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2010年7月

2010年7月19日 (月)

Jamaica

< 2010. 05. 13 @ Horatios Bar, Brighton (Great Escape '10) >

パリのアパートを引き払い、ここフランクフルトに着任してから、一ヶ月半ほどが過ぎた。この間、仕事でロンドンやパリに行く機会はあいかわらず多かったのだが、ロンドン出張の場合には何とか一泊してライブハウスを駆け巡るパターンが常態化している一方で、パリで仕事がある際には、そそくさとその日のうちに日帰りで帰ってきてしまいがちである。

よく考えたら「粗食」に甘んじざるを得ないここドイツに急い帰ってきて夕食を食べる必然性もあまりないのであって、せっかくパリに行ったのなら、あちらこちらの安くておいしい店に誰か知り合いを誘って行けばよいようなものである。店も知ってんだし。まあ面倒くさいから今日のうちに帰っちゃおう、と思いやすいのは、オレが食通でもスウィーツ・ハンターでもないからなのだが、やはりナイトアウトをするにしても、UKのバンドをフランスでわざわざ観ることもないだろう、という理由が大きいと思う。

もちろん、フランスのバンドを観るために、いまさら夜のパリをさまようつもりもない。バンドと観客のコミュニケーションの輪にも入っていけないしな。まあ、フランス語の習得をあからさまにサボったオレが悪いだけなのかもしれないが。もちろん、とはいえそんなに観たいフランスのバンドがあるわけでもないのだから、しょうがあるまい。

とまあ、最後までおフランスに冷たかったオレなのだが、パリを離れる直前の数週間はさすがにすこしだけ優しい気持ちになっていたのかもしれない。今年の Great Escape '10 では、先日紹介した Pony Pony Run Run をふくめてフランスのバンドを3つも観に出かけたのである。個人的にはあまり楽しい記憶の少ない国ではあったが、一応は数年間世話になった土地だ。その国出身の若いミュージシャンがインターナショナルなバンドのショーケースで演奏する場を、あたたかく見守ってあげるくらいのことはしてあげるべきであろう。そう思って、イベント3日間のトップ、いの一番に観たのがコイツら Jamaica であった。www.myspace.com/ithinkilikejamaica

3~4年の月日をパリで過ごした結果、オレの中で「フランス人のムッシュー」というと、かなり限定的で特定された見た目のビジュアルがアタマに思い浮ぶ。具体的にいえば、かなり「髪型」に寄ったハナシになってしまうのだが、「ムッシュー」イコール、①7:3分けが伸びた長髪・②モシャモシャのアタマ、というのが経験に基づくオレの見解だ。で、この Jamaica というバンドを観終わったあとの印象は、「この二人組み、あからさまに①と②だなァ。以上終わり。」というものであった。

以前にも書いたことだが、いわゆるビッグネームでない「 Kitsune 」系のミュージシャンは、CDの Kitsune コンピレーションで聴くのではなく、ライブでお目にかかると、しょんぼりする確率が低くない。要するに、CDで聴くとカッコいいのだが、ライブだと馬脚を現すのである。音が加工されていないので。そしてこの Jamaica も残念ながらそのパターンにすっぽりと収まっている連中なのであった。

「地元民」としてせっかく応援に駆けつけたステージだったが、イキナリ不発でした。これからは再び「ヨソ者」として、フランス人に対しては厳しい目で見つめていきたいものだと思う。

Jamaice

@ Horatios

今年のフジロックにも初日の金曜日から出演するようなので、要注意物件である。この日は The XX や Broken Bells など、良いバンドがたくさん出演するようなので、あまりこんな連中にまどわされないようにしたいものである。

とはいうものの、あまりネガティブな情報だけを垂れ流すのでは気が引けるので、同じく金曜日のフジのラインナップの中から、お勧めできる連中を参考までに貼り付けときます。最近観たものなので、同じようなセットを体験できると思うが、 Jamaice よりは断然良いとおもうよ。あまり新人とはいえないですが。↓

Ln

Local Native @ Glastonbury Festival '10 (25/06/2010)

