなか雰囲気の良いエリアでもあり、オレは散歩がてら運河沿いを行ったりきたりしていたら、どうやら時間を食いすぎてしまったようだった。会場に入ったときにはすでに演奏がはじまってしまっていたのである。

とはいえどうやら演奏開始直後のようす。おれはソールドアウトで混雑する客をなんとかかきわけて、会場の中間ほどまで進むことができた。斜めからのポジションなので、会場の柱が多少視界の邪魔になるものの、主役のダンはバッチリ、そしてゆったりと観ることができる、なかなか悪くない位置である。オレはアンコールまで含めて、この才気あふれる連中をたっぷりと楽しむことができた。やっぱり、「録音は個人プロジェク」、そして「ライブはバンドで」って、ライブ観にいく醍醐味ですな。

最後の拍手を送りながら改めて思ったのだが、フランス人の女性って、基本的に上背が高すぎなくて、いいですよね。ライブ鑑賞のライバルとしては。この日の観客、それもオレの目の前からステージに至るスペースに陣取っていた方々は、偶然すべて女性。しかも全員フランス人としても小柄か、せいぜい平均身長のかたがたばかりと見えて、オレの視界を邪魔するものは、例の柱以外何もない状態。柱は通常うごかないから、ライブを通して前にいる人間のアタマがあっちへこっちへじゃまくさい!ということがまったくなかったのであった。これだけでもなかなかの高得点ライブといえまいか。思い返せばイギリス人はもうすこし背が高かったしなあ。以前のエントリーでも書いたが、結局前に立ちはだかる人間の「アタマ」のためにせっかっくのステージが台無しになってしまうのはなんとももったいないものだ。

過去イチバン最悪だったのは、今をさかのぼることもう20年位前だが、当時それこそ出張で東京からドイツのフランクフルトに数ヶ月滞在していたときの話だ。

夜は比較的暇な日が多かったこともあり、せっせとライブに出かけたりしていたのだが、ある週末、当時オレのお気に入りだったマット・ジョンソン率いる The The が隣町のビースバーデンで屋外ライブを行うという情報を入手した。しかも The Smith を脱退して間もないジョニー・マー(現 The Cribs)がギタリストとして参加して初めてのツアーという記念すべきおまけまでついていた。喜び勇んで観にいったのはいうまでもない。会場入り口で首尾よくダフ屋チケットを入手したのだが、ステージ前まですすんだときに驚愕せざるを得ない現実をつきつけられた。よく考えたら当たり前なのだが、観客のドイツ人若者たち、みな巨人なのである。いや、もしかすると巨人とまではいえないのかもしれないが、オレの目の前に展開されるのは、彼らの背中でこしらえられた壁・壁・壁である。結局オレはマット・ジョンソンもジョニー・マーも、1ミリも拝顔することなく、演奏終了と同時にすごすごとホテルに帰らざるを得なかった。

とまあ、そんなことを思い出したりしたので、普段はパリの悪口ばかり言うオレではあるが、パリのライブもなかなか悪くないかもしれないかなあ、などと思いながら再び運河沿いを歩いた。すっかり日は落ちていたが、若者の賑わいは相変わらずだ。夜は夜でまた違った趣がある場所だ、と思った。

ところではなしは変わりますが、このたびパリからフランクフルトへの転勤が決まりました。

移動まではまだ多少の時間があるが、引越しを含めて忙しくなるかもしれない。ロンドン同様「出張」でパリには頻繁にもどるだろうが、「住民」としてパリのライブハウスを訪れるのはもしかしたら今夜が最後かもしれない。そんなことを思いながら再びサン・マルタン運河沿いを散歩してから家路についたのであった。デカ敵にくじけなければ、今後もレポートを書きたいと思っている。軒並みソールドアウトだった The XX のヨーロッパツアーで数少ない「未完売」都市だったフランクフルト。もしかしたら意外な穴場なのかもしれない。

Caribou

@ Point Ephemere

ドラムを連打しているときが、一番うれしそうでした。

Pe

Point Ephemere 夜景。外から引っ張ってきた写真。

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