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Dirty Projectors @ Glastonbury Festival '10 (27/06/2010)

2010年7月11日 (日)

Steve Mason

< 2010. 06. 25 @ The Park, Glastonbury Festival '10 >

さて日本ではそろそろ梅雨明けといったところでしょうか?じめじめしていると、それはそれでキツイものではあるが、からっと晴れ上がっても炎天下でアツいことには変わりがない。

欧州では一般的に言って「湿度」が低いため、気温が高くても「さわやか」ということになっているらしいのだが、当地フランクフルトでも毎日37℃とか、35℃とかいった日が続くと正直きびしいいものがあるぞ。オフィスや住居のエアコン装着率はいまだ高いとはいえないし、最近はタクシーもエアコン車が増えてきたとはいえ、客待ち時にはエンジンを止めているので、乗り込んだ瞬間に体中「鉄砲汗」だ。

先週も猛暑に襲われたパリ事務所の同僚とメールでやり取りをしていたのだが、夕刻あたりから彼の文面がおかしくなり始め、「暑すぎて、思考がまわりません・・・」という遺言と言うか辞世の句を送ってきて以降、プツリと音沙汰がなくなってしまった。当然ながらエアコンのついていないオフィスの中で悶絶しているのに違いないのだが、本当に気を失っていたり絶命していたりするとコワイので、オレは彼の無事を確認することなく、オレ自身もそんなことになってしまってはたいへんなので、そそくさと自分の事務所をあとにした。このヨーロッパも実はけっこう厳しいのである。

もちろん気温の高いこと自体は決してネガティブなはなしではなく、とくに通常は夜半にかけてぐっと冷え込む6月に実施される恒例のグラストンベリー・フェスティバルにおいては、「あたたかい」かどうかがこのイベントを楽しめるか否かの大きな分かれ道となる。UKのなかでも「グラストンベリー」イコール「泥」、といわれているように、この時期雨に見舞われて泥だらけになってしまいがちなフェスティバルなので、確かに「雨」にたたられるかどうかは、このイベントを堪能するための大きな分岐点だといえる。しかし意外と忘れがちだが、「夏フェス」といっても6月は冷え込む日がすくなくないので、かりに雨までは降らなかったとしても、厚い雲に覆われた日など、夕方になるとダウンジャケットを着込んでもまだ寒い!よって撤収!!という過去があったことは厳しいながらも事実なのである。(よく考えたら、夏フェスにダウンを持ってくのって、めんどくさいよね)

40年目のアニバーサリーを迎えた今年のグラストンベリーは、そういう意味では個人的にも大満足・大成功と呼べるものであった。なにせ雨が降らないどころか、気温は連日30度超。最後のバンドまで見終えても、ほぼTシャツ一枚ですごすことができたからである。オレが個人的に参戦してからの10年間では文句なくのベスト。BBCによれば、このイベント始まって以来の「でき」ではないかとさえ言う。いずれにしても、今年は期間中、朝から晩まで縦横無尽に巨大な会場を歩きまわることが出来、真剣に足が疲れた、というのが贅沢な悩みであった。こういうことがあるから「地球温暖化」も悪くないのではないか、ということだろうか、今年は暖かいにもかかわらず会場内の夜の焚き火発生率が昨年より高かった、と思う。

もうひとつだけ贅沢な悩みを言わせていただくと、さすがに日中は暑くて汗だくになった、ということである。もちろんそれはそれで楽しいんですけど。

実はオレは個人的に昔から守り続けているかたくななファッション・ポリシーがある。自分のようなただのおやっさんが「ファッション」というのも気恥ずかしいが、一種の身だしなみのようなものである。それはヒトコトで言えば、『人前で短パンをはかない』ということであって、それがプライベートであっても、仮にリゾート地であっても、決して短パンをはかないことをオレは人生訓としているのである。オヤジが素足のスネを人様の目にさらすのは、失礼千万極まりない、という個人的な過激思想をその根拠にしているわけだが、短パンを身につけた己の姿があまりにも情けないから、という真の理由はいちおうオブラートに包もうと、姑息に考えている。

まあなんにしても今年のフェス参加者17万5千人の中で、長ズボンや長ジーンズをはいていた人間の割合は、おそらく0.1%にも満たないであろう。数少ない例外が、スリムフィット・パンツ以外の選択をかたくなに拒むイマドキの子供と、そしてオレであった。炎天下で厳しい日差しの太陽の下、オレは下半身すべての場所で常に汗まみれ状態という、むしろかえってキモチ悪いオヤジになってしまっていたのであった。はたしてオレのポリシーは何らかの意味が少しでもあるものなのだろうか?よく考えたら、演奏する側のミュージシャンはそのたいていがフツーのいでたち、すなわち「短パン」ではなくて通常の長モノである。オレは見てないが今回のフェスに登場したスヌープ・ドッグにいたっては、ダウンのコートを着用して登場したという。客と演奏者、立場は180度ちがうが、彼らに見習うべきこともあったりするのではないか?そんなことも思いながら、ふとももに汗でべっとり張り付くズボンと格闘していたのであった。

さて、オレの予想通り Black Affair 名義の活動にもすっかり飽きてしまったように見かけられる Steve Mason 氏。ソロ名義の新作を発表し、このグラストンベリーにもやってくるというので、足を運んでみた。www.myspace.com/stevemasonlovesyou 前にも書いたとおり、なにをやっても結局は皆同じになってしまうヒトなので、安心しながら楽しむことのできた、良いステージであった。個人的に見逃して悔しい思いをしていた King Biscuit Time の名曲もいくつか披露してくれたことも、彼のセットに花を添えてくれていた。

ところでこの Steve Mason、そもそも外見上「オヤジ」感にあふれる逸材だが、今回寄る年波でその「オヤジ」度が以前にも増してアップしていたことは、ステージ最前列から容易に確認することができた。しかし、そんなささいなことは問題ではない。オレが魂を揺さぶられたのは、彼のステージ上でのいでたち、すなわち「短パン」姿に、であった。

今回のフェスに出演するミュージシャンの中にも「短パン」組はほかにもいるにはいたが、その大半は普段から「短パン」をトレードマークにしているような連中か、夏フェスらしさを色添えるために、メンバーのうち一人がおしゃれにショーツを着こなしている、といった風情のものである。ところが Steve Mason 氏の場合は、明らかに「今日暑いんで短パンにしました」的な、オヤジの休日感にまみれた、昔のバミューダ・パンツ風のビジュアルである。コンビニに寄った帰りにステージに上がりました、と説明されても誰も異論を挟めないであろう雰囲気だ。

もちろん、実際はちょっとばかりおしゃれなブランドものであったりする確率が低くないわけだが、少なくともオレの目には「中途半端な部屋着の短パン」にしか見えなかったのである。そしてそれは、彼自身の風貌に寄るところの理由が大である、というのがオレの見方だ。要するに「似合う」「似合わない」でいえば、Steve は圧倒的に短パンの似合わない男といってよいだろう。そしてステージでヒトに見られることを生業とする立場を考慮して考えると、「世界一短パンの似合わないミュージシャン」の称号を贈らざるを得ない、というのが今日のオレの結論だ。ライブの減点にはまったくならないけど。

彼のステージが終了し、引き続き汗だくになりながら別のエリアに移動する最中に考えた。オレが人前で短パンをはかないという意味不明のポリシーは、必ずしも間違ってはいない、と。

Sm

@ The Park

オレは最前列から観たのでヤツがオヤジとして完成している「さま」を理解できたが、遠くから見た観客は夏休みの小学生にしか見えなかったに違いない。「陰」と「陽」だと、このヒトは前者なので、真夏日の真っ昼間はそもそも相性が良くないのかもしれない。

ところで「陽」の The Aliens をはじめてみたのも、数年前のこの The Park ステージだったなあ。このステージの責任監修者 Emily Eavis (主催者の娘)って、ベータ・バンド好きなのね。だったら、Steve のステージを無理やり夜に持ってくる、という選択肢もあったのではないか、とも思う。

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